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俳句をつくろう (講談社現代新書)
著者 仁平 勝 (著)
五七五の古典詩による自己表現への招待。俳句はたった十七文字の助走のないジャンプである。切れ、季語などの伝統の道具と技を使いこなして、いかに跳ぶか。気鋭の俳人による、ひと味...
俳句をつくろう (講談社現代新書)
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商品説明
五七五の古典詩による自己表現への招待。俳句はたった十七文字の助走のないジャンプである。切れ、季語などの伝統の道具と技を使いこなして、いかに跳ぶか。気鋭の俳人による、ひと味違う入門書。【「TRC MARC」の商品解説】
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「俳句の言葉は、むしろ意味ではなく、像を喚起させようとします。その像を読者と共有することで、意味以上のものを伝えようとするのです。」──俳句の特質についての論もある入門書
2001/03/08 11:28
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投稿者:tori__ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「俳句はいってみれば、なんの変哲もない日常的な場面のなかに、そのつど新しい感動を発見する詩です。そして切字は、作者が発見したものを、相手の無意識の領域に向けて提示するのです」
──俳句入門書には俳句の本質論には触れないものが多いですが、著者は、俳句とは何か? ということが腑に落ちないとすっきりしない……という欲求にも答えてくれます。
第1章定型とは何かでは、俳句は発句から始まる歴史を、脇句がついていたこと、和歌の記憶があること……と、現在の俳句の理解にも繋がるように示してくれるのは明快です。
切字について──「散文の言葉には、まず意味を伝える機能が求められますが、俳句の言葉は、むしろ意味ではなく、像を喚起させようとします。その像を読者と共有することで、意味以上のものを伝えようとするのです。……切字は意味を積極的に断ち切る仕掛けであり、いわば意味の代償として像を強調するのである」──「クローズアップの技法と似ている」──「対象をスローモーションで描く」──という論は、切字はなぜ存在するのか? という疑問の答えとして大変参考になります。
その他、第2章では季語について、第3章では俳句的な場面(「映画のディテールのように」「俳句はストーリーではない」)、第2部第4章では写生と取り合わせ、5章で省略とデフォルメ、第3部では6章吟行と句会、第7章さまざまな俳句……と、いう内容になっています。
参考になった本でした。
by tori__