紙の本
人間が一番怖い
2017/11/03 19:03
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず日明恩という作家は、語り口も文章も着眼点も好みで、面白い世界を著してくれる。しかし、この作品は、とても怖い話だった。
大沢在昌「新宿鮫」では初期の「炎蛹」で、検疫の重要さや担当者の苦労を知ったが、最近はスズメバチにしろヒアリにしろ、従来の検疫では予想出来ないようなルートで外来種が入り込んで来る上、海外へも船のバラスト水を介して海藻類や貝類が移出している状況である。本書では、それらに加えて、人の“欲”が絡まり、一つひとつは単純な仕業でも、相互作用して複雑で破滅的な世界へと導かれていく過程が描かれ、身に迫るような恐怖さえ感じさせられた。
それにしても、金銭欲、名誉欲、支配欲、独占欲…等々、本書であぶりだされる“欲”の数々に、つくづく、人間が一番怖い、と実感させられる一冊だった。
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遅筆で知られる作家さんの待望の新作!でも「武本&塩崎シリーズ」でもなく、「Fire's Out」シリーズでもなく、少し残念な気持ちで読み始めたが、読み終わっても、読後感が悪くて、残念な気持ちは拭えない。用水路に捨てられていた熱帯魚を見つけた中学1年生の洋は、犬の散歩で通りかかった間宮の協力を得て、熱帯魚を救い出し、9駅離れた保護センターに持っていくことに。しかし、熱帯魚が死なないように、万全を期したのにも拘わらず、保護センターにたどり着く前に熱帯魚は全て死んでしまう。その死に納得のいなかい洋は水を調べ、その水には得体の知れない生物がいることを発見する。一方、動物病院に勤務する須賀は、洋と一緒に熱帯魚を救った間宮の愛犬を診察したことから、この1件に関わっていくことになる。タイトルとは裏腹に、その水で熱帯魚が死んだことから、自分が気に入らない人や動物に、その水を与えると言う行動に出る洋。その行動が大きな騒動になっていく・・・
人を不幸にする上に、最後まで毒物の正体の正式な解明はされないままで、すっごく消化不良。
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他のレビューにも書かれていたとおり救いがなさすぎて読み終わったあと悲しくなる。しかも原因を作ったのはこいつかと知ってやりきれない。そしてこんなことが起きても不思議ではない世の中になってしまってさらに悲しい。
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最後のページをめくった瞬間キョトンです。ページを読み飛ばしたのかと、前のページを確かめるが、やはりおしまい。モヤモヤがハンパない。
生物パニック的なものに分類されるのでしょうか。序盤から読みやすく入り込めました。パニックへの布石が散りばめられていて、うわーと思いつつドキドキとハラハラが追っかけっこです。
都合良すぎるという場面がちらつくも興ざめするほどではなく、終始先が気になる良い読み心地。
でもばらまかれる布石が大盤振る舞いで、読み進めるほどに「残りのページこれだけなのにどうやって収拾つけるんだ」とこっちが焦る。そして案の定な感じで終わるという。
リアルといえばリアル。でも読み込んで背景や意図を探る類いの物語ではないのだからスッキリ終わらせて欲しかった。
タイトルの意味もご親切な説明はない。急激な乱高下からの、波のない穏やかな自我への導きという解釈でいいのかな。
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用水路に捨てられていた熱帯魚を見つけた中学1年生の石塚洋。魚は全滅してしまうが、水の中に得体の知れない生物がいることを発見する。魚が死んだ原因は水にあると考えた洋は、自分が気に入らない人や犬に飲ませてしまう。
もっと、バイオテロ、もしくはパンデミックというような展開かと思っていた。回収仕切れていないことや誰も救われないということで、若干消化不良気味。
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少年が見つけた水の中の微生物。それに少し妙な力があることに気づいた少年が、その微生物を研究するうちに恐ろしい事件が巻き起こってしまうサスペンス。
正直最初の段階ではそれほど凶悪なものとは思えなかったので、ちょっとした出来心で彼がやってしまったことはまだ許せなくもないかなあ。真に恐ろしいのはあの人でした。うーむ、まさかあそこまで邪悪だなんて思わなかった! むしろここまでくると少年は被害者に思えてしまうかも。
ところで、きっちりした由来だとかこの後どうなりそうとかいうことがいまいちはっきりわからなくって。プロローグの意味とか、カウントダウン形式の章とか。そして最終章が「0」ということは、ひょっとするとこれから何かが……!?
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ひとりぼっちの洋はある日川で捨てられていた熱帯魚を発見した。
しかし、保護した翌日魚達は死滅していた。
水を調べてみると、そこにはニョロニョロした細菌がうごめいていた。
日明さんの新作が読めて幸せ…。
これまでの作風と少し変わっているものの、少しずつ悪い方向へ転がり落ちていく展開が面白かった。
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すごく怖いわけではないけど、じわじわ怖い。
毒素が染みこんでくるような怖さ。
うまいなー。おもしろい。
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篠田節子と同じレベルを期待すると失望する。
USBメモリ飲み込むことないし、わからないことたくさん。
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川に捨てられていた魚を拾ったけれど、死んでしまった。
入れていた器には、妙な『もの』が入っていた。
ちょっとした好奇心から育てて、効果を知って。
自分の中から視界から排除したい人を
本当に排除できたら。
多少考える事ですが、その方法が手に入った上に
まったく手口が分からないなら完璧です。
子供特有の好奇心と、残虐心から使ってみれば…という
本当にあったら、と考えると怖い以外何物でもない話。
当然ですけど、事件を解決しようとするのは大人。
後始末をするのも大人。
しかも本人は最後には…ですし。
いやでもまさかの落ちというか、元凶というか。
引き金というべきか、拡散したせいなのと
どうしてこうなったか、と。
女は怖い。
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他の日恩作品と同じ作風を期待して読んだら、全然テイストが違って怖い話。
誰も幸せにならなくて、後味が悪い。
プロローグの意味が最後まで分からなかった。
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10月-1。2.5点。
川に熱帯魚が棄てられていて、水を掬った少年。
その水には謎の物体が。物体を研究する少年、しかしその水にはある作用が。
救いのない物語、暗い感じだった。同級生の女の子がコワい。。。
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まったく優しくない水。
好奇心が倫理観をこえるところが、じわじわと怖かった。
エンディングも救いがなく、すごいイヤミス。
プロローグの意味がよくわからなくて色々考察見たけど、みんなあんまりピンとはきてないのかな。(たぶんこうだと思うけど…っていうのは統一してあるけど)
ちょっと長かったけど、展開が気になって読まされてしまった。他の小説はテイストが違うようなのでチャレンジしてみたいな。
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日明さんの消防、救急などの組織を扱った作品は好きなのですが、これは救われない。
途中の、獣医、警察、研究者が絡むところは面白かった。
プロローグはよくわからなかった。
中学生は大人に頼るべき。自由研究と称して、いろんな実験ができるのだから。よい研究者になっただろうに。
優しくない水かな。
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川に捨てられた熱帯魚を助けて、そこにとりついていた不可思議な微生物を発見した中学生の洋。
離婚した母について母の実家の町で暮らす洋は、生き難さをその生物の観察に没頭して、恐ろしい事実を確認していく。
そしてそれを水に混ぜて、自分に被害を与える人々へと・・・
それに目をつけたヤクザが・・・
知らぬ間に広がっていく恐ろしい微生物・・・
どこにでも転がっていそうで怖い~