「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:幼児
- 発売日:1999/10/02
- 出版社: 福音館書店
- サイズ:22cm/56p
- 利用対象:幼児
- ISBN:4-8340-1584-X
紙の本
黒ねこのおきゃくさま (世界傑作童話シリーズ)
著者 ルース・エインズワース (作),荒 このみ (訳),山内 ふじ江 (絵)
雨の降る寒い土曜の晩、貧しい一人暮らしのおじいさんにとってその日は一週間に一度の、肉とパンのごちそうの日でした。そのとき戸口に鳴き声が聞こえ、見ると、訪れたのはやせてお腹...
黒ねこのおきゃくさま (世界傑作童話シリーズ)
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:13,970円(127pt)
- 発送可能日:購入できません
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
雨の降る寒い土曜の晩、貧しい一人暮らしのおじいさんにとってその日は一週間に一度の、肉とパンのごちそうの日でした。そのとき戸口に鳴き声が聞こえ、見ると、訪れたのはやせてお腹を空かせた黒猫のお客さまでした。【「TRC MARC」の商品解説】
冬の嵐の晩、貧しいひとり暮らしのおじいさんのもとに、一ぴきの黒ねこがやってきました。やせ細り、びしょぬれになってふるえている黒ねこを哀れに思ったおじいさんは、わずかばかりのミルクとパンを全て与え、さらにはとっておきの羊の肉までやってしまいます。そればかりか、残っていたまきをすべてだんろにくべて、黒ねこをあたためてやるのでした。そして翌朝、奇跡はおこりました……。【商品解説】
著者紹介
ルース・エインズワース
- 略歴
- 〈ルース・エインズワース〉1908年イギリス生まれ。児童文学作家。BBCラジオ放送「お母さんと聞こう」の台本作家として活躍。主な作品に「こすずめのぼうけん」「ゆうびんやさんはだれ?」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
とてもしあわせ
2008/01/04 12:29
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この絵本は娘がもらったクリスマスプレゼントの一つ。
私も一緒に読んで、とてもしあわせな気分となりました。
一人暮らしのまずしいおじいさんのところに、黒ねこがやってきます。
とても寒い晩のことでした。
みすぼらしいやせた猫は、おじいさんの家で
ミルクやパンやにくをご馳走になります。
それはおじいさんにとって残り少ない大切な食料でしたが、
おしげもなくすべて黒ねこに与えました。
そして残り少ないまきも寒がる猫のためにすべて使い尽くしてしまいます。
みすぼらしかった猫はおじいさんのもてなしのおかげで
すっかりまるまるとなり、まるで女王様の猫のようになりました。
おじいさんは黒ねこが満足している様子を見て、
お腹がぺこぺこだったのもすっかり忘れてしまいます。
「おじいさんはとてもしあわせでした。
なんて心地がいいんだろう。
なんてしずかな気持ちなんだろう。
なんて心がいっぱいなんだろう。」
黒ねこが去った後に、おじいさんには思いがけない出来事が待ち構えています。
それは読んでからのお楽しみ!
黒ねこの緑色の目と、おじいさんの優しいまなざしが心に残ります。
紙の本
与えつくすということ
2010/06/10 22:04
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人が、『かはたれ』、『たそかれ』の絵をお描きになっている
山内ふじ江さんのねこの本があると教えてくれたのが本書。
彼女の描く透き通るような河童の絵が好きなのだが、
本書の絵は、その『かはたれ』、『たそかれ』とは雰囲気が異なる。
透き通るようなきれいな河童ではなくて、
こちらの主役はまずしいおじいさんと黒ねこである。
きれいなではなくて、むしろ、現実を、
存在感を立ててしっかりと描いているような。
うれしくて季節感も何も考えずに飛びついたのだが、
表紙をよくよく見れば(見なくても!)、見事な雪景色。
内容的には、佐々木 なおこさんがお書きになっているように、
クリスマスプレゼントにふさわしい1冊だ。
「1週間にいちどだけ、土曜のばんは、おいしい肉のごちそうと、
ねる前に、ミルクにひたしたパンを食べる日だ。
ミルクにひたしたパンは、体をとってもあたたかくしてくれる。
それで、ようくねむれるんだ」
と語るおじいさん。
「年をとって、体が弱ってきたうえに、
金があまりないと、人生はつらいものだ」
と思っている彼にとって、それが唯一の楽しみなのだ。
ところがその楽しみの晩に、おきゃくがやってくる。
そのおきゃく、やせた黒ねこは、「足は細いし、おなかもぺしゃんこ、
しっぽはまるで黒いくつひものような、みすぼらしいねこ」だった。
おじいさんは、びしょぬれの、黒ねこをタオルでふいてやり、
ミルクを分けてやるのだった。
ところが、この黒ねこは、なかなか、なかなか、満足しないのだ。
ミルクをのめばのむほど、ますます、のどがかわいてしまうようで、
あげてもあげても「にゃーおう」となく。
がりがりにやせたからだで、口はしっかり大きく開けて、
自己主張しているような黒ねこはちっともかわいくないのである。
と私は思うのだが、おじいさんは、優しい人なので、
いっそのことぜんぶやってしまおうと、
ミルクもパンも残らず黒ねこにあげてしまう。
黒ねこは、まだまだ満足しない。
なんと舌なめずりをして、まだ部屋の中を見回しているのだ。
そして、おじいさんの食器棚の中の羊肉も骨も食べつくしてしまい・・・。
すべてを食べつくした黒ねこは、
毛並みもひげもしっぽも立派になっている。
食は足りたけれども、今度は寒くて震える黒ねこのために、
まきをどんどんくべるおじいさん。
食べるものも蓄えすらなければ、
まきだって使えば使うほどなくなっていく。
まきがぱちぱちもえて、時計がかちかちなって、
おきゃくさまは、のどをごろごろならしています。
なんて心地がいいんだろう。
なんてしずかな気持ちだろう。
なんて心がいっぱいなんだろう。
与えてもらった黒ねこがふっくらしているだけではない。
黒ねこと一緒に火に当たるおじいさんは、
目を閉じて、手を頬にあてて、満ち足りた表情をしている。
与えれば与えるほどに幸せな表情になっていく。
最後の二本のまきさえくべてしまったというのに。
あのやせてがりがりで食いしんぼでちっともかわくなかった黒ねこだが、
おじいさんのふとんの中にもぐりこもうとして、
頭をふとんに入れて、しっぽと後ろ足がはみ出しているところとか、
頭と前足を出して、しっかりふとんに入っているところが微笑ましい。
きっと飼い猫は普通にしているであろう姿が
なんだかやたらとかわいらしく思えてくる。
家を去るときのすっかり女王様のように
堂々たる風格となった黒ねこの後姿。
みすぼらしくも雨にぬれていたがりがりのねことは
まるで別ねこなのである。
おまえとわしは、知らないものどうしだったけれど、
今じゃあ、ほら、友だちじゃないか
なんでもないような素朴な言葉なのに、
ごつごつのおじいさんの手が
やさしく黒ねこをなでているかのように響いてくるのだ。
紙の本
世界傑作童話シリーズ
2016/12/29 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:肋骨痛男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめて読んだのは小学校のしゅくだいで読書感想文を書くことになったとき。大人になってから再読。当時からわが家にいるネコは20才を越えました。私にとって手放せない1冊です。ネコは母親のことを思い出して前足をかわるがわる動かすんですよね。
紙の本
貧しさと高潔さ
2019/05/07 16:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:coco - この投稿者のレビュー一覧を見る
貧しい老人が小さな生き物のために、なけなしの食べ物をあげてしまい、困窮するものの、助けた生き物の恩返しによって、以前よりも豊かに暮らすという物語。
だから物語として成立するし涙を誘う。
現実にはこんなことは起こらない。
小さな生き物に与え尽くした高潔な老人は貧しいまま残りの人生を後悔しながら生きるしかないのだろうか?