紙の本
最後はご都合的
2024/01/14 14:59
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
トークに自信がないラジオDJの青年が気まぐれに配信した放送が未来に繋がるお話。
似たシチュエーションの洋画があったような?と思ったけれど、これはこれで楽しめました。
値上がりする株を教えてもらったり、一度亡くなったのに神社にお願いしたら過去の自分と話せて火事を回避できたりと
ややご都合的な部分はちょっと気になりました。奇跡を多発させると白けてしまうというか。
死なせず、普通に再会させてもよかった気がします。
読みやすい文章です。
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こんなにも楽しく読めた作品はありませんでした。過去未来をつなぐFM放送1985年から2020年代なんてファンタジーなんでしょう。洋画で似たような設定で感動作の「オーロラの彼方」と言う作品を思い浮かべました。私の好きな「男はつらいよ」を引用したところは興味津々でした。DJトッシーの過去と未来のやりとりも面白くとても清々しい気持ちになれ、あなたも読んでこの大傑作を読んで感動して下さい。
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ローカルラジオ放送局「鎌倉なみおとFM」の最終番組は22時で終了する。しかし、なぜか時々、23時から番組が流れる夜があり、それは1985年を生きるDJによるもので……。
親友の婚約を素直に祝うことができない女性・三回転半ジャンプさん、母親の再婚相手と距離を置いてしまう小学生・ラジコンカー君……悩めるリスナーが、時を駆ける真夜中のラジオと繋がる時、優しい波音がきこえてくる――。
聴き終えた後、心の声に耳を傾けたくなる不思議なラジオ。
『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』の著者・成田名璃子、新境地!
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時をかけるラジオ笑
小説もラジオ(FM)も好きなので楽しく読めた。
ただ何気なく話すだけでどんどん救われるってことあるのかも。
ラジオDJ尊敬します。
いつかラジオにお便り出さなきゃ。
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1985年のラジオが、2020年ごろの少しトラブルを抱えた人に繋がる話。決してハートフルな話ではないですが、言葉を通じて、みんな少しずつ救われていく感じがラジオっぽい感じがします。
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感想
未来と過去がつながる。現実ではありえないかもしれない。だからこそ美しい物語が創られる。そこで気づくのは人間の変わらなさ。みんな同じ。
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過去に生きるDJが現代に生きる人々とラジオを通じて心を通わせるお話です。
この著者の作品は読み終わった後にすっきりするというより胸にぼんやりと残るようなものがあると個人的には感じるのですが、本作も一章と二章は似たような印象を受けました。
しかし三章以降は読んでいてすっきりする展開になっており、過去作と比べて読みやすい作品になっているのではないかと思います。
章が進むごとに時間が一年遡るのが疑問でしたが、ラストでその意味が分かる部分があって腑に落ちました。
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1985年と令和がラジオで繋がる。悩みを抱えるリスナーにだけ通じるラジオ番組。ドラマとか映画にでもなりそうなネタだなと思った。DJトッシーもリスナー4人も収まるところに収まった感じでよかった。
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『 勝手に「ラジオ」特集 #1 』
ー成田名璃子さん『時かけラジオ』ー
浅葉なつさんの『どうかこの声が、あなたに届きますように』が、この勝手な特集開始の発端です。ラジオが鍵になる他作品はあるのかな? と素朴に思いました。鮮やかに過去を思い出し、ラジオのよさを再認識するような作品‥。
勝手ながら、この発端作品を<特集#0>にしちゃいます。ただ、Podcastを扱った青山美智子さんの『月の立つ林で』もとてもよかったのですが、リアルタイム性を鑑み、ラジオと棲み分けしようと考えました。
さて本作は、「しゃべり」に悩む「鎌倉なみおとFM」 のDJトッシーが、缶チューハイ片手に、時間外のでっち上げ番組で、(届くはずのない)リスナーのエピソードを募集すると、時を超えて2020年代の4人の悩めるリスナーに届く‥、という連作短編集になっています。
ただ伝える一方向だけの形ではなく、リスナーと電話で話す双方向のやりとりがあるからこそ、人は変わるヒント・きっかけが得られるのでしょう。
時の隔たりは、文化や流行のギャップを生みますが、人の心の中の根っ子(喜怒哀楽)については、普遍的なんだなと思わされます。
昭和の時代を、楽しくも懐かしく思い出させてくれ、かつ、「聴くこと」「伝えること」の大切さを教えてくれる一冊でした。
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Amazonの紹介より
未来の人、お電話ください――。時を超え、人をつなぐ奇跡のラジオ。
ローカルラジオ局「鎌倉なみおとFM」の最終番組は22時で終了する。だけどなぜか時々、23時から番組が流れる夜があり、それは1985年を生きるDJトッシーによるもので――。親友の婚約を素直に祝うことができない「三回転半ジャンプさん」、母親の再婚相手と距離を置いてしまう小学生「ラジコンカー君」……真夜中のラジオが昭和と令和をつなぐ時、悩める4人のリスナーと、そしてきっとあなたに、優しい波音が聞こえてくる。
聴き終えた後、心の声に耳を傾けたくなる不思議なラジオ。
『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』の著者・成田名璃子、新境地!
テンションの高いDJと偶然繋がった未来のリスナーの交流に時を超えて、お互いが寄り添っていく描写は、読んでいてほっこりした気分になりました。
といっても、DJは最終章以外では、そんなに登場せず、リスナーが、どんな人生を辿っていったのか。そしてこれからどう向き合っていくのかが描かれています。
DJの方は、自身から放つ溌剌さやノリが、とても面白く、個人的には思わず何回もラジオを聞いてみたくなる感覚でした。
連作短編集ですが、登場人物同士の「横」の繋がりは、あまりない印象でした。
似たようなもので、青山美智子さんの「月に立つ林で」という作品があるのですが、そちらの方はしっとりとした雰囲気で、皆の輪が大きく繋がれているので、壮大な作品だなと思いました。
その作品を読んだせいか、こちらの作品は、繋がっていることが弱いなと思ってしまいました。もう少し濃密に登場人物同士が繋がっていると思ったので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。
しかし、最終章のエピソードは読み応えがあり、DJ自身の人生と上手く絡み合っていて、面白かったです。
作品の舞台は、鎌倉・由比ヶ浜。海の風や波音が流れているかのような爽やかさがあって良かったです。昼とは夜のシーンが印象的で、その雰囲気に真夜中にひっそりと読みたい作品でした。
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1985年から、人生に煮詰まり苦悩している現代を生きる4人にラジオが繋がります。DJである主人公もくすぶった人生に未来の人との交流から自分を見つけていきます。本当にこんなラジオがあれば良いなと思いました。
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時をかける手段がなぜラジオなんだろう?
その疑問が読了の瞬間晴れた。
よくよく考えてみたら、ラジオをチューニングするって行為は今も昔も変わらない。
そんな共通点に時空を超えた接点を作りたかったのかな。
成田先生に聞いてみたい。ラジオを通して。
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成田名璃子『時かけラジオ~鎌倉なみおとFMの奇跡~』
2023年 メディアワークス文庫(KADOKAWA)
こちらの作品はタイトルに惹かれたのと、ジャケ買いならぬ装丁買いしました。ラジオというタイトルと、美しく魅力的な夜の海と江ノ島と月明り、そしてマイクに向かう青年のシルエットという美しいイラストとデザインの装丁。僕の好きな要素が詰まっていて即購入しました。
成田名璃子さんの作品は初めてだったのでとても楽しみでした。
1985年の青年、DJトッシーと2020年あたりの未来のリスナーとがつながる、ラジオがタイムリープ、時かけの物語です。トッシーとそのリスナーたちがつながるには、ある特殊な状況やルールのようなものがあるのですが、それは敢えて伏せておきます。
そして最後の第四章でのドキドキする展開。
僕はトッシーの年齢に近いのだけれど、今の時代と、20代前半の自分とが蘇りながら楽しく一気に読ませていたただきました。
僕も大好きでよく訪れた湘南の海を思い浮かべながらの素敵な時間でした。
#成田名璃子
#時かけラジオ~鎌倉なみおとFMの奇跡~
#メディアワークス文庫
#KADOKAWA
#読了
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『時かけラジオ』
穏やかさ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
鎌倉に行ってみたくなる⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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「子供電話相談室」
当時、ラジオ聴いていたことを自然に思い出すのでした。
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1.購読動機
ブクログの読者レビューです。ブクログがなければ、出会いがなかった作家さん、物語です。
レビュー内容が、ほっとする、ほろりとするという穏やかな内容でした。
わたしは、ハラハラ、そしてドロドロな物語(映画も)は得意ではありませんので、、、。
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2.主人公
舞台は鎌倉です。海沿いにある地元のラジオDJが主人公です。20代の彼は、流行を案内するではなく、生み出すDJになりたいという志を持っています。
彼の性格は穏やかです。そして、海沿いで広がる物語も、同じく穏やかです。
ほっとしたいときにピッタリの小説です。
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3.はじまり
年代は、バブルはじける前の1985年。
そう、ラジオ全盛の時代です。
DJの彼は、都内で活躍する同年代のDJの仕事ぶりを目にします。
その姿は、まさに彼が憧れるDJのあり方そのものでした。
鎌倉に戻り、意気消沈した彼。ひとりラジオブースにただずみ、独り言をマイクに向けて語り始めます。
もちろん、電源はオフ。
届くことのないラジオの電波。
しかし、視聴者が存在したのです。
そして、その視聴者は、未来、2020年代に生きる人々でした。
1985と2020という二つの時代。
ラジオが時を超えて、人と人を紡ぎます。
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4.読みどころ
DJの彼は、時を超えていくつかの出会いをします。
①幼ななじみの異性の友人、そして同性の友人の結婚スピーチに悩む女性。
②両親が離婚し、新しい父親に馴染めない男児。
③定年まで務め、いよいよ妻とゆっくり過ごそう思う男性。しかし、引き出しから離婚届けが、、、
④女性。この四人目の登場が、時を、物語の展開を加速させます。
いずれの出会いに対しても、DJの彼は、聴き相手になります。
視聴者は、ラジオをきっかけに踏み出せることになります。
そんなやりとりに特別なことはありません。
だからでしょうか?
ほっとする気持ちが最後のページまで続きます。
もし、鎌倉にいくのなら、鎌倉でもう一度開いてたくなる物語でした。
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不思議なラジオ番組、「ラジオがはねたら」。過去からの放送は、未来の孤独な心の人々に寄り添ってくれる…。 とても素敵なストーリーでした。 「ラジオがはねたら」DJトッシーのあたたかい言葉は時代を超えて尚、未来の人達を前向きにさせてくれて…。言葉に嘘がないんですよね。真っ直ぐだから胸を打つ。 受け取る側も真っ直ぐな心だから、素直に受け止められる力がある。 懐かしいあたたかさに包まれる一冊です。