紙の本
非常にしゃれた1冊です
2021/11/09 11:42
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
80年代に斬新なヒット曲を数多く出したレコード会社・EPICソニーの歴史を振り返る1冊です。
表紙をめくってすぐの頁に、第一章で取り上げた曲全てのジャケットがフルカラー写真で紹介されています。
非常にしゃれた内容です。特に第一章で曲の音楽としての出来を追求する文章は、著者の音楽力の高さを痛感します。
ラストでは著者と佐野元春さんの対談が掲載されています。
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で重要な位置を占めるEPIC・ソニーの社長が丸山ワクチンで有名な丸山千里の長男だとは記すが、丸山千里の姪は大賀典雄の夫人だとは触れていない。従姉妹の夫が経営する会社の子会社の社長では「自由闊達な反骨精神」と反するからだろう。
確かにEPIC・ソニーで売り出していた楽曲が当時の歌謡曲や演歌、ニューミュージックとは異質だと言えるが、EPIC・ソニーの歌手がレコード大賞をはじめとする賞レースはともかく昭和後期当時はテレビに出演しない事を売りにしていたニューミュージック系の歌手みたいな「テレビはないものと思え」云々は違うのではないか?この本で出て来る歌手を知ったのは遊佐未森を除くと大体、歌番組だったし、特にフジテレビの「夕焼けニャンニャン」の放送期間限定だったおニャン子クラブは、どうなるのか?全体にEPIC・ソニーに対する思い入れが籠もった文章なので違和感を感じてしまう。
個人的には遊佐未森のファンなので、彼女が最初に所属していたEPIC・ソニーの本という事で買ったのだが、デビュー10周年記念の「遊佐未森」(そういう書名)のインタビューにはデビューした頃には「夜のヒットスタジオ」に出ていたとある。確かに彼女はアルバムのプロモーションではテレビ番組に出演するが、歌番組にあんまり出ないけれど。遊佐未森の項目には「平成の谷山浩子」と喩えているが、彼女がデビューしたのは昭和63年なので、著者が知ったのは改元してからなのが分かる。
テレ東の「eZ」はよく見ていた。PVを組み合わせただけの番組なのに、よく出来たものだ。この本で紹介されている歌手は大体、今でも活動しているけれど、ドリカムが3人から2人になったように芸能界からいなくなった人や引退した人もいるだろう。
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<「80年代」と書いて、「EPICソニー」と読む>のコピーの通り、「My Revolution」をはじめとする小生が青春時代をともにした曲の多くは、EPICソニー。スージーさんは少し世代が上なので、小生がリアルには追いついていなかった曲についてもあらためて知ることができる。そして、何より、後半の小坂洋二さんと佐野元春さんのインタビューがすばらしい。小坂さんは、美里の30年記念アルバムで語ってくれていたので、少しだけ知っていたけれど、当時の貴重なエピソード、とても興味深かった。
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同時代を歩いてきたので、とても共感しました。あの頃はとてもキラキラしてた。そんな時代のEPICソニーの楽曲はアンセムでした。
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EPICソニーが青春でした。渡辺美里が僕のアイドルでした。そんな人が他にも大勢いたのだとこの本を読んで思いました。最後に佐野さんのインタビューがありますが、佐野さんがソニーミュージックに戻ってくる(デイジーミュージックの販売を請け負う会社がユニバーサルからソニーに変わる)ことも最近ニュースになりました。わくわくしてきます。
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<目次>
はじめに EPICソニーから遠く離れて
第1章 EPICソニーの「音楽」
第2章 EPICソニーの「時代」
第3章 EPICソニーの「人」
<内容>
レーベルにはこだわらず、音楽を聴いていた70~80年代。自分が「佐野元春」にハマったのは大学生の頃か?音楽そのものにはあまり詳しくなかったので、完全に感覚だけで、「都会っぽさ」や「外国っぽさ」を読み取っていた。さらに一風堂やラッツ&スター、渡辺美里、大江千里、LOOK、TM NETWORK…。自分のツボもここだったのか、思った。後半には、プロデューサーの小坂洋二氏、そして佐野元春のインタビューも載っている。このレーベルは佐野元春が起こしたような感じだったことも知った。
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Spotifyにプレイリストがあり、実際に楽曲を聞きながら読めたのがいい。ただ、コード進行や譜割りなどを用いたアカデミックな解説は個人的にはいらないかなぁ。佐野さんのインタビューは良かった。
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1978年にCBSソニー内に設立されたレコード会社、EPICソニーは佐野元春、大江千里、渡辺美里、大沢誉志幸、BARBEE BOYS、岡村靖幸、DREAMS COME TRUEなど、80年代~90年代序盤の日本の音楽シーンを彩る多数のアーティストを輩出した。まさに80年代という時代を代表するといってもよいEPICソニーというレコード会社が、ここまで目を見張るような成果を出せたのはなぜかを、個々のアーティスト・作品の分析と合わせて、関係者らのインタビューから解き明かした一冊。
本書の半分くらいは、EPICソニーから生まれた数々のヒット曲の分析となっているが、こちらについてはさほどの面白みはない。面白いのは、EPICソニーの活動を丹念に追いながらその特徴をまとめた後半部分であり、名プロデューサーである小坂洋二と、アーティスト側からは佐野元春という両氏へのロングインタビューである。
一言でまとめればEPICソニーの特徴とは、CBSソニーの子会社でありながら、非常に高い自由度・独立性を武器として新人アーティストを徹底的に獲得・育成できたシステムにある。そしてレコードレーベルとしての音楽の共通性を「歌謡曲とニューミュージックとロックの3つの交点」であるとする。70年代の日本の音楽シーンは一般的に歌謡曲とニューミュージックに代表されるわけだが、その2つのポピュラリティを活かしつつ、新たな日本語ロックを作りたいというアーティスト側の工夫によるロックの要素が絶妙なバランスでミックスされた、という説明は非常に納得感のあるところであった。
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まず一読。そして取り上げられた楽曲たちをSpotifyの公式プレイリストで聴きながら「成る程!」と激しく首を縦に振り、膝を割れんばかり叩きながら読み込みましたとも。なにせ世代ど真ん中ですし。佐野元春のデビューに仰天し、大沢誉志幸のライヴに足を運び、岡村靖幸のファンクラブに入っていたりもする訳で、オレも。
30曲の代表的楽曲レヴュー、沿革、そして小坂洋二、佐野元春両氏のインタビューは本書ならではの切り口で読み応えがっつり。知られざるエピソードに緩む頬。大満足。
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p168 78/8 エピックソニー設立
丸山茂雄 入社10年目 邦楽部門を任される
ロックを指向していた訳でなく、ただ歌謡曲が、レコード大賞が嫌だった 経験不問 野心的な若者が採用される オフィスは新青山ビル(ツインタワー)
丸山茂雄の父 丸山ワクチンの丸山千里
p192 エピックソニーは映像だった 映像班 坂西伊作
eV エピック・ソニーのMVが流れる番組
p205 2004 CCCDの問題で佐野元春 エピック・ソニーを離脱、デイジーミュージック設立
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EPICソニーが輝いていた時代、それは日本が輝いていた時代とも言える。あのような時代が、また訪れるのだろうか?
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元春のインタビュー目当てで購入。
75年生まれ、一番音楽を聞いてたのは90年代なんでちょっとズレてるっちゃズレてるんやけど、佐野元春、渡辺美里、TM、真心、ど真ん中なのよね。レーベルとか意識したことなかったけどガチ。気づいてなかったけどスジが通ってたのか、って何かオモロい。
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先進的な音楽性により80年代の音楽シーンを席捲したレコード会社「EPICソニー」の音楽シーンや「80年代」の時代性を書いた本。
わたしは80年代生まれですが当時の曲をいま聴いたりするので興味深く読めました。
各アーティストの長年のファンや近年サブスクで聴いて楽曲に興味を持った方々にも一読の価値があるでしょう。
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80年代に環境のように聞いてきた音楽はEPICソニーの反骨精神が牽引してきたことをはじめて知った。
最後の佐野元春さんのインタビューが特に秀逸。音楽家がさまざまな人、音楽との出会いに影響され、新しく素晴らしい音楽を生み出す過程が克明にわかる。
そのような過程を文章に残せたのはスージーさんの佐野さんへの愛、音楽全体への愛の成果であり、佐野さんはその愛に答えている。
音楽には作り手とともに、愛のある聴き手がいてこそ、進化するものだと思った。
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『アンジェリーナ』、『そして僕は途方に暮れる』、『My Revolution』、BARBEE BOYS、ドリームズ・カム・トルゥーなど、80年代のキラキッラな音楽を生み出してきたEPICソニー。
名曲の分析、レーベルの歴史、プロデューサー小坂洋二、佐野元春インタビューを収録。
冒頭でそれぞれの曲を最初に聴いたときの思い出が書かれているんですが、これよくわかる。最初に聴いたときを覚えているくらいEPICソニーの曲というのは新鮮で衝撃的でした。
私の場合、『そして僕は途方に暮れる』は校内放送。クラスで一番かわいい女の子を捕まえて「これ誰の曲?」とたずねました。特別仲が良かったわけでもないのになぜその子に聞いたのか。彼女なら知ってるはずとなぜか思った。
バービーボーイズは陸上部の後輩でマネージャーの順子ちゃんが「先輩こういうの好きだと思う」ってテープをくれました。最初に聞いたのは『負けるもんか』。
ドリカムは渋地下で短期バイトをしていたときにラジカセから繰り返し流れていた『うれしはずかし朝帰り』。この時もバイト先のかわいい女の子に「誰の曲?」と聞きました。あとからわかったけど彼女がドリカム好きなんでほかのバイトくんが彼女のためにかけていたらしい。
「EPICソニーのアーティストは美男美女」というのはわりと真髄をとらえているのではないかと思います。
私にとってEPICソニーとは「おしゃれな子が聴いているかっこいい音楽」で、そのキラキラ感にあこがれた。
90年代になってキラキラ感がごく普通のものになり、J-POPになっていく過程で失われていってしまうのですが、今聴いてもやっぱり眩しいなあ。
佐野元春がインタビューで素で「キッズたちが」とか言ってるのかっこよすぎ。日常会話でキッズ言って様になるのは彼くらいでしょう。
以下、引用。
シティポップ歌謡
『セーラー服と機関銃』『約束』『ドラマティック・レイン』『初恋』
「シティポップ歌謡」を聴いて思い出すのは、82年の若者たちの見てくれである。ハマトラ、ニュートラ、プレッピー。華やかで明るい色のファッションを堂々と着こなし、ヘアスタイルは、丁寧にブローされたパーマネント
「日本の歴史上、若者が一番小綺麗だった時代」ではないだろうか。
井上大輔メロディ
『街角トワイライト』
『ZIG ZAG セブンティーン』
『め組のひと』
『ボヘミアン』
『2億4千万の瞳』
『気ままにREFLECTION』
「日本2大『あの夏のカーブ』楽曲」
『ガラス越しに消えた夏』
『夏のクラクション』
「EPICソニーの音楽家は美男美女ばかり」
80年代EPICソニーのあの音、あの世界が、時代のデフォルトになってしまった。
MVの存在も大きかったですね。EPIC・ソニーでは、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を見た丸山さんが「これで行く!」と方針を固めた。我々にとっては、テレビ局に頭を下げて歌番組に出なくても、映像表現できるツールを手に入れたということでした。
佐野元春の作品をCCCDでリリースしたいというソニー・ミュージックエンタテインメントと、佐野の間でコンフリクトが起きた。これが、佐野がEPIC・ソニー/SMEを離脱する1つの引き金となった。
当時、僕のところには、たくさんの歌詞や文章やデモテープが送られてくるんですけど、その中に、とてもユニークなエッセイのような文章がありました。書いたのは女性だったのですが、彼女に連絡を取って、何度か会ううちに「歌詞にトライする気はありませんか?」とデモテープを渡しました。この曲がTM NETWORKのファーストアルバムに収録された《金色のライオン》という曲で、歌詞をつけるのはとても難しいだろうと思っていたのですが、1か月後、私の机に、そのデモテープと「私には無理です」と記された置き手紙がありました。その女性が、現在の銀色夏生さんです。
彼(岡村靖幸)は映画好きで『ゆきゆきて、神軍』という映画に興味を持ち、私を質問攻めにするんです。また井上光晴を描いた映画『全身小説家』を、映画館で一緒に観ましたね。
自分の音楽のベースはロックンロール音楽だということ。都市の音楽。スリっ傷だらけの子供たちが歌ってダンスする音楽。とにかく街で生まれて、街で暮らすということは、子供たちにとってはタフなことなんだよね。すでにでき上がったオトナの価値観の中で生きていくということは、そこに抵抗するべきものが、たくさんあるわけなんです。それを反抗的に歌ったり、ロマンティックに歌ったり、シニカルに歌ったりするのが、ロックンロール音楽だと僕は思っている。
スペクター・サウンドの真髄とは何か。僕が思うにそれは都市の音。都会の音。街の音。ニューヨークやロサンゼルスといった街のロマンティシズムが体現されたサウンドです。人々の欲望や喜びが混じり合った混沌とした音がウォール・オブ・サウンドの真髄だと思う。
彼らにとってロック音楽はただのエンターテインメントなんだろうと思う。でもロック音楽は表現であり文化だと思っている人もいる。僕もそうだ。