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「私物化」される国公立大学 (岩波ブックレット)
著者 駒込 武 (著)
国家主導で推進された国公立大学のガバナンス改革。強いリーダーシップでイノベーションを図る、一見“まっとう”な変革が各地で大混乱を巻き起こしている。公共性を失い「私物化」さ...
「私物化」される国公立大学 (岩波ブックレット)
「私物化」される国公立大学
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商品説明
国家主導で推進された国公立大学のガバナンス改革。強いリーダーシップでイノベーションを図る、一見“まっとう”な変革が各地で大混乱を巻き起こしている。公共性を失い「私物化」されつつある大学の現状をレポートする。【「TRC MARC」の商品解説】
近年加速する大学の「ガバナンス改革」。学長を中心としたトップダウン型経営は、教育現場に果てしない混乱をもたらしている。教育・研究の実態からかけ離れた独善的な改革が推し進められ、果ては学内制度や人事までが一部の人間の意のままに改められてしまう——。変わりゆく国公立大学のいまを、七つの大学の現場から報告する。【商品解説】
目次
- はじめに……………駒込 武
- 第1章 大学が「私物化」されるとはどういうことか——下関市立大学……………下関市立大学の私物化を許さない教員有志
- 第2章 自由の風が止むとき——京都大学……………駒込 武
- 第3章 政治に従属する大学へ——筑波大学……………佐藤嘉幸
- 第4章 歯止めなき介入、変貌する大学——大分大学……………大分大学のガバナンスを考える市民の会
- 第5章 放逐される総長——北海道大学……………山形 定
- 第6章 教育界に逆行する教員養成「改革」——福岡教育大学……………江頭理江・喜多加実代
- 第7章 権威主義化する大学「経営」イデオロギー——東京大学……………田中 純
- おわりに……………光本 滋
- 参考リンク集
著者紹介
駒込 武
- 略歴
- 〈駒込武〉京都大学大学院教育学研究科教授。専門は教育史、台湾近現代史。「大学の自治の恢復を求める会」発起人。
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紙の本
衝撃の内容で、驚きました
2021/09/18 13:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、全国の国公立大学で学長などが勝手に指名され、大学を私物化する事態が相次いでいる、という衝撃の内容を、実際に国公立大学で働く方々が告発した1冊です。全部で7大学が取り上げられています。
今、国公立大学でこのような事態が起こっていることを知り、私は大変驚きました。その私物化ぶりもすさまじいものです。ぜひ、数多くの方々に読んでほしい1冊です。
紙の本
学問の 自由侵される 日本かな
2023/02/28 22:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
日本国憲法第23条で学問の自由が保障され、大学の自治が認められているとされ、その中には人事の自治が認められているという(芦部信喜『憲法』(岩波書店)の「学問の自由」(筆者の手元にある新版補正版(1999年)では第八章三)を参照)。しかし、小泉純一郎政権の下で行われた国立大学法人化からは、教育公務員特例法を適用しなくてもよくなり(「法人化により教職員が非公務員とされた」(本書p.4)から)、その結果、「学長と学長指名の少数の人物に強大な権限が付与されることになった」(同前)という。その結果、大学の自治が侵され、学長やその取り巻きの独断により、大学が壊れつつある。そしてそれは全国で起こっている。本書はそのうち7校を取り上げ、国立大学法人化以来の問題を指摘する。
2.評価
(1)筆者は、前述のとおり、憲法の解釈学を勉強したことがあるが、その知識からすると、本書の問題意識を共有するものである。すなわち、国立大学法人化以降の大学のあり方は問題と認識する。統計を見たわけではないが、大学の教職員より民間企業で働く人が多いと推測するので、本書の問題意識を読者が持てるかはわからないが、1.で書いた憲法学の知識や、大学と民間企業が違うこと(pp.30-31に書いてある)を理解して、一人でも多く本書の問題意識を共有してほしいものである。
(2)ただ、筆者が読んだ限りでは、pp.17-18「学長選考が原点だった」と、p22ll.1-6がわかりにくく、読者が問題意識を持てるか疑問に思ったので、その点で1点減らして4点とするが、日本のあり方を考えるうえで重要な1冊である。