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商品説明
【芥川賞(156(2016下半期))】19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため北を目指す。辿り着いた先の〈谷〉では、俳優や脚本家志望の若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた…。文学界の異端者が自らの原点を描き出す。『新潮』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
十代の終わり、遠く見知らぬ土地での、痛切でかけがえのない経験――。19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いたその先は【谷】と呼ばれ、俳優や脚本家を目指す若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、【先生】との軋轢、そして地元の女性と同期との間で揺れ動く思い。気鋭作家が自らの原点と初めて向き合い、記憶の痛みに貫かれながら綴った渾身作!【商品解説】
収録作品一覧
しんせかい | 5−129 | |
---|---|---|
率直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺をしたのかどうか | 131−163 |
著者紹介
山下澄人
- 略歴
- 〈山下澄人〉1966年兵庫県生まれ。富良野塾2期生。劇団FICTIONを主宰。「緑のさる」で野間文芸新人賞を受賞。ほかの著書に「壁抜けの谷」「鳥の会議」など。
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紙の本
ただただ、自然である
2017/03/07 20:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TTT - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は比較的受け身のまま生き、それをいいとも悪いとも思ってはいないようだ。
ただ「ぼく」と「他者」がいて何か話したり感情をぶつけているけれど、そんな状況を「ぼく」はただみているだけ…。
「ぼく」のことであってもまるで2階の窓から見下ろしているだけのようにみえる。
そのため主人公の心理はなかなか読み解きにくいが、彼の周りにいる人たちの気持ちはなんだか分かる気がした。
自分だって彼のような人物がいたらきっと、面白いと笑ったり、イライラしたりしただろう。
読み終えて、これが自然ってものなんじゃないだろうか、と思った。
我々がスミトをみるように、あるいはスミトが我々をみるように、富良野に限らず自然に対しては、ただそういうものが、そういう風にできていると考えざるを得ないんじゃないだろうか。
表現に関して改めて文学の自由さと可能性を感じただけでなく、あるがままのヒト、を見せてくれた稀有な一冊である。
紙の本
彼の言いたいこと
2017/07/01 10:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomtom - この投稿者のレビュー一覧を見る
山下澄人の小説を読んできて、やっとこの『しんせかい』に追い付いた。これが一番読みやすいと思う。作者には珍しく、人称が移動しないからかな。
そして、「しんせかい」のラスト(これには笑ってしまった)ともう一篇「率直に言って~」については、著者の言いたいことが凝縮されているのではないかと感じた。というか、"らしさ"が溢れている。
併録の「率直に言って~」の方が好きかもしれない。「しんせかい」の前日譚、スミトが東京で面接を受ける前の日の晩の話である。
あの記憶、実際にあったのか夢だったのかよく分からない、みたいな感じ。
紙の本
川上弘美は「口ごもる」と評価している
2017/04/13 05:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第156回芥川賞受賞作。(2017年)。
受賞の報道などで周知だろうが、作者の山下澄人氏は脚本家倉本聰氏が主宰した「富良野塾」の2期生で、そうなるとこの作品に出てくる【先生】は倉本氏のはずで、どこまでが実体なのか興味はあるが、それが作品の評価に当然ならない。
ただ、読む前の興味としてはすごくあった。
ここに書かれているのが事実なのか、山下氏は受賞後のインタビューで「記憶にあることを使ったというよりは、ないことを足がかりにした」と述べている。
この作品の評価はすこぶる低い。
選考委員が十人になって伯仲したかというとどうもそうではないようだ。
「今回はまったく刺激がなかった」と選評で書き起こした村上龍委員は、この作品の受賞が「熱烈な支持も、強烈な拒否もな」かったと書いている。その上で、「つまらない」と断じている。
さらに宮本輝委員は主人公の青年の寡黙さは語彙不足で「それはじつは作者その人の語彙不足なのではないか」とまで書いている。
私はそれでもこの作品は面白く読んだ。
19歳の、なんの目標もない、浮遊物のような青年がひょんなことから演劇の道にはいっていく。その【谷】での生活は、あの青春という時期でしかたどり着けない空間であったと思う。
その点では吉田修一委員の「一流の青春小説」という評価に近い。
ただ、文体のあちこちに【先生】である倉本氏の代表作「北の国から」の主人公純の口ぶりのようなものがあって、いささか苦笑してしまった。
紙の本
純文学とは?
2017/02/13 21:18
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は、倉本聡氏が主宰の「富良野塾」二期生。その入塾から一年間を綴って芥川賞に輝いた訳だが、正直、何が言いたいのか。演劇修行でもなく、あやふやな記憶を繋いだに過ぎない。純文学とはいったい何か。解らなくなる。要点をつかんでコンパクトに書くのが名文と捉えるなら、ダラダラと取り留めもなく続く文体は、駄文としか思えない。
紙の本
芥川賞って・・・
2017/02/11 21:58
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
火花の時以上に、困ってしまいました。おもしろくないとは言いません。でも、そんなにすごいんですか?絶賛している方もいらっしゃいますが・・・。この程度で、芥川賞が取れてしまう・・・。そして、どんどん売れて、ドラマや映画になっていく・・・。割り切れないなぁ。芥川賞を取っていなかったら、まあまあおもしろいですよって、人にも勧めたかもしれません。
紙の本
残念
2019/02/28 23:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:千那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家が自らの原点と向き合い、痛いに貫かれながら綴った渾身作!・・という割に
は、今作品の魅力が低すぎる。もう読もうとは思わない。ただの自分すごいだろ、読
んで!作品かな。