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電子書籍
知ってはいけない薬のカラクリ(小学館新書)
著者 谷本哲也
現役医師が明かす“不都合な真実”。「あなたのツライ症状にすぐ効く、よく効く」――かぜや花粉症の市販薬のコマーシャルはよく目にするのに、医者が処方する薬のCMがないのはなぜ...
知ってはいけない薬のカラクリ(小学館新書)
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知ってはいけない薬のカラクリ (小学館新書)
商品説明
現役医師が明かす“不都合な真実”。
「あなたのツライ症状にすぐ効く、よく効く」――かぜや花粉症の市販薬のコマーシャルはよく目にするのに、医者が処方する薬のCMがないのはなぜか?
実はその問いこそが、「知ってはいけない薬のカラクリ」のヒントになる。
製薬会社は処方薬について、患者向けにCMを打つのではなく、医者向けのPRや説明会を繰り返す。処方薬を決めるのは患者ではなく、医者だからだ。
そしてそこから、医者と製薬会社の癒着関係が発生する。「2000円の接待弁当」「50万円の講演謝礼」など、患者に見えない場所で、多くの医者は製薬会社から金銭を受け取っているのだ。
本当に医者はあなたのためにその薬を選んでいるのかーーこれまでベールに包まれてきた「白い巨塔の金脈」を、現役の医師がすべてバラす。
副作用のある薬を飲む前に「薬のカラクリ」の一読を。
■内容
・製薬会社は「高級弁当」付き説明会をひらく
・衝撃論文「食事接待が処方を決める」
・薬の値段は適当に決められる
・製薬マネーは薬価の算定委員にも渡る
・医師の副収入は最高額で2900万円
・「処方しないぞ」と寄付金要求
・専門医資格は“資格ビジネス”になっている
ほか
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紙の本
医師と製薬会社の利益相反
2023/03/25 00:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療用医薬品の市場が他と異なるのは、どの製品を利用するのかを決定するのが利用者本人ではないというところだ。特に類似薬の多いものでは医薬品市場の問題点が顕在化する。本書において、高血圧の薬であるディオバンの論文捏造事件が話題に挙がっているが、降圧剤は儲けが多いためか似た薬が多く、どれを選ぶかを決める医師に対して懸命に営業活動するなり、他を出し抜くデータを集めるなりして、多く処方してもらうよう働きかけを行いたくなる分野であるのは仕方ないことのように思える。もちろんディオバンのような事件が起こるのはあってはならないことである。今後こういうことが起こらないように製薬マネーの流れを明らかにすることは重要である。
MRによる営業は直接的な問題を生じやすいだろうが、本書を読んでいて感じたのは、新薬開発などでの治験のようなデータ収集が、医師の協力なくして行えず、そのための利益供与はなくすことができない、製薬会社から医師らへの研究費等のお金の流れは必要であるが、それがデータ捏造まではいかなくとも、患者らに不都合なことになりかねないことだ。筆者がしきりに訴えている、製薬マネーの透明化は大事であり、スポンサーとしてマスコミに多額の宣伝費を支払い、言論封じをしている現状では、小規模団体による調査と公開に頼るしかないだろう。ワセダクロニクルとMedicalGovernanceResearchInstituteの2団体を挙げているが、こういった情報公開をすることが肝要であろう。
薬の良し悪しを、公平な立場で評価する機関があればよいのだが、それはなかなか難しいものだ。しかし、特に類似薬を比較して選択する場面において、何を参考にしたらよいか、それを挙げてもらえると良かったように思う。もちろん患者が薬を選べる場面とそうでない場面があろうが、やはり薬の評価を一般的に広めることも良いことのように思う。