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商品説明
骨髄ドナーに選ばれた「鉄」氏のリアルなレポートを元に、骨髄提供経験者、白血病患者、医療関係者らが骨髄移植のあるべき姿を本音で語り合う。「2ちゃんねる」だからこそ書くことができた、骨髄提供者達の真実の声!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
石野 鉄
- 略歴
- 〈石野鉄〉この本に掲載された投稿者全てを指す架空の名前。
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さあ、どうしよう。
2005/09/23 14:33
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キャット - この投稿者のレビュー一覧を見る
2ch(2ちゃんねる)から発生した書籍が増え、これも一つの流行なのかな、と思っている時に、この作品を手に取った。「鉄」という男性が骨髄ドナーに選ばれ、移植を終わった自身の感想までを、2ch掲示板の書き込みのまま、本にしたものだ。「鉄」は、ドナーに選ばれて、移植されるまでのありのままの気持ちを全て吐露している。しかし、シリアスになり過ぎてはいない。自分がしようとしていることの意味を考えるより先に、物事がドンドン進んでいっている、そんな印象を受けた。現実というのは、意外にそんなものなのかもしれない。掲示板には、既に移植をした人、移植を待つ患者などが、自分の気持ちを「鉄」に正直に話しており、静かに進んでいく会話の中で、「生きる」ということがこんなにずっしりと重いことなのだ、という思いが伝わってきた。常々ネットの「悪」と評される2chには、このような素晴らしい部分があるのだ。匿名だからこそ、語ることの出来る事実なのかもしれない。普段私は、天災などの義援金を、金額が少なくても送ることにしているが、「こんな少ない金額を送って、単なる自己満足ではないか。これは「自己陶酔」という偽善ではないか」と思うことがあった。自身の体を提供する、という意味では、義援金よりもっと大変で勇気のいる決定ではあるが、「鉄」もまた、「偽善」という言葉を使っていた。しかし善であるか偽善であるかなど、実はどうでもいいのかもしれない。何かのきっかけで、アクションを起こしたことにより、何かが変わっていく、その大きな役割をこの「鉄」は書籍にすることによって果たしたのではないかと思う。私もここのところ、「ドナー」について夫と話している。もしも手術によって私に障害が発生してしまった場合、周りの人間に迷惑がかかる、という迷いがドナー登録に二の足を踏んでいることは確かだ。親御さんが止めたので諦めた、という話もある。私の中では、「鉄」のような勇気は恥ずかしながらまだ出てこない。でも「もう一度考えてみようか」という気持ちが、心の中に残ったのは間違いがない。