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商品説明
郵政民営化・球界再編・イラク戦争…。朝日新聞の一線記者たちが、取材の裏話や心がけ、新聞の読み方などを実例とともに紹介。若い人が、大学生が「新聞を読めない」と懸念する声に応え、新聞とは何かを伝えようとした講義録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
新聞へのアプローチ | 佐田智子 述 | 3-30 |
---|---|---|
「経済記事」の読み方 | 山田厚史 述 | 31-54 |
球界再編とメディア | 西村欣也 述 | 55-78 |
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紙の本
それでも、やはり、新聞に期待する
2009/08/11 05:22
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞は、いま危機にあります。
特にインターネットが飛躍的な発達を見せて以降、ニュースを“わざわざ”紙で、しかも、翌日の配達を待って読む必要は全然無いと感じる人が増えています。
事実、本来もっとも新聞を読むべき年代と言える大学生あたりで、新聞を購読していない人は珍しくありません。いや、むしろその方が主流と言えるかもしれません。
新聞はこのまま衰退してしまうのでしょうか。
そして、その原因は、インターネットやテレビやラジオにあるのでしょうか。
新聞が今日の衰退傾向を迎えた原因は、まずは当の新聞にあるのです。
いまの新聞は、果たして読者に興味を持って読まれるものとなっているでしょうか。
当たり前のように捉えられ、当然のように主張される悪しき傾向の一つに「新聞の不偏不党」があります。
新聞は読者に偏った判断を与えてはならない。不偏不党の立場で情報を提供する。
これって正しいでしょうか。そして本当にそんなことが可能なのでしょうか。
まずは、可能かどうかから考えてみれば分かりやすいと思います。
新聞がいくら不偏不党を主張しても、現実はそうはなりません。日常起こる様々な出来事の何を伝えるか、その判断一つとっても、すでに主観が入ってきています。試しに、政党の機関誌である赤旗と通常の新聞を読み比べてみればよくわかります。とりあげられている情報にすでに大きな差異があります。何を読者に伝える情報としてとりあげるか、それだけですでに主観が入るのが当たり前なのです。
そして、一つ一つの情報の取り上げ方には、さらにいくら中立を装っても繕えない主観が入るのは当たり前でしょう。
新聞が中途半端な形で不偏不党を装う、これが、今日の新聞をおもしろく無くしている一番の原因です。
そして、新聞がおもしろくない次なる原因は、少し前、だいたい二、三十年前の新聞と今の新聞を見比べればよくわかると思います。
「読者に読みやすい新聞」という言葉をはき違えた新聞社は、活字を大きくし、一つ一つの情報の内容を簡潔にすることばかりにとらわれ、中身のない情報伝達しかできなくなってきているのです。
新聞を読むのは、表面的な情報を即時的に入手するためではありません。そんな役割こそ、テレビやインターネットに、とっくにゆずってしかるべきです。
新聞は、じっくりと一つ一つの情報の内容を詳細に理解し、他人の頭を借りた解説を盗み見ることができる媒体なのです。だから、すでに事実関係は知っている情報に関することでも読者は新聞記事を読もうとするのです。
でも、今の新聞はそんなものになっているでしょうか。二、三十年前の新聞に見られた大きなスペースを使っての解説記事のようなものが全く見られません。
これでは、新聞がおもしろくないのも当たり前です。
新聞なんていらない?新聞記者自身の問いかけと、その答えを求めた新聞記者たちの取り組みです。
新聞記者たちは、果たして気づいてくれるでしょうか。