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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2019/11/28
- 出版社: 偕成社
- サイズ:20cm/265p
- 利用対象:小学生
- ISBN:978-4-03-726970-8
紙の本
ほんとうの願いがかなうとき
【クリスタルカイト賞】おばさん夫婦とくらすようにと、いなか町のコルビーにおくられたチャーリーは、毎日、いろんな幸運のしるしをみつけては、一つの願いごとをしていた…。家族か...
ほんとうの願いがかなうとき
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商品説明
【クリスタルカイト賞】おばさん夫婦とくらすようにと、いなか町のコルビーにおくられたチャーリーは、毎日、いろんな幸運のしるしをみつけては、一つの願いごとをしていた…。家族からはなれた少女が自分のほんとうの居場所をみつける物語。【「TRC MARC」の商品解説】
チャーリーは家族からはなれて、たった一人、いなか町のコルビーにやってきました。事件をおこした父親が拘置所にはいって、精神が不安定な母親も子どものめんどうがみられないので、姉さんのジャッキーともはなればなれになって、一度も会ったことのないおばさん夫婦にひきとられたのです。
一番星や、四つ葉のクローバー、雨の中をとぶ鳥など、毎日なにか幸運のしるしをみつけては、願いごとをするチャーリー。
近所で見かける、やせたのら犬に自分と似たものを感じて、なんとかつかまえて飼いたいと思ったチャーリーを、クラスメイトのハワードが手つだってくれるようになります。
家族からひきはなされ、怒りとさびしさから、かたくなに自分にとじこもっていた少女が、その気持ちを理解してくれる人たちの中で少しずつ心をひらいていき、自分のほんとうの願いを知るようになる物語。
児童図書作家画家協会(米国)・クリスタルカイト賞受賞作。【商品解説】
著者紹介
バーバラ・オコーナー
- 略歴
- 〈バーバラ・オコーナー〉1950年アメリカ合衆国生まれ。サウスカロライナ大学卒業後、UCLAで児童文学の創作を学ぶ。作家。「犬どろぼう完全計画」でウィリアム・アレン・ホワイト児童文学賞受賞。
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紙の本
願い事の方法を知りたいあなたや、ちょっと怒りっぽいあなたに
2020/01/15 15:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみひこ: - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏にクリスマスの話を書くのは大変だと言ったのは、
確かケストナーだったけれど、逆に真冬でも秋でも、
何なら春や夏真っ盛りの頃だって、夏休みの話を
読むのは楽しい。
この物語は、正確には夏休みの直前から始まる。
それでも、夏の田舎町の様子が、
何か不思議な期待感をかもしだしていく。
主人公のチャーリーの父親は、けんかのせいでで拘置所に
入れられたらしい。母親は一日中家にこもってベッドから出て来ず、
育児放棄の状態のようだ。
そこである日、ソーシャルワーカーのおばさんが来て、
田舎の伯母夫婦の家に行くように言われる。
チャーリーは、怒っている。
たった一人で、一度も会ったこともないバーバラとガスの家に行くことに、
すぐに夏休みなのに、田舎の小学校に行かなくちゃならないことに、
姉がローリーの町に残って離れ離れにされたことに、
ずっと、怒っている。
だから、学校でもけんか腰で、かっとなる自分を抑えようとしない。
そんなチャーリーが毎日しているのは、「願い事」。
ふと見た時計の針が十一時十一分を指した瞬間や、
道ばたに落ちていた一セント硬貨を見つけた時、
「願い事」を唱えるのだ。
毎日、どんな瞬間でも教わったことのある方法を思い出して、
「願い事」をしないではいられないチャーリーなのだ。
小学校でチャーリーの「お世話係に」選ばれたハワードは、
学校や教会の日曜学校で、どんなにつっけんどんに突き放しても、話しかけてくる。
チャ―リーが、ケンカしないで済むようなおまじないも考えてくれるのだけれど、
チャーリーはうまく自分が抑えられない。
そんなある日、田舎になじめないままのチャ―リーが見つけたのは、
自分と同じように帰る家を持たない野良犬。
ウイッシュボーンと名付けたこの犬を捕まえるようとするチャーリーを、
バーバラもガスもハワードも手伝ってくれる……。
物語はこんな風に進んでいくし、チャーリーのおかげで願い事の方法を
山ほど知ることができるのは嬉しいけれど、少し切なくなる。
願い事をする方法なんて、私たちはいくつ知っているだろう?
せいぜい、流れ星を見た時ぐらいではないだろうか?
けれど、チャーリーは毎日毎日、いろいろな方法で願い事をしている。
そんな切実な思いが叶えられるときは来るのだろうか?
それにしても、田舎での生活が、チャーリーにも楽しくなってくる様子は、
実に魅力的だ。
ハワードが住む荒れ放題で泥だらけな田舎の家も、
五人兄弟の男の子たちが、それぞれ好きなことをしている楽しそうな家に見えてくる。
おやつのかけらを床にこぼしても全然気にしないお母さんも、
(まあ、男の子五人だからね)実におおらかなのだ。
いつ訪ねて行っても大歓迎で、ハワードと何かをしていると、
みんなと同じようにその日のおやつに手渡してくれる、
そんなお母さんがいる家で過ごす夏休みの楽しさ。
ああ、わたしにも、「マグカップに入れたオレンジゼリー」を、
渡してくれないかなと思ってしまう。
それでも、かっとなるとひどいことを言ってしまったり、ケンカをしてしまう、チャーリー。
でも、みんなが、そんな自分を必要としてくれることもだんだんわかって来るのだ。
そして、ガスがチャーリーに「ちびすけ」と呼びかける時の、ガスの気持ちも。
少し大人のあなたなら分ってくれるだろう。
チャーリー―の願いがかなうように、、思いを込めながら読んでいきたい。
そして、いつか大人になった時に、そっと読み返してみたい本なのだ。
紙の本
ほんとうの願い、とは
2023/09/24 19:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よんよん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公チャーリーの「ほんとうの願い」がかなえられる過程の中で、周りの人達との交流で気持ちが変化したり、自分でも気付かなかった気持ちに気付いていく物語、ともいえます。
彼女がそのとき感じた気持ち、そしてその気持ちの変化がとても丁寧に描かれ、涙なしでは読めません。読後は温かい気持ちにさせられると同時に、自分自身の日常生活も大切に生きようと改めて考えさせられます。