「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.1
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/299p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-08-773325-4
紙の本
失われた森 レイチェル・カーソン遺稿集
著者 レイチェル・カーソン (著),リンダ・リア (編),古草 秀子 (訳)
20世紀の初めに生まれ、いち早く生命への畏敬に気付き、行動したレイチェル・カーソン。彼女の残した多くの埋没原稿と書簡で綴る、現代エコロジーの原点とも言うべきひとりの人間の...
失われた森 レイチェル・カーソン遺稿集
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
20世紀の初めに生まれ、いち早く生命への畏敬に気付き、行動したレイチェル・カーソン。彼女の残した多くの埋没原稿と書簡で綴る、現代エコロジーの原点とも言うべきひとりの人間の精神史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
レイチェル・カーソン
- 略歴
- 〈カーソン〉1907〜64年。米国生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学大学院で動物学の修士号取得。海洋生物学者、内務省魚類・野生生物局生物専門官等を務めた。著書に「沈黙の春」他。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
2000/5/8
2000/10/26 00:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経エコロジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
レイチェル・カーソンの作品ほど、正確さと叙情性を兼ね備えた科学書が他にあるだろうか。海辺に打ち寄せる波の姿から、飛び疲れて羽を休める鳥たちの様子まで、カーソンは自分の五感を限りなく生かして観察し、描写する。それを読む私たちは生物の動きや自然の美しさに思いを馳せる。
その丹念な自然観察の姿勢があったからこそ、半世紀も前、カーソンは地球上で起きている化学物質や放射性廃棄物による汚染の深刻さに気づいた。そして読者は、美しい世界が静かに破壊され、自分たちの生命すら脅かされていることに愕然とさせられたのだ。
本書には、カーソンの野外観察ノートをはじめ、雑誌への寄稿、講演、友人への手紙などあらゆる著作・発言が収められている。編者はかつてカーソンの伝記を手がけたこともある。そのため各章に添えられた簡潔な解説を読むと、彼女がいかにして経済面で家族を支えつつ、男性社会の壁を破りながら研究に打ちこみ、農薬など化学物質による環境汚染を告発するにいたったか、その足取りをつかむことができる。
企業の社会的責任を追求受け継がれるカーソンの精神
代表作『沈黙の春』の執筆に取り掛かったとき、彼女は乳ガンに冒されていたのだという。それでも彼女の環境保護論を潰そうとする産業界からの攻撃にひるまず、ついには時の大統領、ジョン・F・ケネディをも動かした。
1964年、カーソンは56歳という若さで世を去った。それから30年余り。かつては対立した産業界も「環境対策」をビジネスの主軸に据えるようになった。彼女の作品に感銘を受けた世代が、企業の要職に就いている。日本の経済界においても、例えば伊藤忠商事社長の丹羽宇一郎氏は、『沈黙の春』は学生時代以来の愛読書だと語る。
残念ながら、環境汚染は以前より改善されたとは言い難い。むしろ新たな化学物質の誕生は汚染の実態を複雑にした。環境ホルモンによる生態系への影響、オゾン層の破壊など、新たな現象が起きている。そんな中、カーソンが唱えた「人と環境はつながっている」という言葉の意味はますます重くなっている。『沈黙の春』は今なお、世界で売れ続けている。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.