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紙の本
ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)
著者 ユージン・B.スレッジ (著),伊藤 真 (訳),曽田 和子 (訳)
大ヒットのドラマ・シリーズ『ザ・パシフィック』の原作!「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。硫黄島に匹敵する損害率を記録した一九四四年秋のペリリュー島攻略戦、そし...
ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)
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商品説明
大ヒットのドラマ・シリーズ『ザ・パシフィック』の原作!「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。硫黄島に匹敵する損害率を記録した一九四四年秋のペリリュー島攻略戦、そして四五年春の沖縄上陸戦。二つの最激戦地でアメリカ海兵隊の一歩兵が体験した「栄光ある戦争」の現実とは?おびただしい生命を奪い、人間性を破壊する戦争の悲惨を克明に綴る、最前線からの証言。
大ヒットのドラマ・シリーズ『ザ・パシフィック』の原作!
「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」。
硫黄島に匹敵する損害率を記録した一九四四年秋のペリリュー島攻略戦、そして四五年春の沖縄上陸戦。
二つの最激戦地でアメリカ海兵隊の一歩兵が体験した「栄光ある戦争」の現実とは?
敵味方を問わずおびただしい生命を奪い、人間性を破壊する戦争の悲惨を克明かつ赤裸々に綴る、最前線からの証言。
私はアメリカ第一海兵師団第五連隊第三大隊K中隊の一員として、中部太平洋にあるパラオ諸島のペリリュー島と、沖縄の攻略戦に参加した。
本書はその訓練期間と戦場における体験を記したものである。
(中略)
一人として無傷で帰還することはできなかった。多くは生命を、そして健康を捧げ、正気を犠牲に捧げた者もいる。
生きて帰ってきた者たちは、記憶から消し去ってしまいたい恐怖の体験を忘れることはできないだろう。(本書「はしがき」より)【商品解説】
目次
- 第1部 ペリリュー――黙殺された戦闘
- 第1章 海兵隊員の誕生
- 第2章 戦闘準備
- 第3章 ペリリュー島へ
- 第4章 地獄への強襲
- 第5章 ふたたび上陸作戦
- 第6章 去りゆく勇者たち
- 第2部 沖縄――最後の勝利
- 第7章 休息とリハビリ
- 第8章 進攻の序章
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ぺリリュー・沖縄戦記
2020/08/12 20:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は太平洋戦争において、大学生として所定のプログラムをこなせば将校になれたにも拘わらず、愛国心に駆られて一歩兵として海兵隊に参加した。最初に参加した戦闘はぺリリュー島だが、この島を守る日本軍は無謀な突撃を封じられ、ここを攻めるアメリカ軍は初めての戦術に挑むことになる。
戦闘がすすむにつれて、訓練どおりにいかない事態もおき、もちろん戦争だから命を奪い、奪われる。対峙する日本軍への憎しみもあるが、憎しみを日本兵の死体にぶつける行為には加わる気にはなれない。
興味深いのは戦後である。戦闘中、補給兵とも認識のずれはあったが、補給兵以上に一般人との認識のずれがひどい。帰還兵を訳知り顔でなぐさめる人に耐え難い違和感を抱き、著者はただ肯定も否定もせず、自分を受け入れて欲しいと願う。同じような場面が『西部戦線異状なし』にもあった気がするが、これは帰還兵に共通するのだろう。
紙の本
戦争の悲惨さを克明に語った書です!
2019/01/29 11:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、記録的な死者を出したと言われる1944年のペリリュー島戦とその後45年の沖縄本土上陸戦に二つに焦点を当て、戦争とは何か?戦争によって何が変わるのか?といったことを思考することを通じて、戦争の悲惨さを克明かつ丁寧に綴った一冊です。これを読むと、戦争が如何に無駄で、無益なものかが心の底から分かります。
紙の本
理性の欠片もない戦場
2018/08/11 21:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyajima - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はアメリカ第一海兵師団第五連隊第三大隊K中隊の一員として、中部太平洋パラオ諸島にあるペリリュー島と、沖縄の攻略戦に参加した。本書はその体験記。
ペリリュー攻略戦は4日で終了すると軍は予想しており、それを真に受けた記者たちは上陸すらしなかった。その結果、甚大な犠牲を出した戦闘にも関わらずその内容が知られていない。ペリリューに先立つギルバート諸島タラワ環礁における第二海兵隊の甚大な被害は米国内で批判を集めたが、一方で「タラワ」の名前は勇気と犠牲の精神を象徴するものとして米国に知れ渡った。そのタラワの戦いの2倍の犠牲者を出したにもかかわらずだ。
さらに、この作戦の必要性については論争があり、大勢は、この作戦がなくともマッカーサーはフィリピンを奪還できた、というも、というものだ。ハルゼー提督はフィリピンにおける日本の航空戦力が思ったほど強力ではないと知ったからだ。
それまでの日本軍は海兵隊の上陸部隊が海岸線に橋頭保を築いてしまうとバンザイアタックを繰り返し自滅するのが常だった。だが、バンザイアタックが功を奏した例はない。しかし、ペリリュー島で1万の守備隊を率いた中川 州男(なかがわ くにお)大佐はバンザイアタックを禁じ、上陸してきた海兵隊を陣地の間近まで惹きつけ応戦するよう命じた。そのため第一海兵隊の払った犠牲はタラワの2倍にのぼった。
日本軍は硫黄島、沖縄本島でも複雑に入り組んだ縦深防御態勢で臨み、兵力を温存し消耗戦に持ち込んだ。執拗極まりない日本軍の抵抗を支えた戦術はこのペリリュー島の戦闘が先例となったのだ。
そのようなし烈を極めた戦闘の中で、著者は自分たち歩兵が消耗品に過ぎないことを痛感する。「生命と個人の価値を尊重する国に生まれ、そういう文化の中で育ってきた」にもかかわらず、自分の命に価値がないと思い知る。そしてむごたらしい死と恐怖、緊張、疲労の連続する野蛮極まりない状況において戦闘を続けることで、人間として信じられないほど残忍な行動がとれるようになる。
戦場では日米双方の兵が相互に狂的なまでの憎悪をお互いに抱いていた。戦場を知らない人たちにとって理解できないほど強烈なものだ。日本人の大義に寄せる敵愾心と、そのような日本兵によって行われた残忍な行為に対するアメリカ兵の憎悪は、両者の間に容赦のない残忍で凶暴な戦闘をもたらした。そこには理性のかけらなど微塵もない。そういった実情を書きつくした本書の意義はそこにある。