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紙の本
33個めの石 傷ついた現代のための哲学 (角川文庫)
著者 森岡正博 (著)
自殺、脳科学、ジェンダー…。引き返せない現実を前に、いつのまにか傷ついてしまった私たちに、今いちばん必要なことは何か。哲学者森岡正博が現代の「痛みと希望」について思索する...
33個めの石 傷ついた現代のための哲学 (角川文庫)
33個めの石 傷ついた現代のための哲学
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商品説明
自殺、脳科学、ジェンダー…。引き返せない現実を前に、いつのまにか傷ついてしまった私たちに、今いちばん必要なことは何か。哲学者森岡正博が現代の「痛みと希望」について思索する。『高知新聞』掲載原稿を加筆修正し追加。〔春秋社 2009年刊に新たな原稿を加える〕【「TRC MARC」の商品解説】
報復の連鎖の時代における、かすかな希望は確かにある。
人は傷つけ合う、その先を見つめた、柔らかな哲学エッセイ。
米国・バージニア工科大学で起こった銃乱射事件。
32人の学生、教員が殺され、犯人の学生は自殺した。
キャンパスには犠牲者を悼む32個の石が置かれたが、人知れず石を加えた学生がいた。
33個めの石。それは自殺した犯人の追悼である。
石は誰かによって持ち去られた。学生はふたたび石を置いた。それもまた、持ち去られた。
すると、別の誰かが新しい石を置いた。
「犯人の家族も、他の家族とまったく同じくらい苦しんでいるのです」。
犯人も現代社会の被害者であるという追悼を、われわれは出来るだろうか。
敵と味方の対立を無効化し、「やられたらやり返してやる」という報復の連鎖を超越していく物語を紡げるだろうか。
単行本刊行後、東日本大震災を経て発表された5編と書き下ろしを加えた文庫特別版。
社会は変わりようがない、人々が傷ついたとしても仕方がないというのっぺりとした社会意識を、食い破ることのできる希望。
それはまだ小さな流れではあるけれども、世界のあちこちで少しずつ開こうとしている柔らかなつぼみなのだ。【商品解説】
目次
- 目次
- 文庫版へのまえがき
- 赦すということ 1・2・3・4
- 自殺について 1・2・3・4
- 33個めの石 1・2・3・4
- 恐怖を消す薬 1・2・3・4
- 脳と幸福 1・2・3・4
- 「人道的な」戦争 1・2・3・4
著者紹介
森岡正博
- 略歴
- もりおか・まさひろ 1958年、高知県生まれ。哲学者。
大阪府立大学教授を経て、早稲田大学人間科学部教授。大学では哲学・倫理学を担当。無痛文明論、生命の哲学などを提唱し、従来の客観的な学問の枠組みを超えて、みずからを棚上げすることなく果敢かつオリジナルな思索を展開し、人文学の領域を大きく押し広げる。著書に、『無痛文明論』『生命学をひらく』『生命観を問いなおす』『自分と向き合う「知」の方法』『感じない男』『宗教なき時代を生きるために』『草食系男子の恋愛学』『まんが哲学入門』ほか。
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考えさせられるテーマ多し
2017/01/22 19:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
1つ一つの問いに著者が哲学者として答えていく。
全肯定は出来ないが、なるほどなと思わせる意見が多い。
不老不死は幸せか?クローン人間は人類に良いものか?
嫌な記憶を消す薬は有り難いか?
どれも実現してはいないが、実現したと仮定して、果たしてそれが
人類に幸福であるか?それを真剣に考えると、科学の進歩は舵取りを
誤ると、かえって不幸を招くことを問題提起している。
読み応えのあるテーマの一冊。