紙の本
物理&どんでん返し
2024/03/16 21:47
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理トリックをふんだんに使ったクローズドサークルもの。トリックが図で載っているためわかりやすいのもポイント。とても楽しめた作品だったのでオススメ
紙の本
【白の牢獄と化した孤館で、謎と真相に誰が殺されるのか?】
2023/07/13 18:31
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投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
天神人が統天神人が統べる月灯館に集う作家達を襲う謎の狂気に挑む物語。
所謂、ミステリーにはお約束のような展開が用意されている。
その定型に則った上で、意外性やどんでん返しを塩梅とするのだ。
七つの大罪をモチーフにした連続殺人が巻き起こる中、誰が何故、どうやって殺されるのか考察していく。
その中で明かされるは、いっそ清々しい程の絢爛豪華な物理トリック。
自虐や皮肉の中に、読者に伝えたいメッセージが隠れている。
最後の一行で謎が明らかになる仕掛けは、驚天動地に満ちていたのだ。
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久々にガツンとやられた1冊。自分の好きな要素がこれでもかと詰まっていた。それでいてあっという間に読めてしまう長さ。新本格好きには絶対手に取ってもらいたい。
ガッツリネタバレを書かずにはいられないほど興奮している。
弧木が素性を隠している(実は女では?)こと、夢川と白百合の入れ替わり(または同一人物)があるのでは、というところまでは推理できたが、まさか1人3役とは!
地の文で弧木と夢川が同時に存在しているようにミスリードしているのがアンフェアな気もしたが、視点の切り替わりに気を付ければわかることだし、明らかになった時には納得感のほうが大きく背筋がゾクゾクした。
犯人視点だとかなりのハードワークだが(笑)、そこが本格らしくてよい。
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この作者らしい、終わり方。
普通なら探偵とワトソンは生かしそうなものを、容赦ない(笑)
そしてえげつない事件現場と物理トリック。
多少無理あるか?(ドラム缶のやつとカーテン)とも思ったけど、それを実際試して証明したのね、と犯人の言い分に繋がって笑ってしまった。
雨論くん好きだったのになぁ(ちょっと疑ってたけど)
最後は名前を乗っ取ったってことだよね?
本人と顔合わせしてた編集者いるからバレそうな気もするが…そういうことじゃないのか??笑
岩手民なのでちょくちょくそうしたワードが出てきて嬉しかった。
この作者のまた違う話を読みたい。
追記
ん、ああそういうことか!
最後の1文…
1人3役してたってこと??
だからパスワードも解けない(振り)してた?
いや、でも最初会ってるよね?どゆことだ?
やっぱ2役?んんん?
読み返しまーす
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「これぞミステリの進化の系統樹の最前線にしてネオ・クラシック!」っていうキャッチ、読者をバカにしてるのかな?って思ったけど本文読んだら意味はわかった。
メタに次ぐメタに次ぐメタ、その極めつけの最後の一文。
多分最後に来るメタネタはこれだろうな…最後の一文はあれがくるんだろうな…とあたりをつけて読んでたけど当たりました。なんというか意図的にやってるネタなので途中で想像はつくし「ば、ばかにしてんのか!!」って爆笑しちゃった なんだこの小説
そしてゲットー館、って名前なのはわざとなのかな。キリスト教ネタが散りばめられている中、ゲットーの響きだけちょっとセンシティブだなと思ったので気になりました。
→…理解した…。ゲットーではなく「get館」なんだ……バ、バカミスだ!!!(褒めてる)
これまでの館シリーズにあった幻想文学的な、物理トリック×エモをもとめて読むとちょっと違うのかも。でも面白かったです。カバーおりかえしの北山先生のコメントが割とすべて。
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クローズドサークル、館もの、密室殺人、驚愕トリックがスゴイ! ド直球の本格ミステリー #月灯館殺人事件
推理小説作家たちが小説を書くために山奥にある月灯館に集まっていた。吹雪となり誰も館から出られなくなったその日、まず一人目の殺人が行われる。密室で、しかも考えられない状態で見つかった遺体。不可能犯罪はさらに続くことになるのだが、果たして推理小説作家たちは犯人を見つけることができるのか…
いくつも用意された密室殺人、凄惨な現場、そして犯人捜し。これぞ本格ミステリーですよ。登場人物もガッツリ変人、怪しい奴ばっかりで、繰り広げられる殺人劇を盛り上げます。
本作、トリックが素晴らしい!
バラエティに富んだ仕掛けをよくもまぁいくつも考えましたね、さすが北山先生。
ネタバレにならない範囲でトリックの感想としては、1つ目は正統派、2つ目はエンタメ、3つ目は超絶技巧、4つ目は目から鱗。といった感じでした。
そして大技も見事で、本書を読み終わった人は、おそらくみんな同じことをするでしょうね。
さて、本作の一番の読みどころは、テーマ性だと思っています。
この作品はジャンル分けすると新本格ミステリーになるのですが、テーマ自体も新本格ミステリーなんですよね。
自分は20年ほど前に新本格ミステリーというものに出会い、かつてない衝撃を受けました。以来、新本格の第一世代から、本格古典、海外古典と夢中になって読み漁りました。その後はカジュアルなミステリーやサスペンス、最近では理系、恋愛、青春、ファンタジー、特殊設定といった工夫が凝らされたものや、社会派ミステリー、警察小説なども大好きになっていきました。
はたして作者はいったい何を伝えたいのか…あなたはどう思いましたか?
自分なりに色々考察しましたがあえて言いませんので、ミステリー好きの皆さんにはぜひ読んでみてほしい。特に長らくミステリーを愛してきたベテラン皆さんや、本職の推理作家の皆さんの意見を伺いたいと思いました。
おそらくは今年ミステリーランキングをにぎやかにする一冊、新本格ミステリーをエンターテイメントとして魅せる傑作だと思います。ミステリーファンにはおすすめです!
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2022.12.19読了。
年末に素晴らしい作品を読めました。今年のベストはこの作品になりそう。
いろいろと想像しながら読みましたが、この真相には脱帽です。
北山先生が現在の新本格ミステリの置かれている状況を分析し、新本格への皮肉と敬意を込めた作品と言えるのではないでしょうか。
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Amazonの紹介より
あの北山猛邦が真正面から「館」に挑む正統派新本格ミステリ!
「本格ミステリの神」と謳われる作家・天神人(てんじん・ひとし)が統べる館、「月灯館(げっとうかん)」。その館に集いし本格ミステリ作家たちの間で繰り広げられる連続殺人! 悩める作家たちはなぜ/誰に/何のために殺されるのか?
絢爛たる物理トリックの乱舞(パレード)とともに読者を待ち受ける驚愕のラストの一文(フィナーレ)に刮目せよ!!
これぞミステリの進化の系統樹の最前線にしてネオ・クラシック!
悪天候や館というど定番のクローズドサークルものですが、真っ向から勝負しているかのような密室殺人とトリック、そして衝撃的な真犯人に大いに楽しめました。
読む前にですが、この小説はグロい描写があります。バラバラ殺人や血生臭い表現がありますので、ご注意を。
「占星術殺人事件」「そして誰もいなくなる」「十角館殺人事件」といった作品の要素が、チラホラあるのですが、読み応えはなんといっても密室殺人です。一つだけでも難解なのに4つの難解な密室が立ちはだかっていて、本格派から変化球まで、よく考えつくなと驚くばかりでした。
最初の方はどちらかというと正統派寄りのですが、回が重なるにつれ、そのトリック成立できる?とちょっと疑問も湧きました。
特に後半の方では、〇〇の重さでイレギュラーになるのでは?とも思ってしまいました。
そういった疑問はあるものの、それを覆すような衝撃がラストに待っていました。ただでさえ、最初の犯人当てでもどんでん返しで驚きだったのにさらにどんでん返しが待ち受けていて、ラストの一文は衝撃的でした。最初は「?」でしたが、読み返してみると、ジワジワと戦慄と寒気が走っていて、なんとも言えない読了感を味わえました。
たしかに読み返してみると、そういった解釈もできるといった発見もでき、北山さんの文章力に脱帽するばかりでした。
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雪深い館に集まったミステリ作家たちを襲う連続殺人事件。
王道パターンで始まり、密室、首斬り、見立てと盛りだくさんな中にも新本格への矜持や疑念などにも切り込み、数年後には忘れ去られてしまう作品としての自虐として瑠璃城に始まるセルフパロディもありつつ、最後の一撃はまさに十角館のそれ!
読み返したくなること必至です。
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初めて読む作家さん
読後の印象は、作家さんが言いたいことが詰まっていたのかな、でした。
最後については、序盤に服を着替える描写があるのに服装については描写しないなーと思い至ったので、個人的にはわかりやすかったかな、と思いました。
あとカセットテープの音声なのに「せいれい」が「読者」なのはわからないのでは、と少し気になりました。
ミステリーに造形が深い方や作家業に詳しい方はまた違った見方で読まれるのかな、と感じました。
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星海社とは、講談社の編集者によって設立された出版社だったか。近年はやや寡作気味な北山猛邦さんの新刊が、星海社FICTIONSから刊行された。あの北山猛邦が真正面から「館」に挑む正統派本格ミステリ! だそうだが…。
雪に閉ざされた「月灯館」に集いし本格ミステリ作家たち。派手な物理トリックでデビューし、物理の北山と称された北山さんだが、ここまでベタな設定は、デビュー初期の「城」シリーズ以来ではないか。過大な期待はせずに読み始める。
早速首なし死体のオンパレードである。現場はとりあえず密室。ちなみに今どきネットは繋がりません。ド直球と言うべきかあまりにひねりがないと言うべきか。むしろ、興味深いのは、作中の作家たちの言動やキャラクターだろう。
稼ぐために薄味の作品を濫造する、あるいは本格路線を捨て去る作家。悪いこととは思わないが。古典を読んだことがない作家。盗作を疑われた作家。新入りの作家は、なかなか第二作が書けずにいた。つい、実在の作家に当てはめてしまう。
本格なんてそんなもんさ。メタフィクション的な彼らの会話は、開き直りのようにも自虐のようにも感じられる。第二作が書けない彼は、北山さんご自身がモデルのような。もちろん北山さんは第二作を出したが、評価は芳しくはなかった。
「城」シリーズが行き詰まった後は路線変更を図った北山さん。失礼ながら、ブレイクしたとは言い難い。原点回帰なのか心機一転なのか、とにかくガチ本格に挑んだ。ご本人と星海社の意欲は買いたいが、苦しい作品と言わざるを得ない。
最後の一行に、本作の苦しさが端的に表れている。北山猛邦の一ファンである自分が、いつまでも『クロック城』の幻影を追っているのは認めよう。ネット時代に、本格一本で、況してや物理トリック一本で勝負するのは困難だ。
重鎮たちの新刊もなかなか出ないこのジャンル。令和の世に敢えて茨の道を歩む作家たちへの敬意は、忘れないようにしたい。
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ミステリー作家の苦悩が詰まった一冊。自分にとっての地雷要素がラストにあったので評価低めですが、だんだん犠牲者が増えていく展開は面白かったです。
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狐木雨論=白百合久生は気付けてニヤニヤしながら読んでたのだけど、まさかさらに=夢川蘭まで乗っかってくるなんて……
(半分だけだけど)叙述トリックがバレバレの状態で読んでも面白かったのは、やっぱり各密室に使われた物理トリックが残っているからで、そのあたりはさすが物理の北山
状況だけでワクワクさせる密室を作り出す能力は相変わらずです
密室トリックも良い意味で大味な感じとか大好き
終章の犯人の告白によると、実現可能らしいしね(笑
『「瑠璃城」殺人事件』のセルフ再利用トリックもファンには嬉しい仕掛け
物語終盤から、記憶に残る名台詞のパロディらしきものが散見されて、そこも楽しかったです
「あなたが……犯人だったんですね……」
「――狐木雨論です」
閉幕-カーテン・フォール-
みたいなね
パラパラと見返して適当に抜粋してみたけど、まだまだ自分の気付けていないネタもたくさんあるんだろうなー
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雪で館に閉じ込められ、予告通りに殺人が行われる…よーし、推理しようじゃないか、と気合いを入れる。
結果、メイド=作家夢川蘭、はすぐわかったものの、=作家弧木雨論までは見抜けなかった。
性別もかぁ。
すぐに再読。不自然なところはあるけど、成り立っている。ヒントもある。くやしい。
さらに他の方のブログを読むと、過去作のネタをわざと入れているという…うーむ、城シリーズとか読めてないからなあ。これは是非読まねば。
どなたかも書かれていたけど、安易に本格ミステリを求める読者にも強烈なアンチテーゼとなっている。トリックの焼き直しでも、どうせ忘れてるでしょみたいな。
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吹雪!密室!ばらばら屍体!
みんな大好き館もの。
ラストでうわああってなって読み返したら
違和感を覚えたところは全部ヒントだった。そりゃそうだ。