紙の本
もしかしたら、日本の女が美しかったのは、日本語が美しかったせいではないでしょうか
2020/01/08 22:45
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本の裏表紙に「民族の遺産として私たちに残されたおびただしい古典の中から、筆者が長年いつくしんできた作品の数々を、女性ならではのこまやかな眼と、平明な文章で紹介し、味わい深い古典の世界へと招待してくれる名エッセイ集。」と紹介されていた。まさにその通りの内容で、大津皇子と大伯皇女という悲しい姉弟の物語や悪女の代表といわれている磐之媛は本当は一途にに恋をする素敵な女性ではなかったのかという話、紀貫之や更級日記のこと、その他いろいろな古典に対する彼女の愛、読んでいた楽しくなる。作者は「もしかしたら、日本の女が美しかったのは、日本語が美しかったせいではないでしょうか。日本の若いお嬢さんに、美しい言葉をたくさん知ってほしい気がします」と語っている。まさにそのとおりだ
紙の本
この本が書かれたのが昭和49年というのが驚き
2023/11/30 11:39
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
田辺聖子さんがいかに博識で古典に精通しており、また古典文学や歴史上の登場人物を愛されている純粋な気持ちが、みずみずしく伝わりました。
紙の本
優しさとユーモア
2019/10/16 19:51
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校で習う古典は何故あんなにつまらなかったのか?田辺聖子さんが語るとこんなに面白いのに。優しさとユーモアがあってとても好きな本。
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高校のとき友人がこの人の本を紹介してくれてからの付き合いです。古典や歴史の授業では習わないようなちょっとした小話で惹きこまれた本でした
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田辺さんの、古い時代を生きた人々への愛情で溢れている素敵な古典入門書です。読めば古典への愛が深まります。
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著者の古典への愛が溢れています。こんなに面白い古典文学の数々を読まずにいるなんてもったいない。そんな気分にさせられます。
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中学の国語の問題文としてこの一部が使われており、面白かったので原本である本書を手に取る運びとなりました。
懐かしい。
田辺さんの古典案内。
情熱的で、でも柔らかな口調で語られています。女性らしい視点から語られていて、とても共感できる部分がありますね。
古典がぐっと身近に感じられたな。
当時の自分は、とにかく古典に嵌っていたので、本の内容に共感しつつ、次に読む本をこれで決めたりしていました。
上代から近世まで、色々な作品が登場しますからね。
古典文学の新しい魅力を発見できるかも。
田辺さんの古典エッセイの中では、これが一番好きです。
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国語の先生に借りて読みました。
田辺聖子さんの「源氏物語」を瀬戸内寂聴さんの後に読んで、なんてひとだと目を剥いたのですが、こちらは上品な筆致ですらすらと、まさに平安時代の女性のような筆遣いだなぁと思いました。
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主に古典を題材にした田辺聖子さんのエッセイです。
短いエッセイがたくさんつまっています。
短いものでは3ページのものもありますが、
内容はどれもこれも心に響くものばかりです。
まるで平安女性が書いたような、美しくやわらかな文章が素敵。
また、短い文章で古典の魅力が最大限に引き出されていて、
つい原典も読んでみたくなります。
私にとっては宝物のような本。
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古典についてのエッセイ。短編なので読みやすく、作者の古典への愛が伝わってきます。個人的には『あねとおとうと』が好き。
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とっつきにくい古典だって、ぶっちゃけ萌えを見出せばぐんと身近になるんだぜ! ということを実感させてくれた本です。
一番好きだけれど切ないのは「かげろふ日記」の項。
結婚したあとも恋してしまうくらい才能あふれたかげろふの夫、でもこいつがたいそう浮気な男なんです。けれどいい男なんです。可愛いんです。けれど憎たらしい。
かげろふは嫉妬に身を焦がします。天国と地獄を行ったり来たりです。アクエリオンの歌詞にもあるじゃないですか、「君と出会ったその日から僕の地獄に音楽は絶えない」これもよく考えたら拷問な気がしませんか。アニメは見たことないんですけど。
嫉妬の苦しみに耐えかねて出家する! と決心したかげろふを、ぱしりと引き止め手際よく仏の前から奪い返すのは、罪な所業を繰り返しつつそれでもかげろふを愛している夫本人です。
かげろふはどれだけ苦しいでしょうね。かわいさ余って何とやらでしょう。でも、思いきり蚊帳の外である私たち呑気な読者は、そんなエピソードにきゅんきゅんしてしまうのです。それでも愛し合ってるんじゃないか!
他にもニヤニヤしてしまう話、物悲しい話、うんうんと頷いてしまう話(いろんな意味でね)。変わらぬ人の感情の機微を描いて、千年の時を生き残ってきたお話にはやはりそれなり読み応えがあります。
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高校入学前の宿題で読んだ。
あの頃はまったくよさがわからなかったけど
今改めて読み返すと、丁寧に人を描いているところとか、
エピソードを含蓄あるユーモアで描いているところとか
驚きがたくさんあった。
田辺聖子と、向田邦子は、生き方が似ているような気がする。
好きです。
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私の大すきな田辺先生のエッセイ集で、私が江戸文人にハマるきっかけとなった本です。
江戸後期の作品限定ではなく古代から近代まで、先生が愛でている本邦の古典を幅広く紹介していて、「古事記」から「落語」「聖書」まで、このエッセイを読むとどれもこれも読みたくなってもどかしくなります。
江戸文学では「日本永代蔵」「与謝蕪村」「偐紫田舎源氏」「雨月物語」「心中天網島」「式亭三馬」「小林一茶」「井原西鶴」「滝沢馬琴」「山東京伝」「松尾芭蕉」といったところが取り上げられてます。
「偐紫田舎源氏」と「雨月物語」で語られた柳亭種彦と上田秋成像にキュン死に。種彦は心やさしいサムライだとか、秋成の心はあまりにもデリケートだとかたまらんです…!
江戸文学以外だと「更級日記」と「讃岐典侍日記」が特に心に残りました。どれも数ページでさらりと書いてあるので興味があるものからつまみ食いするのもいいです!
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田辺聖子が綴る古典の名作案内。
長谷川青澄の繊細な挿絵も絵巻物のようで素敵です。
読むたびに古典に秘められた日本人の情緒がいきいきと蘇り、著者の古典への愛情と人間に対する洞察力が感じられます。
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心ときめく一冊。彼女の解釈は本当に分かりやすくて、しかもきちんと考証が入っていて信頼できます。今も昔も変わらない、人生の機微を軽やかに。“おせいさん”節、大好き!