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世界で一番詳しいウナギの話
著者 塚本勝巳
40年間、太平洋でウナギを追い続けたウナギ博士。その研究の集大成! ! ◎天然卵発見秘話◎稚魚の餌はマリンスノー◎完全養殖に足りないもの◎来年以降の資源量変動予測◎ウナギ...
世界で一番詳しいウナギの話
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世界で一番詳しいウナギの話 (ポピュラーサイエンス)
商品説明
40年間、太平洋でウナギを追い続けたウナギ博士。その研究の集大成! !
◎天然卵発見秘話
◎稚魚の餌はマリンスノー
◎完全養殖に足りないもの
◎来年以降の資源量変動予測
◎ウナギを絶滅させないために
◎養殖業者に朗報! 幻の絶品「アオウナギ」の作り方
…など、「世界で一番詳しい」ウナギの知識が得られる一冊。
知的興奮を得られる、上質のサイエンスアドベンチャーです。
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紙の本
着実にデータと予測で追い詰めていく、科学の発見の醍醐味。
2012/11/12 17:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界で初めてウナギの卵を海で採取したのですから、著者はおそらく「世界で一番ウナギに詳しい」研究者です。ウナギの進化の話から生態の話まで。「教科書的」な記述もありますが、研究者らしいまじめな、でもわかりやすくて素敵な文章で楽しく読めました。
一番古いと思われるウナギの生息する場所からどうやってウナギの先祖が世界中に広がっていったのか。この話は、ちょうど人間が地球上に広まった過程を知るのと同じようにどきどきする面白い話でした。一つだった地球上の大陸が移動していったことと重ね合わせての話なのも、生物の進化だけでなく地球全体の変化として目線を広げてくれます。
圧巻はもちろん、世界で初めてウナギの卵を産卵場所近くで採集するまでの話。著者が関わった期間だけでも数十年、海流を見極め、捉えた仔魚の年齢を調べといろいろな手法を駆使して少しずつ産卵場所に迫っていく過程はどきどきさせるお話になっています。「どきどき」とはいっても「荒唐無稽」ではなく着実にデータと予測で追い詰めていく面白さはある意味「科学の発見の醍醐味」のひとつでしょう。
それでも最終段階の「採集した海水にウナギの卵があるか」を探す作業が、総出でシャーレに少しずつ取り分けて目で探すという「手作業」というのがなぜか感動です。「最先端の機械をつかって探せないのか」と思いそうですが、機械に「こういうものを探せ」と調整している間に調査は終わってしまい、機械を次の探し物に合わせて調整するということになりそうにおもえます。
なべて最先端のものにはこういうどうしても直接人間がやるしかない「手作業」があるものなのでしょう。
「こんなに普通の単行本の大きさで一番詳しい?」と手に取った時には思いました。でも、研究的には「一番詳しい」かどうかわかりませんが、学術本や論文には載らない失敗の話、大胆な夢物語、実際の情景まで描かれていて、やっぱり一番詳しい本だったようです。
単純にウナギを知りたい人にも、研究者がどんなことをしているのか知りたい人にもお勧めしたいです。