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紙の本
中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事 (角川ソフィア文庫)
著者 小倉 孝保 (著)
2013年にイギリスで100年以上の年月をかけて完成した「中世ラテン語辞書」。生きているうちに完成を見ない仕事に、時間と精力を注ぎ込んだ人たちの営みから、人間の「働く意味...
中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事 (角川ソフィア文庫)
中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事
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商品説明
2013年にイギリスで100年以上の年月をかけて完成した「中世ラテン語辞書」。生きているうちに完成を見ない仕事に、時間と精力を注ぎ込んだ人たちの営みから、人間の「働く意味」を追う。〔「100年かけてやる仕事」(プレジデント社 2019年刊)の改題,加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
「働くことの意味を考えさせてくれる一冊」出口治明(「朝日新聞・書評欄」)
100年の歳月をかけて、英国で『英国古文献における中世ラテン語辞書』が完成した。
市民の言語採取ボランティア「ワードハンター」たちと、英国学士院が総力を結集した
成果だった。
採算がとれず、生涯で完成を見られない事業へ、参加者はなぜ邁進したのか?
特派員記者の著者は関係者を訪ね歩き、日本語辞書の編者にも取材を広げていく。
効率優先の現代に“言葉と文化”の意義を探り、日本人の働き方をも問うノンフィクション。【商品解説】
目次
- 第一章 羊皮紙のインク
- 第二章 暗号解読器の部品
- 第三章 コスト削減圧力との戦い
- 第四章 ラテン語の重要性
- 第五章 時代的背景
- 第六章 学士院の威信をかけて
- 第七章 偉人と奇人
- 第八章 ケルト文献プロジェクト
- 第九章 日本社会と辞書
- 第十章 辞書の完成
著者紹介
小倉 孝保
- 略歴
- 1964年滋賀県生まれ。88年毎日新聞社入社。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長、外信部長、編集編成局次長を経て論説委員。2014年、日本人として初めて英国外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人 「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。著書に『十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの』(KADOKAWA)『踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代』(講談社)など。
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紙の本
タイトルに惹かれて読み始めた。期待を裏切らない面白さだった。
2023/08/06 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店でふと目にとまった本書。副題に100年かけてやる仕事とある。そもそもラテン語に「中世の」があるとは知らなかったし、「古代ラテン語」とどこが違うのかに一気に興味が沸いた。辞書を作るのに100年かかったというのも面白い。現代語なら一年前の辞書すら時代遅れになりそうなところ、編集に要した100年間変わらないのはそれが文献に冷凍保存されているからだろう。しかしこれはラテン語のみならず、「中世日本語」でも、どの言語でも同じかと変に納得した。
学者先生ではなくジャーナリストが書いた本書は、書き出しが「庶民目線」からスタートするので大変読みやすく分かりやすい。学者の本は基礎知識が共有されている読者を想定して書かれていることもあり、いきなり話が理解できなくなることも多い。特に本書のテーマであるラテン語になどになると予備知識をもつ市民は多くはない筈である。また読者と同じ目線の高さで、読者の興味をそそるように要領よくまとめられた記述も読みやすい。さすがジャーナリストの本である。
本書の書評には「100年かけて編んだ辞書」は完成を見れない人々から見ればタイムパフォーマンス、コストパフォーマンスの合わない、しかしその仕事の重要性を理解した人々の努力の結晶であり、現代社会における「働くことの意味」を考えさせてくれる書 などという哲学的・道徳的抽象論で語られたものが多い。
しかし私にとっては著者の欧州言語に対する詳細な調査研究とラテン語をはじめとする本邦の現代の第一人者の学者たちへのインタビューが面白く、前述の啓蒙的教訓よりも寧ろ言語学の入門書と受け止めて読んだ。また特にオックスフォード英語辞典、言海、漢和大辞典など後世に残る大辞書を作る側のドキュメンタリーも読みどころ満点だった。言語の分布はそれを話す人自身またそれに影響を受けた人々とその文化の拡散の記録に他ならない。もちろん過去のそれが既に消滅していることも多いかも知れない。本書においてはケルト人とケルト語、アイルランドについても言及され大変興味を惹かれた。
さほど厚い本ではないが、内容のがっちり詰まった濃い本であり、読みやすく楽しい本であった。本書を機に、一気にラテン語と英語、そしてドイツ語への興味がわいた。古代ラテン語の勉強を始めた。
紙の本
新聞記者的視点
2023/12/27 14:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
1913年にプロジェクトが始動し2013年になってついにその作業を終えた中世ラテン語辞典。ロンドン駐在中にこの記事を見つけ関心を持った著者によるもので、良くも悪くも新聞記者的視点であり、ラテン語や辞書に専門的関心を持っている人にはやや物足りないかもしれない。