嚙みあわない会話と、ある過去について （講談社文庫）

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投稿者：さつまいも　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

現役で学生をしていて、始めの方は書かれていることに共感の嵐を巻き起こしていました。かと思いきや後半で、また自分の価値観とは違うむしろ自分がやってしまっているかもしれないというようなお話が出て来て、恐怖と一瞬にして何か芯が凍ってしまうかのような寒気を覚えました。登場人物によって違う価値観が巧みに描かれていて、いつか心にモヤを抱えたまま会話が終わってしまった私の心を代弁してくれる、あの時相手のことを考えて不安になった私を、その不安の通り地の底に落とした後になぜか救ってくれる、心をグサグサ刺されるような話なはずなのにすっと入ってくる不思議なお話です。15年生きている私の1番大好きな本です。

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投稿者：nekodanshaku　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

とても怖い話である。子ども時代や学生時代の知り合いに気軽に声をかけ会うことができなくなるホラー短編集だ。過去の些細な出来事を振り返るとき、当然、複数の人の感じ方があるわけで、それを言語化し明らかにした時、かみ合わない事実が浮かび上がる。いや事実は一つだろうけれど、人の数だけ、思い出やら記憶などが、無自覚な心の働きで生まれるのだろう。自分の過去の言動に、どのような思い込みや刷り込みがなされているかを考えると、懐かしい人には会えない。

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投稿者：山野　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

変わったタイトルだな、というのが第一印象です。中身を読んでみればまさに「噛み合わない会話」と「ある過去」について書かれていました。
記憶の保存の仕方、向き合い方は人それぞれです。脳内で美化させてしまう人もいれば、ありのままの形をずっと覚えている人もいます。過去の真実が暴かれた瞬間、あなたはどうしますか？

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投稿者：a　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この話と程度は違いますが、誰でも過去の記憶を自分の都合のいいように書き換えた経験があるように思います。 それで嫌な記憶が消え、幸せになるのなら別にいいのかな、と思います。

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投稿者：ごまちゃん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

自分の中にもこんな気持ちがある事を、文章で読むとぞっとし、また人間て本当に生きているだけで罪なのかと思う。

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投稿者：みつる　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

サスペンス？ホラー？と思うほど、
主人公と相手の心の中が逆転している。

短編集じゃなかったら、じわじわくる
この言葉の攻撃に耐えられませんでした。

あくまで、過去の話なのだから、はっきりと覚えていないのは当たり前…と言いたくなるけれど、この本は有無を言わせず、あなたのしてきた事は、実はこうなのですよ。と面と向かって言われる感じがしました。

した側は覚えてなくとも、された側は覚えてる。
まさにそんなお話です。

だからって、復讐をするわけでもなく、
淡々と語る様子が、まさにホラー。
圧迫面接でも受けてるような…逃げ出したくなる…
でも続きが気になる。そんなお話でした。

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投稿者：びずん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

中にはまだ気づけない人もいるだろうし、その方が生きていくのには楽なのかもしれない。少しの気持ちのズレっていうことに、その場で気づけない痛い感じをストーリーで表現していることが秀逸。その時は、自分の方がまともだと思っている。それくらい、人の言葉や気持ちはすれ違うのが当たり前で、複雑な感情を持っているくせに、単純なことには鈍感な人間だ。

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投稿者：ちーかま　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

都合のいい男友達の結婚相手はかなりヤバイ？「ナベちゃんのヨメ」、人気アイドルが母校を訪ねた真の理由とは？「パッとしない子」など無自覚の悪意を鋭く衝いていて何が正しいのか色々考えてしまう一冊

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投稿者：イシカミハサミ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルから噂話による日常の侵食みたいなことをイメージして
読み始めたけれど、少し違った。

短編集形式だけれど、それぞれの掌編で主役としてふるまう人は、
その物語の主人公ではない。
主人公は主役に対して何らかの深い思いを持つ人間だから、
物語の真相は読者に委ねられる部分がある。

1話目と２話目はちょっとピンと来ず。
3話目がちょっと境遇に似たところもあったけれど、
結末の不思議パワーまでないと状況を救えないのかとちょっと失望。
4話目がありそうでこわいキワキワのラインでいいホラーだった。

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投稿者：タイラ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

解説がとてもしっくり来た。この小説はホラーだ。密室には幽霊が出る。
自分にも、過去に殺してしまったものが幽霊となって現れるかも。また、誰かを知らぬ間に殺してしまっているかも。読んだ後、自分の過去を色々と振り返ってしまう作品。どの短編も面白かった。

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投稿者：きり　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

冒頭から、記憶のすみにある後ろめたく触れられたくないものをひっぱり出された感覚に襲われる。明確な憎しみや悪意がなくとも他人を抑圧したり拒絶して心理的な死をもたらしてしまっているのかもしれない。同じことを体験していても当事者の記憶には大きな齟齬があるかもしれない。それに対するどうしようもなさに肝が冷える。

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投稿者：ゆかの　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

読んでる途中も、読み終わってからも、とにかく疲れます。心が。
『ナベちゃんのヨメ』のヨメみたいな人も、それに従順なナベちゃんみたいな人も以前知り合いにいたせいか不快度がすごい高かった。
というか、この本に出てくる人たちみんなわりと嫌いだし、最低だなーとか思う。
本の中の話と割りきれないほどリアルな会話が多いのもしんどい。
何かマイナスなことばかり書いてるけど、作品てしては面白かったです。

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投稿者：yomogi　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ある意味ホラー。人間というのはやっぱり怖い。
この本を読んでぜひ震えてほしい人たちが何人か頭に浮かんだ。

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投稿者：ME　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本の題名を見て不思議に思ったが、中の話を読んでみるとつながりのあることが分かった。ハッピーエンドではないし、続きを知りたい話もある。昔のことを根に持つ人もいるのだと考えるとおそろしい。

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投稿者：エムチャン　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

噛み合わない会話って……？と、タイトル見て思いましたが、読み終わると怖い……という感想もちました。後味は、よくないです。いじめ、の感覚につながる……とも……。いじめているつもりは、無くて、された側は、いじめられている、そういうことありますよね……