紙の本
アメリカの大富豪
2021/08/15 14:17
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し冗長にも思われる。ミステリーだが、主人公の周りの人は皆よい人ばかりで、最後には主人公の推理通りの結末になる。あまり驚きが感じられない。
紙の本
美しい題名
2021/07/23 19:28
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
「花の降る午後」、「ここに地終わり海始まる」など宮本輝さんの小説は美しい題名に惹かれます。「草花たちの静かな誓い」も題名に惹かれ読み始めました。アメリカ在住の叔母から莫大な遺産を相続することになった主人公。遺産が莫大すぎて想像もつかず、また豪邸の描写も豪邸すぎて冗長に感じてしまう部分もありましたが、後半は続きが気になってテンポよく読めました。
紙の本
いつもの宮本輝とちょっと文体が違うような気がする
2021/03/11 18:25
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは著者初のミステリー小説と言われた作品だ。探偵まで出てくるのだから、確かにミステリーだ。でも、気になるのは文体がいつもの宮本輝ではないような気がすることだ。はっきりと何処がと指摘は出来ないが、何か違うような気がする。アメリカが舞台で、ミステリーだからか、ちょっと翻訳調に感じることもあった。話としてはよく出来てると思うが。
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アメリカで暮らす叔母菊枝が、日本での旅行中に急逝した。甥の弦矢は叔母の遺骨を埋葬するためロサンゼルスへ向かうが、そこで弁護士から、自分が叔母の4200万ドルの遺産の相続人となっていることを知らされる。さらに、亡くなったと聞かされていた娘のレイラが実は行方不明であり、もし彼女が見つかったなら、遺産の7割を彼女に渡して欲しいというメッセージを受けとる‥。
現実感のない額の遺産相続と、初めて知るレイラの誘拐事件に戸惑いながらも、自分のなすべきことを一つずつ手繰っていく弦矢。
菊枝の遺志やレイラの生活に必要以上に立ち入るまいとする弦矢や探偵のニコの態度が、いわゆるミステリーとは異なり、静かな物語を形作っている。
ただ、草花やスープが大事な小道具とはいえ、前半の邸宅や街の描写にやや飽きてしまい、なかなか物語に入り込めなかった。
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大きな遺産を残して急逝した叔母の遺書を見せられ、弦矢はそこには書かれてはいない叔母の願いを叶えるべく、謎解きを始める。
娘を思う母の強さ、そして、引き受けた子供を本当の子として深い愛情を持って育てたキョウコとケヴィンの強さには感服するしかない。そして、庭の草花もこの物語の中で深い意味を持っていることが最後に明かされる。。
もっと読み続けたくなるお話でした。
宮本輝の作品はやはり心に響きます。
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突然、アメリカ人と結婚した叔母から莫大な遺産を相続した弦矢。
しかし、遺言には失踪した娘レイラに遺産の70%を相続させたいという文言が消されていた。
弦矢はレイラの行方を探すことになり…
カリフォルニアの高級住宅街を舞台に、隠された過去が明らかになっていく。
どういう月末になっていくのか、気になって一気に読んでしまった。
とにかく宮本輝の作品には心根の美しい人が多い。
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久々に読んだ宮本作品 文章と登場人物が安定の良作。
豪邸や庭の描写がキーワードではあるけれど 前置きが長い感じがした
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タイトルに惹かれて手にとる。アメリカや主人公の叔母、菊枝の遺した豪邸やその庭の美しさの描写に惚れ惚れ。そして、スープがとてもおいしそうだった。亡くなったはずのレイラを探す中で深まる謎が気になって、一気に読んだけれど、わかってしまうと、な~んだという感じ。もちろんシリアスな内容なのだけど、途中からそういうことなのではとわかってしまうからの「な~んだ」という感じなのだと思う。それでも、人と出会い、自分の人生も変わっていく。人との出会いは当たり前だけれど、大切にしたいなと思わされるお話だった。
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庭園には秘密がある。そして草花には声がある。
思いもよらず莫大な遺産を相続した青年が、カリフォルニアのスーパー富裕な半島にある屋敷に渡り、叔母が隠していた、そして見つけてほしいと願っていた真実にたどり着く物語。
服装や食べ物でキャラクターとか心情を表すのが、なんて達者でいらっしゃるのでしょう。菊枝おばさんの遺したスープのおいしそうなこと。
私にも、小さな公園に桜の若木の友人がいるんだけど、今度からもっと真剣に耳を傾けてみよう。宮本輝先生が「草花は話す」とおっしゃるのだもの。
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娘を守るために、その方法しかなかったのだろうし、そしてその選択肢があったのはラッキーだったのだろう。娘のために母親がとった行動に驚いた。母として、女としての思いも複雑だった…。
前半、情景描写が多くて、少しげんなりしてしまった。
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ある日突然、莫大な遺産が転がりくむことになった小畑弦矢の心の動き、そして急死した菊枝・オルコットとの関係・人生が簡単に紹介された後、6歳の時スーパーで行方不明となったレイラ・ヨーコ・オルコットのこともその時の事実関係が書かれていた。
本来、娘であるレイラが相続するべきものであるとの思いから、弦矢の取った行動、心の動きが描かれ、彼と接触する様々な人間の事もうまく描かれていた。
とにかく読みやすいタッチで、ロサンゼルスの風景・歴史・風土・食べ物のことなど詳細に描かれていた。
今後長い付き合いとなるニコライ・ベロセルスキーのナイスガイぶりもいい感じでした。日本とアメリカ・カナダを跨ぐ人間模様、人として生まれ、人生浮き沈みがあるのだが、心優しき人々に見守られながら人は生きていくのだの改めて考えさせられました。
宮本輝さんは私より三学年上で、大阪出身の方です。ひょんなことで追手門学院大学の彼の文学館を訪れ読むようになったのです。
同年代・関西人でとっても親近感がある作家です。
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莫大な叔母の遺産を相続した弦矢が、第二遺書の真相に迫ります。というと、ミステリー色が前面に出てしまいますが、実際はもっとソフトな印象です。事実よりも、その時々の人々の心象が自然を通して美しく描かれています。叔母キクエの強さと、人生の悲しさが胸に迫ります。
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おお、新刊と購入。
読み終わってステーキが食べたくなりました。でもTボーンステーキは手に入らなかった(笑)あと、フムスってピーナッツバターも入れるのか。今度やってみよう。
裕福な叔母と遺産と行方不明になった従妹のお話。
確かにアメリカは児童誘拐多いって聞くものなぁ。でもアレは親権を持ってない片方の親が子供を連れて行ってしまうことが多いと聞いた事もあるんですが真相はどうなんだろう。
お金もちって良いなぁとも思うけど自分一人で住むなら豪邸はいらないし、庭木の世話も部屋の掃除も人を雇わなくては維持できない家なんか相続しても普通の人は困るだろうなぁ~ 叔母さんの謎は面白かったですが、それで日本に居る親族と縁が切れたのはなんとなくソウナンダーと言う感じではありました。
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久々の宮本輝さんの作品でしたが、さすが!読み始めたら止まりませんでした。レイラだけでなく弦矢も菊枝おばさんのお庭で草木と対話できたのは、祖母からの連綿と続く何かだったのかな。
ランチョ・パロス・ヴァーデス、行ってみたくなりました。
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著者には、旅行とかで外国を舞台にした作品が多々あるが、この小説は全編ランチョ・バロス・ヴァーデスというロス郊外の高級住宅地が舞台。
アメリカに住んでいた叔母から莫大な遺産を相続した主人公が、行方不明と知らされた叔母の娘を探すというミステリー仕立ての物語。
といっても、大半を占めるのは、主人公が高級住宅地を行き来する様子と、豪邸とその庭園の描写。
「良い小説は自然に非日常へ誘ってくれる」と、解説で中江有里さんが書いている。この小説も、草花が咲き誇る庭園に、読者を誘い込んでくれる。
庭園で主人公が草花たちに話しかける。
「きれいだなあ。君たちは命の塊だよ。宇宙の一員でもないし、宇宙から生まれたんでもないよ。宇宙そのものだ。君たちが宇宙なんだ。そうでなきゃあ、こんなにうつくしいはずがないよ」
「花を見ていると、心を見ているような気持になっていくの」
庭園あるいは花の文章だけでも、この本を読む価値があるのではないか。