- カテゴリ:研究者
- 販売開始日: 2023/10/26
- 出版社: 岩波書店
- ISBN:978-4-00-024543-2
電子書籍
人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき
著者 益田肇(著)
冷戦とは何だったのか.大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し,無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と,現実政治との影響関係から冷...
人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき
商品説明
冷戦とは何だったのか.大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し,無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と,現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く.恐怖,不安,敵意,憎悪,願望・・・・・・現実は人びとにどう想像され,それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
朝鮮戦争が勃発した1950年の実況中継を見ているようでした
2021/07/03 12:39
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じへも - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年に勃発した朝鮮戦争。トルーマン米大統領や毛沢東らの歴史上の人物から市井の人びとまで、世界各地の人たちが戦争をどのように感じて行動したかを捉え、著者ならではの冷戦についての解釈を導き出しています。
この本は、元々、英語で執筆、出版された著者の自書「Cold War Crucible: The Korean Conflict and the Postwar World」を基にして、著者が日本語に翻訳、加筆した本です。
私自身、歴史家や国際関係の学者ではないので、冷戦の解釈がどれぐらい独自性を帯びているのか、専門家の評価は残念ながら分かりません。
また、「ネタばれ」になるので、どのような「まとめ」が導かれているのかも、あえて書きません。
ただ、一読者として新鮮なのは、単眼でなく複眼で、時には虫の目、時には鳥の目の俯瞰した視点で1950年前後の状況を描写している点です。
米国だけでなく、日本、イギリス、韓国、中国など世界10の国と地域の図書館を訪ね歩き、1950年前後の新聞、手紙、電報、回顧録など丹念に探し出した資料がうまく生かされ、世界各地の当時の状況が目に浮かぶようです。
朝鮮戦争が勃発した直後のソウルとアメリカの人たちの反応は興味深いものがありました。
日本語、英語に加えて、中国語などの語学力を駆使した調査はどことなく旅人の視点が感じられます。いや、旅人というよりも、国境を軽々と超越するジャーナリストの視点かもしれません。
米国史、日本史、中国史などと国単位の歴史ではなく、1950年の前後という短期間ですが、世界各地の実況中継を見ているようでした。
「ネタばれ」にはならず、「著者による解題ーあとがきに代えて」から興味深い記述があったので抜き書きしておきます。
『「アンラーニング」すること、つまり、学んだことを一度捨て去るというプロセスー言い換えれば、私たちが一般に常識と考えるような事柄にもいちいち疑念を投げかけていくというプロセスー』は歴史理解だけにとどまらず、自分が信じたい情報やニュースがあふれる世の中で重いひと言かもしれません。