紙の本
何に分類されるのか良く分かりませんが、、、
2006/02/07 20:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
架空の書物に対する書評集である本書は小説でも無し、
ノンフィクションでも無し、論文でも無し、、、。
メタフィクションとでもいえるでしょうか?
大まかに分けると三種類の書評が収録されています。
1. 風刺と笑いに満ちた書評
読むに耐えない駄作や存在し得ないような架空の書物を
自分で考え出しておいて自分で笑い飛ばしています。
2.珍しい書物に対するコレクター的欲望充足書評
自分で書きたかったり読んでみたいけど実在しない名作を
読んだつもりになって書評を書いています。
欲しいんだけど入手できない作品を入手した気分だけでも
味わって満足する、、、。
コレクターの末期的症状ですな、、、(笑
3.普通に発表できないトンデモ理論を紹介した書評
存在しない研究者たちが考えたトンデモ学説に対して
考察を加えています。
一歩まちがえば、おバカSFになってしまいそうですが、
系統立てて理路整然と供されると、お腹いっぱいです。
書名も暗示的なんですが、著者の序文も訳者の解説も
書評の形で統一されていて芸が細かい(笑
特に「新しい宇宙創造説」は必読。マッドです(笑
70年代からSFマガジンなどで一部紹介されたり
情報が流れていただけに期待していました。
その期待に充分に答えた本だと思います。
読書好きなら読んでおいて欲しい本ですね。
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http://d.hatena.ne.jp/hazy-moon/20060520/1148109051
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レムが小説として完成にこぎつけることが出来なかった元ネタを、こういうカタチで使い回したのではないか?と以前どこかで読んだ。まぁ、仮にそうだとしても、ヘタな小説を読むよりは面白いと思う。おもしろいは、正義。
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よく小説などで、その作品の中だけででてくる、実際にはない本ってありますよね?
この本はそれらと同じく、ありもしない本について書評してるという内容なのです。
ですけど、この本が変わっているのは、物語の中で使われるのでなく、この本自体がその書評集・・・つまり、その書評だけしかないってことなのです。
もし、ちょっとおもしろそうって思えた方は、読んでみては如何でしょうか?
国書刊行会なのに、2千円くらいとなると、お手ごろかもしれませんよっ
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[ 内容 ]
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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本好きな人はうっかりあせって
Amazonなどで書評した本を
探してはいけません!
その前にその本自体が存在しませんので。
これは一種のジョーク作品です。
「架空書評」という名の怪書とも
言ってもよいかと思います。
難解な言葉の羅列が出てきますが
あまり汲み取ったりすると疲れるので
ほどほどに。
これは翻訳者の方は
苦労しているだろうなぁ。
面白かった作品は
2つの作品です。
「性爆発」と「ビーイング株式会社」かな。
前者は性の栄光と荒廃を描いた作品。
最後の荒廃具合が哀愁を誘います。
そして後者の作品は
未来に起こりそうなテイストを
かもし出す恐ろしさ1000%な作品。
お金至上主義が過ぎると
こういうことってありえるんじゃないかなぁ。
基本難しい作品ですので
ある程度難解な文章に
慣れておかないとつらいです。
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実在しない書物についての解説を集めたという体の架空書評集。
登場する架空の本がどれもたまらなく魅力的。冒頭に『完全な真空』自体の書評を置くというメタフィクショナルな試みに始まり、大作になり得たかもしれない小説の概略にワクワクさせられたり、珍妙な学説に爆笑させられたり。その想像力の豊かさや博覧強記っぷりに圧倒されつつ、読むことの快楽にドップリと浸らせていただきました♪。
「ギガメシュ」、「生の不可能性について/予知の不可能性について」あたりが特に好き。
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架空の書評。『ギガメシュ』や『ロビンソン物語』は想像しやすくて、いかにも興味深くて楽しく読めた。
後半に進むにつれて、抽象的な書物(実在はしないが、、、)の評に。 難しい話を楽しむスタンスで読まないと、ちょっとぼくには厳しかったですね。 全部理解しよう、と思ったら読めなかったと思う。
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存在しない書物についての書評集、存在しない講演についての講演録。アイデア自体は決して目新しいものではないが、語られる本が多彩ながらいずれも魅力的で素晴らしい。古典作品のパロディがあれば正統派な長編作品があり、ディストピアSFがあればサイエンスの臨界点もある。そして本書の冒頭を飾る書評はスタニスワフ・レムの「完全な真空」。それは本作の導入であり解説であると同時に、この作品もまた存在しない書物のうちの一つなのだという再帰的ユーモアなのだ。無邪気ながらも読み手を突き放さない、しなやかな知性のあり方がとてもいい。
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架空の書物に対する書評集……という設定の短篇集。
褒めているんだかけなしているんだか解らない皮肉な書評、文中で語られるあらすじがやけに面白く、誰かこの本に書いてある『架空の書物』を書いてくれないかと思ってしまう。
一番読みたいのは『親衛隊少将ルイ十六世』。『白痴』も捨てがたいが、荒唐無稽さでこれを推したい。
レムは一応、SF作家ということになっているが、本作はどちらかというと純文学方面に寄っている気がする。尚、巻末の解説ではボルヘスとの関連を指摘しているので、幻想小説に寄っていると考えることも出来るようだ。
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架空の本についての書評集。個人的には難解と感じつつ好きな一冊。書評で扱われている題材は、SFから歴史ものまで様々で、それでもバラエティに富んでいるようで富んでいないよう印象も受けるけど、本についての枠組みを広げるようとする感覚には惹かれた。
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架空の本の書評ということで面白そう…!と期待していたけど、私の知力が足りず難しかった…(´・_・`)
面白いことが書いてありそうなのに、疲れて読破できず。。
架空なのに熱量があるのは伝わったので、また余裕のあるときに読みたいな。
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架空の本の架空の書評をした本。フィクションの中でフィクションの話をしているわけで、架空の宇宙における話とも言える。書評自体にはレムがこの本を書いた時代への皮肉が含まれていたり、ただ本好きなら一度はやりたいことをやっているようにも見えたり、レム自身が書けなかった本を登場させたりしている。しかしこの本以前の本と異なるのは、全体の書評を通して、「想像すること」をSFの手法で強く述べており、それがメタ的にもこの本を支えている。無茶な話だなー!と思う本や書評もあったが、今の時代になってみると、これはあの作品に似てるなと思うものもいくつかあって面白い。もしかしたら出版当時でもそう思われていたのかもしれないが。
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架空の本の書評集。非常に高いレベルの口から出任せ。科学、哲学、神学、文学に関してかなりディープな論考を展開する糞真面目な顔で諧謔、アイロニー、誇大妄想、その他諸々を溢れさせる。
今まで読んだ本で得た頼りないないささやかな知識を総動員してなんとかおぼろげに輪郭を掴めたかなという感じです。
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