紙の本
果たして外なのか内なのか
2016/10/08 18:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきはじめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
利潤を得て存続するという目的を達成するために、社会の要求・需要に答えることが不可欠となる民間企業に対して、始めから純粋に社会の要求・必要に答えることが目的の公務員。
気が付けば、公務員はより法律に縛られているといっても、より経済性に縛られている民間企業よりも自由度が高いはず。
この本を読めば、公務員がしっかりしていれば、それほど増税しなくとも高福祉・好社会は実現できそうにさえ思えます。とは言い過ぎでしょうか。
一市民として、世の公務員さんに期待します。徹夜までは求めません。
紙の本
都庁そろそろ
2016/02/29 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野次馬之介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
公務員というのは一般に「決められたルールを守り、新しいことには手を出さない」といった人が多い。特に地方自治体には「無事これ名馬」といわんばかりの停滞した空気がただよう。
そんな中で佐賀県庁に勤務する著者は、公務員こそ「公のための挑戦」をしやすい立場にあり、「私利私欲で悪いことをしなければクビになることはない」という確信のもと、医務課の勤務を命じられるや救急車のたらい回しをなくし、救急時間の短縮をはかるべく「はみだし公務員」活動を開始する。そのため県内すべての救急車にiPadを配備して消防と医療を結ぶ情報の可視化ネットワークを整備、消防・救急・医療の関係者は誰もが県内全域の現状を、いつでもどこでも見られるようなシステムを作り上げる。
続いて、救急体制のいっそうの強化のために、九州では佐賀県にだけ欠けていたドクターヘリの導入を発案する。そのことを庁内の会議で発言すると、「君は何も勉強していないのか!」「その議論はもう終わっているんだ!」と幹部職員から大目玉をくらう。
しかし、佐賀大学救命救急センター長の助けも得ながら、救急ネットワークの情報データを分析し、その結果を理論的な根拠として2014年1月ついに医師の乗ったヘリコプターが飛び始める。以来2年がたって、最近はドクターヘリがなければ助からなかった事例も増え、成果があがってきた。
ところで、ドクターヘリは2001年4月に始まり、15年を経た今では全国38道府県に普及するに至った。しかし馬之介の住む東京では、まだ聞いたことがない。救急患者の病院収容時間が51.8分という全国最悪の手遅れ状態にもかかわらずである。「都庁そろそろクビですか?」と言って立ち上がる「はみだし公務員」はいないのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
本書からは、センセーショナルなタイトルとは異なり、政策形成に必要な3つの要素を読み取ることが出来た。
①政策を推進するには、利益誘導等ではなく、政策に対して共感得ることが重要である。
②現場のニーズを把握して作られた政策の方が有効な政策として受け入れられる。
③視察や講演などを積極的に行うことで、政策移転を促進することにより、さらに政策がブラッシュアップされる
公務員の皆様には是非読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
この本には非常に現実的なことが、筆者の経験を通して素直に表現されている。彼はこれまでのキャリアを通して着実に行政マンとしての能力を身につけており、その上でそれぞれの改革を成し遂げてきている。どの仕事もおろそかにしてはいけない、素直に学ぶ姿勢がある。
その上で、いわゆる”普通の”公務員とは違うことは、やはり「価値前提」で動いていること。この取り組みが誰のため、何のため、どの課題解決のためか、常に意識して、そして本気で取り組んでいる。
「現場を知ること」「命令ではなく共感で人は動くこと」「お役所仕事にも誇りを」「本気になれば何だってできる」
一つ一つの仕事に、熱く、正直に向かい合いたくなる一冊。
投稿元:
レビューを見る
全国270万人の地方公務員とすべてのビジネスマン必読。逆境に負けず変革を起こし続ける男の覚悟に思わず泣ける、前代未聞、痛快ノンフィクション。(2016年刊)
・序 章 はみだす覚悟が世の中を変える
・第1章 県庁職員の知られざる日常
・第2章 はみだし公務員への道
・第3章 命を救う救急医療変革
・第4章 地方から全国への改革
・第5章 次なる挑戦
・終 章 はみだし公務員が伝えたいこと
無鉄砲な若者が、困難を克服し、世の中を少しだけ変えていく様子は、読んでいて楽しい。スーパー公務員ではないところが良い。色々なものを犠牲にしていると思うので、真似したいとは思わないが、これから公務員を目指す人、現在公務員である人には読んで欲しい1冊である。
投稿元:
レビューを見る
朝日新聞DIGITAL:
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12219946.html?rm=150
投稿元:
レビューを見る
◆序章:はみだす覚悟が世の中を変える
たとえ周りが何と思おうが、どんな評価をされようが、いい仕事をするために挑戦していけるのが、公務員の最大の魅力。
仕事を成し遂げることで、後々の人たちのためになり、世の中で救われる人、笑顔になる人が増える。そういった公のためになることを、困難に立ち向かって突破することができるのが公務員。
最近の日本社会全般においても、挑戦リスクばかりが取り沙汰されて、みんなと同じ道から外れることのできない傾向があるような気がしてならない。つまり、自分の頭で判断し、自分の思いに素直に行動することが怖くなっている。これは、今の日本人の多くが問われている課題だと思う。
公務員という世の中で最も変革に縁遠く、何もしないと思われている仕事でも、はみだす覚悟さえあれば意外に何でもできる。
世の中を良くするために変革を起こすのは一部の人たち、特別な英雄や偉人だけがやれることだというのは誤解。普通の人間、私のような普通の一公務員でも変革を起こすことができる。それまで不可能だと思われてきたこと、誰も変えようとしなかったことを、少しでも人々のためになる方向に変えることができれば、それは立派な変革。
とはいえ、情報だけを伝えても人は動かない。情熱が伝わって、共感して初めて人は動く。
「やるべきだ」と思ったことを成し遂げる志を持ち、論理的な行動をひとつひとつ積み重ねていけば、絶対に変革を成し遂げることができる。
◆第1章:県庁職員の知られざる日常
特に地方公務員は、国から下りてきた仕事を、ただ実行するだけになりがち。なぜそれをするのか。本当にそのやり方でいいのか。「なぜ」がすっぽり抜け落ちていることで「お役所仕事」と批判されるわけである。根拠は何なのかを明らかにしなければ、変革を起こし、人を納得させることはできない。
現場主義は基本であるが、その上私たち公務員は、さらに法律や規則を理解して「なぜ」そうなっているのかを突き詰めなければならない。「この場合はこうする」ということが決まっていても、その根拠もわかった上で行うのとそうでないのとでは仕事の意味も内容も異なってくる。ときには、既存のルールであっても「なぜ」を突き詰めていくことで、それまで足りなかった新たなルールを作ったり、現状に合わないルールを変革することもできる。
どんな仕事もそうだが、他人任せではなく自分で責任を持って遂行していくと知識と経験が増えてくる。そうなると、一歩踏み込んだ仕事ができるようになる。
◆第2章:はみだし公務員への道
すべては自分が何とかするという志がなければ、永遠に不満や愚痴を言って終わってしまう。すべて自分のこととして捉え考えなければならない。
「あるべき姿」や「価値前提」で物事に取り組めば、決して困難や不可能も、未来永劫そのまま困難や不可能であることはない。
リード・ザ・セルフ−リーダーは他人をリードしない、自分をリードする、という意味。自分自身をリードするところからすべて��始まる。自分ができてもいないのに、周りが一緒に何かを始めようとは思わない。
変革を起こしたいのなら、自分がまず身をもって示すこと。どんなに泥臭くても、不器用でも構わない。まずは、自分の必死な腹からの声、自分自身から湧き起こる想いをそのままぶつけてみる。
志を成し遂げ、変革を起こしていく過程においては、ときに批判されたり嫌われることは避けられない。
「小さなことから始める勇気」「始めたことを大河にする根気」
信念を持って物事に取り組むために一歩前に出ることは、嫌われる勇気を持つということでもある。
◆第3章:命を救う救急医療変革
Think outside the box(枠にとらわれずに考える)
現状は複雑で、やるべき課題は山積みしているのが普通なのである。そうした状況で、投入できる人材も時間やお金も限られている中で成果を出していくには、すべてをやろうとしてはいけない。
ドラッカーの言葉 − イノベーションに成功するには焦点を絞り、単純なものにしなければならない。
死ぬ覚悟を決めて仕事に当たれば、いかなる困難も突き抜けることができる。
スティーブ・ジョブズ − 人はいつか死ぬのだと思い出せば、「何かを失うこと」という心配をせずに済む。自分の心に素直に従わない理由はない。
人が本当に動くときは「共感」が働いたとき。この人と一緒に何かやり遂げてみたい。この人と変革を共にすれば、面白い未来が待っている、という共感があってこそ、人は最大のパフォーマンスを発揮する。
組織の中と外に一人ずつでいいから、自分のことをわかってくれる仲間がいれば、大概のことは耐えられる。
自分自身も成長しなければ社会の課題は解決できない。
競争するなら誰かを蹴落とすのではなく楽しくカッコよくやりたい。人は楽しいと思うときに最大のパフォーマンスを発揮するだから。
どのような仕事でもそうだが、やっていることが陽の目を見るのと、誰からも知られず、評価されないのではモチベーションが大きく違う。
誰でも本気でヒントを探し求めれば、必ずどこかに状況を突破する鍵は見つかる。
最初に実現するのだと自分の中で決めてしまえば、後はもうひたすら、さまざまな方法を勉強しながらできる方法を考えてやってみる。
◆第4章:地方から全国への変革
大切なことは派手に取り上げらることではなく、まずは現場の役に立つ仕組みをしっかりと作ること。
メディアで取り上げられる、評価されることはモチベーションにつながる。さらに地方メディアで少しずつでも取り上げられれば全国に話題が広がり、多くの人に知ってもらえる機会が増え、変革を横展開することにつながる。
自分たちのやっていることは、実際どのように見えているのかというのは自分の目だけではわからない。さまざまなメディアを通して紹介されている姿を見て、あらためて自分たちのやっていることの意味を再確認することもできる。
良いことばかりや新進の気運はずっと続かない。必ず停滞や倦怠の時期はやってくる。その時に備えて様々なところに変革の火種を移していかなければならない。
役所では、過去の決定事項に異論を唱えたり、覆すような行為はもっともタブーとされている。データがないために運用効果が見えなかったのは事実。ならば、そのときの決定は正しい。しかし、今は新たなデータが見えてきたわけである。そのデータに基づいて検討するのなら過去の否定にはならない。過去の決定事項だからと「今」と「未来」に目をふさぐことはしたくない。
国内だけでなく海外に進んだ方法を見なければ、いい仕事はできない。
1回のデモフライトでも相応の費用がかかる。そんな予算はない。そこで、メーカーの中でも最もシェアが低いところに、予算がないことを断った上で選定のためのデモフライトを打診することにした。メーカーとしてもシェア上位のメーカーに勝つための売り込みの絶好の機会になるため、もしかすればOKがもらえるかもしれない。すると「ぜひ」ということになった。この話を他の競合メーカーにすると、当然黙って見ているわけにはいかずドミノ倒しのように4機種のデモフライトが実現した。
◆第5章:次なる挑戦
イノベーションは自ら起こしたイノベーションによって陳腐化する。だから常に改良や改善を続けなければならないし、その変革を捨てる勇気を持たなければならない。それができないとどうなるか。成功にあぐらをかいた瞬間に凋落は始まっている。
法律やルールは誰がつくるのか?政治家や官僚がつくるのではない、住民のニーズや時代の方向性、課題の解決の機運が法律やルールをつくる。
夢を夢のまま終わらせないためには、現在の技術を組み合わせてやれることがきっとある。
◆終章:はみだし公務員が伝えたいこと
社会環境の変化と共に私たちの常識も変わっていく。これに柔軟に対応しなければならない。
目立つ、目立たないではない。そういうことを可能にすることこそ公務員としての仕事の喜びがある。
公務員の仕事とは、どんなに地味で目立たなくても、意味のない業務など本来は1つもない。その業務をきちんと行うことで、どんな人にどう役立つのか。その想像力こそ、公務員に求められるものだろう。
お役所仕事とは地味で、放っておくと問題が起こるようなことは目立たないうちに手を打っておき、採算ではなく、人の命や地域の人の幸せを基準にして行うもの。
変革者は物事を変えるだけの人間ではない。変えることが目的ではなく実現したい理想や未来に近づけるために、たまたま変えるという手段をとったにすぎない。
「これまでやってきた前例や既存の制度を頭から否定してはいけない。たしかに時代に合わなかったりおかしいところもあるかもしれない。しかし、それもこれまで先人たちが汗と涙でつくり上げてきた積み上げなのだ。それは経験や教訓の塊であり、過去すべての人たちがより良い社会を生きたいと血のにじむような努力をしてきた願いや祈りなのだから、まずはしっかりと前例や既存制度を学ぶこと」
前例を学びその精神を理解し、そこから現場とのギャップや改善点を見出す。前例を学ばず頭から否定することは思い上がりであり、これまでそのことに尽力してきたすべての人���努力や願い、汗と涙を踏みにじる行為である。
決して変えること自体が目的にならないように。
誰のために、何のためにやるかを、自分に問いかけてみると解決できることは多いはず。
やると決めてしまえばいかなる障害も単にハードルが高いか低いかの違いがあるだけで、乗り越えることには違いない。そして乗り越えることだけを考えれば、すべての事象は使えるアイテムや武器にしか見えない。
今はその機会ではない、とグッと堪えて我慢する時期もある。
一番まずいのは、誰かがやるだろうと思って結局誰もやらず、隙間に落ちてしまうこと。
大切なことは知識ではなく、「学ぶ力」「自分を成長させる力」。自分の能力を超えたことに取組むときには自分も成長しなければ社会課題は解決できない。社会課題に立ち向かうためには学び続け自分を成長させる必要がある。
制度や補助金ではなく、結局のところ公務員に限らず日本に暮らす人たちにスイッチが入り、当事者となることではないだろうか。
課題や危機に気づいた人間がまずは自分から立ち位置を変える。そして自分の行動を変え、あきらめずに周りを少しずつ巻き込み、空気を変えていく。流れを変えるにはそうした地道なことを一歩ずつ続けていくしかない。派手なパフォーマンスはたしかに見た目はいいが、地に足が着いていなければ前に進み続けていくことはできない。
普通と異なること、前例のないことをしたときの反対や反発は当たり前。それでも私心なくやり続ければ、必ず理解者や協力者が現れる。わずか数年でも、状況は変革できる。批判され傷だらけになったとしても、最終的に「成し遂げる」ということが大事。
どんな小さなことでもいい。どんな目立たないことでも構わない。何事かを成し遂げる普通の人が一人でも増えれば、社会は良い方向に進む。
投稿元:
レビューを見る
久々の公務員本。
救急車にiPadを設置した人、というイメージで有名になったが、その前後の経歴を元にした仕事への思いなどを語った一冊。
この中では語りきれない苦労はまだまだたくさんあったとは思いますが、問題意識とそれを解決しようと奮闘する姿は、見習うべき点も多い。
一方で、目立つ存在だけが注目される風潮にも危惧しており、今回のプロジェクトを進行するにあたり、内外の関係者が多く登場するのも特徴。この手の本は、自分の手柄が多く紹介されてしまいがちですが、たぶんこれが実態なんだろうと思います。
このように行動できる人間は、官民問わず多くはないと思いますが、それを理解し、支える立場になれる人間がどれくらいいるか、そういったことも重要なんだと思いました。
・普通の公務員が「事を興す」のが珍しくもあり難しいと思われている
多くの好悪無韻は、目立たない中で世の中の役に立つ仕事をするのが本当に好き
・ルールや前例に縛られるお役所仕事というのも、税金を何のリスクも考えずに好き勝手に使って物事を進めないための一つの歯止めだった
・公務員らしい仕事こそ大切、お役所仕事という言葉に誇りを持っていい
お役所の仕事とは地味で、放っておくと問題が起こるようなことを目立たないうちに手を打っておき、採算ではないく、人の命や地域の人の幸せを基準にして行う
・日本人は一人ひとりの人間で見ると極めて真面目でまともな人が大半で、このままではいけない、何かしなければという想いを持っている人も少なくない
それなのに、組織や全体というスケールになると、互いにけん制し合って身動きが取れず息苦しくなっている。組織や上部の顔色を窺って、いつの間にか何もしないほうがいいという選択をしてしまう人も多いのではないだろうか
<この本から得られた気づきとアクション>
・目立った成果を残している人でも、始まりは現状への課題の認識、あとはそこに一歩を踏み出せるかどうかである。自分も含め、本当にできているか?
・歴史的背景の必要性を認識。常に意識すること
<目次>
序章 はみだす覚悟が世の中を変える
第1章 県庁職員の知られざる日常
第2章 はみだし公務員への道
第3章 命を救う救急医療変革
第4章 地方から全国への変革
第5章 次なる挑戦
終章 はみだし公務員が伝えたいこと
投稿元:
レビューを見る
読み進んでいた、わくわくします。
不可能と思えることを、粘り強く、根気よく、決してあきらめることなく、取り組む姿勢は公務員ならずとも、勇気づけられます。
決してスーパーではない(本人曰く)一公務員が成し遂げてきた救急医療は、今全国に広まってきています。
著者の生き方には、大変感銘を受けました。自分も頑張らなければという気になりました。
超おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
前例踏襲ばかりの公務員の中で普通ではないこと、前例のないことを逆境に負けず成し遂げた筆者の覚悟と行動力には驚かされた。筆者の凄いところは、前例や既存の制度を全否定するのではなく、まずは前例や既存の制度を学び、その上で変えなければならないところは変革させるというところ。決して物事を変えることを目的にしていなく、変革の先にしっかりとした理想があり、変革はその手段でしかないと考えているところ。現場主義の考えもそうだが、この本は公務員だけでなく、全てのビジネスマンに読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
佐賀県の地方公務員が救急医療にiPadを導入して全国的な変革のうねりをつくった話。
一介の公務員でも何かを変革できるって勇気付けられるし、努力のプロセスを追体験できて学ぶところも多い。著者の考えは変革ありきでなく、公務員の仕事の意義についてなども共感できる。
投稿元:
レビューを見る
県庁の職員である著者、公務員の仕事は数年で移動する事が当たり前の中、たまたま移動になった医療に関するる部署で、現場の実情を変えたい!と一心不乱に格闘する実話が綴られています。公務員と言うイメージは「楽している」と思う方も居るかもしれませんが、中にはこのような「現状の進化」に燃えている人も居るものだと感じます。
投稿元:
レビューを見る
私たちは知らず知らず与えられた仕事、目先の業務をこなすことで、仕事を「やったつもり」になっている。だが、それは、本来あるべき姿やどうすればもっと自分たちが地域に価値を生み出せるのかという前提での仕事ではない。あくまで現状を追認した仕事に過ぎないということだ。
そして、本来あるべき姿を模索して仕事をすることや、新たな価値を創出するような仕事に対して、できない理由をつけている。組織がそのような体制になっていない、人員が足りない、忙しい、上司の理解がないなどと他者のせいにして行っていない。つまり、自分の周りにある課題を「自分のこと」として捉えていない、というのである。(p.90)
「先ほどの女性患者さんは、どんな病気だったんですか?」
「いや、円城寺さん。僕らは神様じゃないので、それはわからないです。今、初めて会って、昨日は何をしていたのか、これまでどんな生活をしているのかわからなくて、お腹が痛いという主訴だけで何の疾患かなんてわからない。僕たち医者は神様じゃないんですよ」(p.136)
公務員の仕事とは、どんなに地味で目立たなくても、意味のない業務など本来は一つもない。その業務をきちんと行うことで、どんな人にどう役に立つのか。その想像力こそ、公務員に求められるものだろう。(pp.230-231)
投稿元:
レビューを見る
まず表紙が良くない。
本題までが長い。著者としては経歴説明かもしれないけど。
公務員じゃないから分からないんだけど、
ドクターヘリを飛ばす、新しい救急の仕組みを入れるための仕事の間それまでの仕事は誰がいつしてたんだろう。
あと、新しい仕組みが入ることで周りに迷惑をかけたと感じてるのか、周りへの気遣いがすごい。
慇懃無礼のようにも見える。
個人的な興味なんだけど
ドクターヘリっていくらかかってて
どのくらいの人が救えるんだろう?
救えたっていうのは、どういう人だろう?
人の命はお金で買えないけど、だからといって大都会でもない田舎にお金は湧いてこない。
アフターファイブに仕事の勉強とかそんな元気ないなぁ。
自分の医療情報が受診した病院以外でも見れるのは興味ある。震災でも困っただろうけど
自分の情報は自分で把握したいし、
セカンドオピニオンとか行きやすくなりそう。
投稿元:
レビューを見る
佐賀県のスーパー公務員(という言い方は好きではないらしいが)円城寺さんが県庁内でどのように行動したかを振り返るもの。
全国初となる救急車でのiPad活用、ドクターヘリ導入などで救急医療改革に取り組んだことで有名。公務員的には、日頃の事務の大事さもときながら、課題に対して後回しにせずに一歩一歩着実に前に進む姿勢はとても共感を覚える。ただ、少なくとも睡眠や余暇の時間は潰す覚悟でやらなければ同じようなことはできない。どれだけのモチベーションをもつか、ということを考えさせれらた。
ただ、いずれにしろ、課題に向き合って、最初は仲間がいなくても共感力で少しずつ仲間を増やして、そのネットワークでさらに情報・企画を進めていくという、ある意味王道の姿勢は見習わなければならない。