紙の本
リベラルの信仰とは「人種間の平等」である
2019/02/27 16:05
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
延々とアメリカ国内のリベラルの内情を描き出している。ポリティカル・コレクトネスの発端でもあることも含めて、鼻持ちならない傲慢さ、くだらない理想主義にうんざりする。
ひるがえって日本は、リベラルとは自民党に反対することである。ということは、昔の社会党ではないか。共産党を含め、左翼じゃないか。
日米とも、リベラルは病である。どちらも重症である。
どちらも、揚げ足取りに終始するのは同じ。ポリティカル・コレクトネスを徹底したところで、本当に差別がなくなるなど考えられない。本当にやらなければならないことは、相手の言うことをすべて聞いてから、問題点を議論すべきである。一つの文言だけをとらえて相手をやり込めるのは不毛である。本当の議論をすべきだと思う。
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アメリカのリベラルとコンサバ(保守)についての本。
最初の方でリベラルが生み出したポリティカルコレクトネスが暴走し、不寛容と排除を生んでいることを指摘。
悪意がなくても、プライベートで言ったことでも人種差別的なことを言うだけで、容赦なく断罪する。
その苛烈さはリベラルという名の宗教と呼べるほどだ。
対するコンサバはキリスト教的な観点が強いため、やはり宗教的である。
アメリカはリベラルとコンサバの対立でやってきた。
その思想は個々人の深いところに根付いており、政治はもちろん司法にも影響しているというのは異常にも思える。
ざっくり言うと、大きな政府と小さな政府だ。
しかし日本では小さな政府が志向されないので、自民がリベラル的なことをやった結果、民進党はやることがなくなって批判するしかできなくなってしまったという点は頷ける。
アメリカはトランプでしっちゃかめっちゃかになっており、リベラルな民主党が民進党のようなケチつけるやり方をしてしまっている。
しかし穏健派のなかには共和党ともアメリカ共通の価値を見つけだす動きもあるというのは希望を持たせられる。
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非常にわかりやすくて説得力がある。
大きな声で非難できないが、多くの人が違和感を持っている「リベラル」について、アメリカの事情を引き合いに出しながら、論理的な解説がなされている。
自分の言いたいことを言うだけのオジサン政治評論家とは違って、素直にもっと教えて!っていう気持ちになる。
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アメリカのコンサバが人間不信で徹底できるとしたらキリスト教の裏付けがあるからかも、と思った。宗教性の違いや歴史の成り立ちの違いを深く踏まえた上で日本の「リベラル」は明確で意志の高い理念を持たないと。
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トランプ大統領の来日騒動もようやくひと段落。
最近「政治」について勉強するのがマイブームです。(ノンポリだし、政治家になりたいわけではないけど、知っておくべき知識かな?と改めて思ったので)
「リベラル」という単語は日々耳にするけど、実際本来の意味をちゃんと理解できていたのだろうか?というちょっとした疑問からこの本を手に取ってみました。
「コンサバ(保守派)」の対義語として使われ、ある種の「自由主義」的な考え方として使われますが、どうやら日本とアメリカではそもそもの考え方や使われ方が違うんだなと。
著者は東大卒→財務官僚からハーバード・ロースクールに留学しているので、日米の文化的、経済的、政治的な差を肌で感じているから、ニュートラルな視点で「リベラル」と「コンサバ」について語っています。
ここで「リベラル」と「コンサバ」の違いについて書くにはちょっと場所的に難しいので気になる方は是非手に取ってもらいたい一冊です。何だか政治と聞くと小難しく聞こえますが、シンプルかつ分かりやすくまとめられています。
ちなみに併行して「ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)」という本も読んでいるのですが、比較しながら読むとより学習精度があがりますね。笑
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後半に同じことの繰り返しで失速気味なのが残念でしたが、私にとっては結構気付きの多い本でした。
例えば、PC(ポリティカルコレクトネス)の欺瞞についての指摘(P59)、トランプ大統領誕生の背景には本音と建前があまりにもが開き過ぎたリベラル信仰(民主党の大勢)是正への反動だと分析(P65)、最高裁判事が保守かリベラルかという点は次期大統領判断にも大きな影響を与えた(P78)、共和党幹部でさえ差別発言を連発するトランプに嫌悪感を抱きながらも「トランプの任期は4年だが、もしクリントンがリベラル判事を任命すれば、その任期は40年間続くかもしれない。4年の我慢は40年の我慢よりましだ」と考えてトランプに投票したインテリ共和党員の話(P81)、親の認定については血縁主義、意志主義、機能主義という3つの考え方がある(P152)、日本の民主党の振るわないのは年金や医療、介護、、福祉、保育支援など大きな政府(財政支出増)を目指してながら財政健全化も実現するという相反する政策を掲げても万年野党だと開き直って平気だから(P168)、政治家は利益団体を集票マシーンとして利用する代わりに、政治家は見返りに利益誘導を図るという変わらない政治体質(P180)、トランプ誕生によって打撃を受けたリベラル派(民主党)の巻き返しの行方は・・など面白く拝読しました。
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私が思う、日本でリベラルと名乗る人たちのイメージは、ちょっと自分と考えの違う人たちを見るとすぐ差別だ差別だと「レイシスト」のレッテルを貼るやっかいな人たちというイメージしかなく、まあ、この本を読んだらその「リベラル」とやらの元ネタがわかるのかな、という気持ちで本書を手に取った。
思ったよりも深くアメリカの歴史や人種観などがわかりやすく書かれていてよかった。予備知識がなくてもある程度理解できるように書いてあるところは、さすが、頭のいい人のなせる技だ。
LGBTQQIAAPPO2Sのくだりは本当に今のアメリカの現状をよく表していて、発言ひとつにどれだけ気を遣わねばならないのか、という感覚が理解できた。日本でも、議員があくまで「優先順位」の話をしただけで大炎上して脅迫騒ぎにまで発展したことは記憶に新しいが、このことは差別を懸念するあまり物事の本質が見えなくなってしまっている危険な事態だと思う。
また、著者は2016年を日本のPC(ポリティカル・コレクトネス)元年と振り返られる年になるかもしれない、としていて、2016年と言えば電通の女性社員が自殺し、彼女が上司から「女子力がない」と国際社会からすればとんでもないセクハラを受けていたことも明らかになり、また、資生堂インテグレートのCMが女性の美しさ、生き方に対して非常に押し付けがましいCMを打ち出して炎上したのもこの年だ。
このように日本人の意識が良い方向に「向上」している面があるのも認めるが、オリジナルのアメリカでも抱えきれてない矛盾のある「リベラル」をなんでもかんでも輸入していては、この島国がそれとうまく共存できるはずがない。
黒人に対する差別も、また、解消しきれない芽がどんどん水面下で育っている。「対話」の時間では、黒人の生徒が「今まで白人が黒人に対してどんなにひどい扱いをしてきたか」を語り、白人の生徒はただ目を伏せて聞くという光景が見られるそうだ。それもまた新たな憎悪を生むきっかけとなってもおかしくないのである。
また、アメリカの9人の最高裁判事は大統領によって任命される、しかも40代くらいで選ばれると、亡くなるか引退するまで40年くらいは判事であり続ける。よって、アメリカの大統領になったからと言って、最高裁判事の任命の機会に恵まれることはそうそうない。逆に言えば、もうまもなく引退しそうな判事がいる、というタイミングで大統領選が行われた場合には、有権者たちは、この候補者が大統領になったら、最高裁判事として誰を任命するか、というところまで視野に入れて投票しなければならない。最高裁判事がリベラル派かコンサバ派かというのは国民の生活にダイレクトに関係してくることだから。
つまり、Aという候補者には大統領になってほしくないけれど、Bという候補者にすると変な判事を選びそうだから、ここは4年我慢するつもりでAに入れておくか、という考え方もあるらしい。
全体的には同性愛をどこまで認めるか、結婚は?親権は?日本の政党とアメリカの政党の違いはなにか?というテーマで、非常に興味深く読めたが、一番印象に残ったのは上記に記したものである。
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実は、これまでアメリカの共和党とか民主党とかのスタンスの違いを理解していなかったが、本書を読んでよく理解できるようになった。非常によい啓蒙書だと思う。
アメリカのリベラルとコンサバティブについて述べているが、翻って日本の政治スタンスに対する問題提起がなされている。現在の我々の立ち位置を見直す観点でも良書だと思える。
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リベラルろ保守派(コンサバ)との違いの内容であるが、主にアメリカの話が中心。もはや日本ではリベラルは左寄りで憲法改正反対、保守派は右寄りで改正賛成という見方がスタンダードかもしれない。
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元財務官僚で留学経験もある山口真由が、主にアメリカのリベラルについて分析した一冊。
アメリカではリベラルとコンサバティブが並立しており、それぞれの立場(主にリベラル=民主党、コンサバ=共和党)が明確であることが分かった。
それに比べて日本は自民党がコンサバからリベラルまで一緒くたで、立憲民主党が単なる反自民でしかないということを改めて実感した。
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著者自身は自分のスタンスを明らかにしてないけど、リベラル好きじゃないんだろうな、というのは言葉の端々から感じた。ハーバードで勉強してたらしいけど、インテリなリベラルの巣窟で、ポリコレの面倒くささにうんざりしたのではないか?と想像する。
リベラルが正しさの猛威をふるう強力な理念というかイデオロギーなのは間違いない。しかしそれを信仰であり宗教であると言うのはいかがなものか。それを言うならキリスト教と強く結びついて中絶を禁止し、犠牲者が何人出ようと頑なに銃規制に反対し、進化論を否定して学校で教えることすら禁じようとするコンサバだって信仰であり宗教だと思う。というか、コンサバはキリスト教の強い影響下にあるから宗教そのものだ。コンサバだって相当に偏狭だし、『コンサバという病』で一冊書けるだろう。
ただ、リベラルの偏狭さも否定できない。LGBTという言葉では性的マイノリティを捉えてきれていないからといって、LGBTQQIAAPPO2Sとか言い出すのは常軌を逸してる。じゅげむかよ、と思った。差別とかマイノリティの問題を考えるときに、一体どこまで配慮すればいいのか?という話題は時々上がるけど、どの辺に落としどころがあるのだろう。ちょっと前まで同性愛は犯罪であり、病気だったけど、今は正当な権利が認められた。じゃあペドフィリアとかはどうなんだ?それも性的マイノリティーとして認めて配慮する未来が来るのか?
心の底に潜む差別や偏見を無視して言葉狩りになってしまっている、という指摘はもっともだと思う。人々の意識が変わるまでには相応の時間が必要なはず。私自身はリベラル寄りのつもりだけど、それでも性急に上から正しさを押し付けるインテリ・リベラルへ反発したくなる気持ちはわかる。
コンサバの主張というのは、人はこうあるべきという「べき論」なんだろう。この「べき論」、近頃何かというと叩かれがちだけど、しかし本当にそれを無くしていいのだろうか。指針とか基準のようなあるべき姿がないと、人間は人間になれないのではないか、という気もする。
「最高判事という権力者」、「揺らぐ家族像」の章に書かれた米国の法曹界におけるリベラルとコンサバの戦いは知らないことが多くてとても勉強になった。この本のキモだと思う。ハーバードで勉強した著者の強みが生きている。法曹界のコンサバが法に厳格で踏み込んだ解釈をしないのに対し、リベラルは理想論に基づいていて法の解釈を越えている、という指摘が印象的。
ところで、この本はアメリカにおけるリベラルとコンサバの対立を描いた本であって、「リベラルという病」という本のタイトルは違うのではないか。留飲を下げたい保守的な人か、あるいはタイトルに神経を逆なでされたリベラルな人に買わせたい魂胆が透けて見える。終盤では日本のリベラルについて論じているけど、これには違和感がある。アメリカのコンサバとリベラルという二元論の視点から日本の政治を裁く必要はないと思う。アメリカも日本も個々の問題については是々非々でいいはず。そして、日本は自然への畏怖などがあるから理性的判断で乗り越えようとするリベラルの民主党より共和党に親和的、という説には賛同しにくい。単に自民党にとって主に経済的観点から共和党のほうが都合がいいだけではないか?興味深い説ではあるので、もうちょっと説得力のある言葉で語って欲しかった。この終盤の章は蛇足かもしれない。
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アメリカのリベラル派と保守(コンサバ)派の現状と、日米のリベラルの違いを解説した本。
アメリカにおけるリベラルと保守(コンサバ)の本質がわかりやすく書かれています。
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政府不信、家族第一、小さな政府、外国不干渉コンバサ共和党と人間信頼、個人の選択第一、大きな政府、他国干渉大好きリベラル民主党の二大政党はトランプのエリート層(有名大卒、政治家、官僚、メディアなど)批判戦略により白人貧困層が離れて混迷中。バイデンは極左を抑えてリベラルでアメリカを復活させることができるのか。オリンピック批判は左派とモーニングショーで発言し炎上した東大法学部卒財務省出身者の著者が問う。
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アメリカのコンサバとリベラルについて説明する本
アメリカの裁判所の強さと、家庭についての問題をメインにコンサバとリベラルについての違いを話している。
日本の話しは殆どない。まあどちらに分けれるものでもないという感じ。
リベラルの教義:すべての人種の平等
リベラル信仰①オフィシャル②ロッカールーム③数人④個人
最高裁判所が大統領の代弁者となる
裁判で理想を高らかに宣言するリベラル、民主主義に委ねるコンサバ
リベラルによるエリート主義
子供に関する全責任を親に持たせる
親の決め方:遺伝、分娩、婚姻推定、意思、機能
自助努力を求めるコンサバ、弱者を救うリベラル
リベラル:人間への信頼、理性で良い道筋を選べる、未開の地に民主主義を広める
コンサバ:不信、謙虚、コントロールを最小限、市場に任せる
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米国におけるリベラルとコンサバの対立構造が理解出来た。特に最高裁判事の立ち位置が明確になっている所は日本人には馴染みがなさすぎて本当に勉強になった。新しい知識が豊富に習得できるお勧めの一冊。