紙の本
モノクロ小説
2019/02/14 11:11
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投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
若い人の恋愛のように、キラキラと輝き、ある種の激しさを伴う恋ではなく、穏やかで「枯れた」恋愛。モノクロ映画のような、あるいは水墨画のような・・・。あでやかな色は無いが、落ち着いた穏やかさ。
主人公の鏡子の心情には、還暦という年齢相応の「枯れ」と、まだ還暦という若さの片鱗がある。
紙の本
大人の恋愛
2021/01/17 10:19
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鏡子の絶望や孤独感と、大人の恋愛が、ゆっくりと丁寧に描かれていたが、ちょっと長かった。軽井沢付近の四季折々の美しさと大人の恋愛を、じっくりと読む余裕が、私にあれは良いんだけど。
精神科に通院歴があり、偏見で見られる場面が、一番辛かった。
紙の本
偽りを愛する
2020/05/24 06:46
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎町の文学館を黙々と管理する、幸村鏡子の立ち振る舞いが美しいです。訳ありの精神科医・高橋との燃え上がるような恋と、隠されている裏の顔に引き込まれていきました。
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恋愛ミステリーというべきか。小池真理子の世界観満載の作品だった。
還暦間近でここまで人を好きになれるのか。恋に年齢なんて関係ないというけど、年を重ねて行く上で、女としての自分に自信がなくなっていくのも事実。自分が鏡子の立場なら、ここまで行動力はなかっただろうな、と少し鏡子に感情移入できなかったところもあった。
とはいえ、ページを捲る手が止まらなかったのも確か。鈴木京香が演じる鏡子も見てみたいな。
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ぐいぐい惹きつけられて読了。
若い人が読むより同世代の方が共感得られそう。
鏡子の作るご飯とか 軽井沢の情景がやはりリアル。
それにしても「ごめん しばらく会えない」くらいのメールはできるのでは 笑
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ゆっくりと進む中で
少しずつハラハラ
もどかしく進みながら
ドキドキ
特に後半は止まらず
一気に読んでしまいました
おもしろかった
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木漏れ日の差し込む窓際から空を眺める午後、静かで孤独な、そんな印象の話だった。
途中からは、愛しく思った人が突然影帽子みたいになり、ドキドキしながら読んだ。
1500mの氷壁を滑り落ちる悪夢は、怖い。
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本を選ぶ時タイトルもかなり重要。というかまずタイトルを見て手に取る。そういう意味で言ったら私はまず手に取らない。モンローから連想するキャラが強すぎて腰が引けてしまう。たまたま時間をもてあまして図書館で読み始めたらなかなかおもしろくあっという間に読了!次の展開が気になるし、登場人物にも興味が湧くし、段々ミステリアスになるし…軽井沢を舞台にしているせいか爽やかな空気も感じる。フィニッシュはほっとした
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2年ほど前に、この小説がドラマ化したものを観て、雰囲気と内容にすごく惹かれた。鈴木京香と草刈正雄が主演の、大人のラブ・サスペンスだった。
そして検索して原作が小池真理子さんだと知って納得した。
基本はサスペンスだから内容は知らない方が良かったのかもしれないけれど、全部分かっていても充分楽しめたし、小説を読んでドラマは本当に忠実に作られていたのだと知ることができた。
軽井沢に程近い、長野県の花折町にある文学記念館で働く、もうすぐ還暦を迎える幸村鏡子。夫を亡くしたあと、精神が安定しない日々が続くことに悩まされていた。
友人に勧められ、精神科を受診した鏡子は、その病院で木曜日から土曜日のあいだ診療している高橋医師と出逢い、精神は徐々に安定してゆく。
高橋医師は週の前半を横浜の病院で働き、後半に花折町に来ていることを鏡子は知る。
とあるきっかけで2人は親しくなるのだが、高橋医師には秘密があった。
かなり厚みのある本で、冒頭不穏な空気からスタートする。そして鏡子と高橋医師の関わりや、鏡子が精神的に苦しむようになった経緯、鏡子の仕事ぶりや2匹の猫と暮らす小さな一軒家でのあれこれが、振り返るかたちで淡々と綴られたあと、不穏に始まった物語のその先が綴られ、謎が明かされてゆく。
終始不穏なのに静けさが漂っていて、ものすごくドラマティックなわけではないのに先が気になってどんどん読み進めてしまう(流れも結末も知っているのに!)。
マリリン・モンローがひとつのキーワードなのだけど、まさかこんなモチーフに使われるとは…と舌を巻く。
一時代を築いたセックス・シンボルだった彼女は、実はとても精神が脆く、長らく1人の精神科医と懇意にしていたのだという。
共依存とも思えるその関係性が、この物語の意外なところのモチーフになっている。
小池真理子さんの作品は、深みのある大人な世界を楽しめるものが多い。抗いようがなく喪われていくものだとか、哀しい愛だとか。
生きていれば多かれ少なかれ経験することだから、胸を打つのだろうと思う。
原作とドラマでは年齢の設定だとかは少し違ったけれど、ドラマの鈴木京香と草刈正雄の組み合わせが、長野の美しい風景と馴染んでいてとても良かった。
若い人の胸キュンものの作品も悪くないのだけど、こういうしっとりとした大人の恋愛ものももっと増えれば良いのにと思う。
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高橋が突然姿を消した時点からミステリー要素も加わり中盤以降ぐっと引き寄せられて行きました。
登場人物が少なく人物描写が見事でそれぞれの人物、特に鏡子の姿は絶えず脳内映像で動いていました。
皆、病んでいるけれど、1人1人に共感出来る部分もあり中盤からは一気読みでした。
最後の高橋からの手紙で全ての謎が溶け、光が見えるエピローグは読後感も良かったです。
いつもながら丁寧に繊細に描かれた一分の隙もない作品で読み応えがありました。
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残りのページが3分の1くらいのところで話が急展開します。(それまでは、主人公が自分の言動、それに対する主治医の言動に一喜一憂する様子が延々と続きますが、私自身も主人公と同じような思考パターンなので、共感しながら読みました。)
心のバランスを崩しながらも真相に迫っていく主人公の行動力には目を見張るものがありました。
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『水曜日だった。』
甘い水曜日、心踊る水曜日、彼とのいつもの逢瀬の水曜日・・・のはずだった。
が、彼は来ない。連絡もなく姿を消し、鏡子は戸惑うところから、物語は始まる。
早く謎を解きたくて、心急く。
しかし、サスペンスらしい巧みな心理描写に魅せられ、美しい情景、美味しい食卓、等、じっくりと読みたくもあり、のジレンマ。
『アイガー北壁の、氷の壁に囲まれた狭い穴を一五00メートルにわたって落下していく恐ろしいイメージの話や、うまく言葉にできない寂寥感、孤独であることを受け入れ、それを愛してさえいるにもかかわらず、時に痛烈に打ちのめされてしまう自分自身の弱さを・・・』
ヒリヒリと伝わる心理描写、また、数多くの伏線にニンマリ。
なんて素敵な小池真理子さんと知った。
しっとりとした大人の恋情の余韻に浸った。
ただ、全ての謎の動機となった人物像に少々落胆した。
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面白かった。
主人公の心理描写もよかったし、「彼」はいったい何者で、何を抱えて生きて、何故失踪したのか。
この先どうなっていくのか。
うまくストーリーに引き込ませてくれたと思う。
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還暦も近い男女の秘めやかな恋物語…という単純なものではないミステリーだが、女性の心模様が軽井沢近くの情景の中で、きめ細かく綴られていく。
初めて彼に触れられた時、口づけを交わした時、それぞれがとても自然で心ときめかせる。
精神科医として知り合った彼は何者だったのか⁈
なぜ突然姿を消したのか?
そんなミステリアスなストーリーの中で、大人の恋を楽しみました。
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2022.06.23.読了
心に響くというか肌にあうというか、小池真理子さんの作品は染み渡るなぁ。
おとなの恋愛を描いたものではない。
人を描いた作品。
また、小池作品、買おうっと