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本屋さんでバイトしている時に、本屋仲間に借りた本。忘れもしない!同じような悩みを抱えてるのねと共感した本。働かなきゃわからないことがわかる!書店の業界って特殊だよね…。
「本屋さんの裏側」
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音楽からの決別、「早くおじいちゃんになりたい」早川さんが書店を経営!ミュージシャンではなく、書店経営者が語る本にまつわる裏話。
とても現実的なエピソードが感覚をゆさぶる言葉で綴られて心地良いです
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いろんなとこに刺激を隠してて、いい。
「3 本屋にはいろんな人がやってくる」は特に読み返すだろーな。
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20代で隠居し、本屋の店主となった作者。僕も隠居して、静かに過ごしたいという気持ちがわかってしまう。
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本屋なら絶対読んでるであろうこの書籍。
もう34刷もしてるんだ~。
特殊な書店業界の裏のウラを暴露してます。
これを読んで書店に就職したいと思う人、
少ないだろーなー(笑)
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著者はミュージシャンでもある。個人経営の書店を維持していくことがいかに困難かがよくわかる。大手の書店優先のシステムはなんとかならないのだろうか。著者がやっていけているのは発信手段があり、仲間がいることが大きいのだろう。
『就職しないで生きるには』シリーズの1冊だが、就職したほうがいいかもしれないと思うほど。
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晶文社の「就職しないで生きるには」といふシリーズの1冊。しかしラインナップを見ると、皆ちやんとした仕事をしてゐます。立派な就職と申せませう。「会社員にならずに生きるには」といふ意味合いでせうね。
著者の早川義夫さんは、ミュージシャンとして知る人ぞ知る存在です。
その早川さんが「早川書店」といふ本屋を開業し、書店主としての苦悩を語ります。
いや、別段彼は苦悩を語るつもりではなかつたのでせうが、結果的に「ああ、本屋の主とはなんて何て辛い商売なのだらう」と読者に思はせます。
問合せの多い本が入荷しない。しかし大書店には山積みになつて陳列されてゐる。
ならば注文を出す。しかし入らない。忘れた頃に「品切れ」の判子が押された注文書が戻つてくる。
お客さんからは文句を言はれる。信用をなくす...
ここで人はつぶやくかも知れません。「それは、本書の舞台となつてゐる30年前の世界ではないのか? さすがに今はそんなことはないでせう?」
私の考へでは、その意見は半分正しく、半分は正しくない。
なぜなら、「早川書店」のやうな本屋は、もうすでに絶滅の危機に瀕してゐるからです。
現在、本屋として正常に機能してゐるのは、早川義夫さんのいふ「大書店」と、チェーン展開をしてゐる会社でせう(チェーン店ですら、書店専業は難しく、レンタル屋などを併設して集客に努めてゐます)。
即ち、中小書店を取り巻く諸問題は解決したのではなく、中小書店そのものが淘汰されてしまひ、商品(本)の調達が可能な本屋だけが生き残つたといふ訳です。たぶん早川さんのいふ「ネクタイをしてこなくちゃ駄目」な本屋でせう。
冷静に考へるならば、一般客の望む結果とも申せませう。本書にも「一年に一冊売れるか売れないかの本を、一年間棚に差しておくよりも、たとえば『平凡』、『明星』をうず高く積んだ方が、何倍ものお客さんにサービスしているわけで......」といふ記述があります。例へに使ふ雑誌に時代を感じますが(その後早川さんは書店をやめ、音楽活動を再開してゐます)。
そんなわけで本書は、昭和戦後の、ごく一般的な中小書店の記録として伝へたい一冊であります。
今でも容易に入手可能でございます。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-115.html
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なんとなく表紙から古本屋さんのイメージでしたが、いわゆる書店でした。
本屋さんと古本屋(古書店)さんはまーったく別物で、書店には特に興味はなかったけれど、よくいわれる「本の流通の謎」についてわかりやすく書かれています。
日本に一体何軒の本屋さんがあるのかはわかりませんが、発行部数を書店数で割ると粉々になる、しかも大型書店には山積み…と考えるといかに小さな本屋さんでは入手が困難か、想像つきます。
今や早川さんの本も増刷されないと入手困難になっているようなので。
書店を営まれていた頃に、ご自身の作品がそんなことになろうとは…想像もつかなかったのかもしれません。
というか、閉店するとは…思っていなかったか、な?
小さな書店の奮闘記のような内容ですが、業界の裏事情をはっきりと書くことで、同じ考えを持った仲間が増えて…今の早川さんのお仕事に繋がっていったんだと感じました。
椎名誠さんなど、本の雑誌系(括っていいかどうかはわかりませんが)の人達に応援してもらえそう。
どんな仕事にも苦労はあると思いますが、本屋さんならではの特殊な苦労を感じました。
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僕は実際にこの本屋さんに行ってました そしてそこでたくさんの本に出逢えたのです 大友克洋さん、村上春樹さん、沢木耕太郎さん、椎名誠さん、アーヴィング、ボブグリーン...etc 商店街のちょっと外れにある本屋さんです でもあの街で経営はかなり大変だったんじゃないかな? そんなこと考えもしないで行ってましたけど...
レジ越しの早川さんにいつもドキドキしながら買ってました だから変な本を買えませんでした
ビートルズやクラッシックが静かな音量で流れてました
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早川義夫の「サルビアの花」および「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」収録作を聞き、いっきにファンになった。
ウェブサイトのエッセイやコラムも控えめな人間愛に溢れた筆致にも触れ、新幹線の中で思わず落涙しそうになったものである。
「市井の人」「真面目な働き人」という面がもろに現れている。
つまりは散文的すぎる。愚痴が多い。言い訳が多い。
でも悪くない。
これに点数なんかつけるのはナンセンスだ。
本以外からの彼自身の文章にあった、
「僕は自分を見る鏡のように音楽を聴く」というフレーズ。
その、洗われる感じ、はっと気づく感じ、がところどころに現れる。
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小さい頃、本屋さんになりたかった。好きな本に囲まれてネコを膝にのんびりできる。早川さんと同じような憧れを抱いていた。
実際の本屋さん、その業界の裏側がわかって面白い。
なにものも裏を垣間見られらるのって楽しい。野次馬根性丸出しだけど。
個人の本屋さんはこんなにも大変だったんだ。あの挟まって得る紙にはそういう役割があったのね。
小さいころ近所に行きつけの本屋さんがあったけど、いつの間にかなくなってた。お正月にお年玉で買った雑誌。ほしくて予約した本。
おじさん無愛想だったな。NHKのテキストの取り寄せに時間すごくかかったっけ、と懐かしく思い出した。
個性的なお客さんやこだわりの本屋さんの話がちらりとあり、あとはグチグチひたすら愚痴られていて、なんでそんな思いをしてまでまだ本屋やってんの?と思ってしまうほど。
でも、不思議と人の愚痴や怒りって自分を冷静に考える機会になる。この本を読んでいるうちに、辟易してたり、凹んでたりしていた今の仕事も悪くないな、自分に向いてるな、といい面を考えるようになってる。
かなり前の本なので、ネットで本が購入できるようになった現在、本の流通がどう変わったのか、きっと変化も大きいだろうな。今も知りたくなった。
「俗にいう、良書と悪書があるとする、しかし、良書を読んでいる人間が必ずしも良い人間だとは限らない。売っている人間も作っている人間も同じことだ。これは本屋をやっていてつくづく思う。みんな同じ人間であり、同じ本なのである。」
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本屋さんという仕事が自分の中でマイブームのときに、東京の本屋さんで買った。父親と一緒に本屋さんに行っていたのだが、この本の著者、早川義男という人は父親世代には有名なミュージシャンらしい。父親と一緒に本屋さんに行くこと自体ほとんどないのに、そこでたまたま手に取った本でそういうつながりがあるってやっぱり本屋さんはいい。肝心の内容は、ミュージシャンを辞めて、たぶん楽だろうと本屋さんを始めた著者がいろいろ愚痴りながら仕事を続けて行くエッセイ。
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これを読むまでは日本の本屋は再販制度のおかげでテキトーな商売なんだろうと思っていた節がかなりあって、近所の小さな本屋はどうも売る気がない、個性がない、潰れてしまえなどと呪詛していたが、間違っていた。けれども、本を買うのはやはり大型書店。というのが本音かもしれない。だからこそ書店主も筆を執らざるを得なかったのだろう。もうわかっているかもしれませんが、この本には「就職しないで生きるには」という答えは当然ありません。
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夏になると書店で文庫本のフェアをするのが風物詩だ。確か10年くらい前までハヤカワ文庫も「夏のブックパーティ」というフェアを開催していた。僕は店頭で配布されるこのフェアの小冊子が好きで、江口寿史の表紙イラストが綺麗だったし内容も他の出版社のものより面白かったので毎年楽しみにしていた。
ちょっとうろ覚えなので記憶違いかも知れないけど、早川義夫というミュージシャンを知ったのもこの小冊子だったような気がする。確か彼が短いエッセイを寄せていたのだ。昔ミュージシャンをしてたがやめて本屋さんになった、その後また音楽活動を始めたというような事が書いてあり、本屋さん時代の経験を綴っていた。
名ばかりの経営者としてではなく、普通に「本屋のおやじ」としてレジに立っていたと知って、変わった経歴の人がいるんだなと驚いたのを覚えている。
最近は出版不況の影響で小さい書店はかなり減ってしまったらしいが、やはり町の本屋さんは本好きの想いがつまった場所だ。
ミュージシャンであった早川義夫はバンドの解散後、23歳で本屋の世界に飛び込んでいく。音楽業界に嫌気がさしていた彼は、<もう、あまり人と接しなくてすむような、喋らなくてすむような仕事につきたいと思った>(p10)のだそうだ。
しかし本屋は思ったような仕事ではなかった。会計の時にとっさに計算できず頭の中がごっちゃになってしまう。包装は苦手なのにお客さんは手元をじっと見ている。立ち読みする子供。マニアックな本の話題を意地悪に振ってくる客。本を「売る」という仕事は想像以上に大変だった。
晶文社の「就職しないで生きるには」シリーズの第1巻として刊行されたこの本は、早川義夫が赤裸々に記す書店奮闘記。決してミュージシャンのお仕事体験記みたいな軽いものではない。そこには自分の力だけで店をやっていく事の厳しさと苦しさが吐露されている。
当たり前だけど商売は甘くない。僕は会社に務めるサラリーマンだから実感がある訳ではないけど、事あるごとに「あ、自分で商売している人ってこういう時とっても大変だろうな」と思う場面があって、やっぱり大変な労苦があるんだろうと思う。
客なんて勝手なもんだからね。僕なんか町の小さな本屋からしたら厄介な客だったのかもしれんなあと思った。
だから、この本はシリーズ名通り商売というものに真剣に向き合う実用的な「仕事のテキスト」だ。著者は接客の心労だけでなく、出版流通業界のシステムの問題点にもハッキリともの申す。版元や取次、書店の実名も臆さず出し、大手に有利に作り上げられた業界の仕組みもハッキリと解説する。
本人の性格が内向的でシャイなためかそこには強い非難のニュアンスはあまりなく、どっちかっていうグチをこぼしているような印象だ。しかし一見のんびりしているような本屋の仕事にも裏では不条理が存在し、やってる方はこれだけの苦労があるのだ、という本音が伝わってくる。行間からは嗚咽さえも聞こえてきそうだ。
<商売というのは、ホントのことを言ってはいけないのだろうか>(p22)
著者は元々本屋好きなのだ。<週に一度の休��は、よく古本屋に出かけた。毎日の仕事の帰りも別な本屋をのぞき、家で夕飯を食べたあとも近所の本屋へ行き、電車に乗って一駅か二駅先の本屋にも行ったりした。いわば、本よりも本屋が好きであった(中略)かこまれるならば、本にかこまれていたかった>(p11)という。
でもやっぱり好きな事とそれを仕事にするのは別なのだな。<こうして本屋をやっていると、本を読む時間もないし、また、読む時間があっても、もう読む気が起きなくなり、このところゆっくり読んだためしがない>(p17)なんてのを読むとこれは悲劇ではないかとさえ思える。
<僕が本屋を選んだ理由は、一番、楽そうに思えたからである。風呂屋の番台のように、あれは、坐っていればいいのではないかと>(p157)思って始めた本屋さんは、決して楽な仕事ではなかった。
でも後半に登場するつげ義春とやりとりをしたエピソードなど読むと、やっぱりこの人は本が好きなんだなーと思う。
「本屋のおやじさん」は本好きにとって憧れの職業だ。そこには見た目と違い大変な労働が待ち受けているのだけど、楽な仕事なんてどこにもないんだよね。そこに飛び込んで筆者は多くの事を学んでいる。
この本、1982年3月に刊行され、僕の手元の版は2012年1月刊行の35刷である。しかも2013年にはちくま文庫から文庫化されている。売れているのだ。彼の言葉は今もなお若者達に響き続けている。
<これでも一応、本が好きで本屋をはじめたわけなのだが、本よりも人間が好きでなければならなかったのだ。これは他のどんな商売にもあてはまるだろう>(p144)
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本との距離、本屋という仕事との距離が、読んでいて気持ちいい。
色んな出来事に腹を立てながらも、来てくれるお客さんに少しでも喜んでもらおうと奔走する姿に共感。
業界内の仕組みに対するグチが多いけど、読んでいて不思議と疲れない。どこかホンワリした文章のせいだろう。
すごいのは、この本でグチられている事の殆どは、今も変わらず行われているという事。
一体何年変わらないんだ…。