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著者 石井淳蔵
現代社会の富は「膨大な商品の集積」ではなく,「膨大なブランドの集積」として現れる.高級品から日用品まで,ブランドではない商品は見つけにくい.単なる商品名にすぎないブランド...
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ブランド 価値の創造 (岩波新書 新赤版)
商品説明
現代社会の富は「膨大な商品の集積」ではなく,「膨大なブランドの集積」として現れる.高級品から日用品まで,ブランドではない商品は見つけにくい.単なる商品名にすぎないブランドが,なぜ価値をもつのか.そして,究極のブランドとは何か.ブランドの誕生と成長のダイナミズムを解き明かす価値創造のマーケティング論.
目次
- 序 ブランドを支えるもの 消費者の欲望か制作者の思いか
- 第一章 ブランドが支える企業の成長
- 第二章 ブランドだけがブランドの現実を説明できる
- 第三章 ブランドの創造的適応
- 第四章 ブランドの価値論
- 第五章 ブランドの命がけの跳躍
- 第六章 消費者とブランド価値
- おわりに メディアとメッセージの交錯
- 参考文献
- あとがき
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紙の本
理論と実体論の絶妙のバランス
2008/06/12 21:09
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「価値の創造」と副題された『ブランド』は、現代社会にあって、人々の暮らしはもちろん、その認識・価値判断の奥深くにまで入り込みながら、それでいてその実際のありようは謎に満ちた「ブランド」について考えめぐらせたコンパクトな書物である。しかし、新書という枠組みの中ではあるが、本書の議論は、とてもレベルが高い。それは、単に難しいことを議論しているということではなく、議論の水準を落とすことなく、それでいてわかりやすい言葉で分析や説明がなされていくのだ。例えば、冒頭からあのマルクスが登場し、岩井克人の議論が参照されるのだが、本文では「無印良品」や「コカ・コーラ」など身近なものが話題にされていくという具合に。
してみれば本書の特徴にして魅力とは、「理論と実体のバランスよい議論」にある。ブランドは、この資本主義社会にあってたいへん不思議な「商品」よりも、さらに現代的で、現代的とされる「広告」よりも謎めいている。本書は、そうした「ブランド」を経済学をベースとした学問的知に即しながら理論的に考究しながら、例えば学生の意識や、身近なファッション・ブランドをとりあげて議論を進めていく。だから、理論に自閉することもなければ、単なるブランド紹介に留まってもいない。
「ブランド」や経済に興味のある人ばかりでなく、何しろ「ブランド」と無縁な生活など、今日誰にも送りようがないのだから、多くの人にとって、自らの身の回りを考え直すよいきっかけとして、本書は読まれるべき書物だと思う。
紙の本
ブランドを見る視点の180度転換
2002/09/19 15:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PATA - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んだ後に感じたことは、「これまでのブランド研究(あるいは、ブランドについて書かれた本)は一体なんだったのか?!」という感想でした。一般的にブランド研究では「いかに価値あるブランドを構築するか?」「いかにブランド価値を測定するか」といったビジネスの視点が中心だったように思います。それに対して、本書ではブランドの本質がどこにあるかを論理的に説明しようとしています。
筆者の回答は「偶有的でありかつ他に代わりうるものがないのがブランドなのである。…つまりブランドの本質は、『ブランドだけがそのブランドの現実を説明できる』というこの自己言及性のうちにある(75頁)」という主張に集約されているようです。そうであるならば、これまでのブランド論が課題としてきた問題は、「ブランドの価値などといったものは事前に規定できない」ということになるのではないでしょうか。
と、ここまで書いたことは、評者の理解が及んでいるかどうか怪しいところですが、本書で書かれている内容が一見読みやすく、また、新書ということもあって入門書のような感もしますが、読めば読むほど悩まされる奥の深い1冊ということだけは自信を持って言えます。
紙の本
ブランド論への入門書
2000/10/08 22:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、ブランド・マネジメントとかブランド戦略、ブランド・エクイティといった言葉をよく耳にします。しかし、それらに関する本は、アメリカの翻訳が多いので、そこに載っている事例もアメリカやヨーロッパの企業ばかりで、日本人としてはあまり面白くありません。本書は、新書版というコンパクトなものででありながら、ブランドがどうして価値を生むのか、というにブランドに関する本質を学ぶことができます。また、本書をさらにおもしろくしているのは、なんといっても取り上げられている事例です。グリコのポッキ−や日清のカップヌードルなどわれわれが普段コンビニやスーパーで見ているものが事例として出てきます。「えっ、そんな商品がブランドと呼べるの?」と思ったあなた、ぜひ本書を読んでみてください。おもしろいです。
電子書籍
ちょっと……
2023/03/14 19:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
やや古いかな……と今、読む方は思われると思います。出てくるブランド名前は、少し、昔のモノばかりなので。しかし、この本は、ブランドについて「価値の創造」と副題されている通り、なかなか、深いです。一読をオススメ
紙の本
1999/10/18
2000/10/26 00:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブランドとは不思議なものである。いまや世界を覆っているのは商品ではなくブランドであり、社会の富の形態は、商品というよりブランドによって成り立っている。現代資本主義経済の特徴となっている、このつかみにくく、しかも魅力的な課題に果敢にアプローチを試みたのが本書である。
商品の物理的寿命はその大半が人間の寿命よりも短いが、ブランドという衣装をまとえば人間よりも長寿であり、しかも国や文化圏を超えて長期にわたって生き続けるという。
本書には、われわれがよく知っている身近な生活用品や食品、衣類などのブランドが多数登場する。筆者はヒット商品、ロングセラー商品の成功事例から、ブランド商品の創造がどのようなメカニズムを持っているのかを分析。また消費欲望との関係を明らかにし、ブランドの意義を考察する。
本書の新しい点は、ブランドという問題に対して、「メディアとメッセージが交錯しあう」ダイナミックな視点から、多角的にアプローチをしたことにあると言えよう。ブランドは現代の市場経済のありようを象徴的に示すものであるため、あまりにも現代的な問題であることがよくわかる。
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