紙の本
狡猾で家族愛に植えた犯人を追う
2023/05/14 18:32
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
正体不明の犯人を追う、特殊技能を得てしまった刑事の追跡劇を描く極上のサスペンスミステリーだった。事故により右眼の視力を失った女性刑事、事件により右手に障害が残ってしまった刑事、そしてやたら現場に立ちたがる新任キャリア署長の3人がタッグを組み、未解決事件に挑む設定は、とても面白く、デビュー作とは思えない(そして作者は同世代だ)。多くの人を殺害する犯人の真意はわからないが、家族を求め続けた孤独な獣ような人だ。家族に癒しだけを求めてはいけない、家族の持つしがらみを受け入れることが必要だったのに。
紙の本
未解決事件を追う
2023/09/12 19:20
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
事故で右目視力を失った女性警官、怪我で握力が戻らないベテラン刑事、それとキャリアで署長として戻ってきた警部補の三人で未解決になっている事件を追います。
きっかけは女性刑事冴子の特殊能力の発現から。ここはちょっと刑事ものとしては卑怯な気もしましたが、まぁこの本の肝なので仕方ない。
万能でない所があるので勘弁してやろ(笑)
この特殊能力で得た情報から芋づる式に過去の未解決事件につながります。
犯人がさ、結構キモイ感じなので、そこはそれ楽しんで。
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変わった設定だけれど読み進めるうちに馴染んだ。キツネを追いかけるシーンは手に汗握る。航が一家殺害の事件に拘った理由や弓削の事件は次に繋がるのかな?続きを期待したい。
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サイコな力を得て事件解決する物語
話のテンポや展開が速く楽しく読めた。
超能力の展開が消化出来れば、お勧めかも。
シリーズ化も行ける。次も手に取りたい。
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事故で失明した右目に三年前の映像が見え始めて… 特殊能力で未解決の事件を解決できるか #キツネ狩り
■あらすじ
主人公である女性刑事の尾崎は、三年前の事故で右目の視覚を失っていた。ある日、その右目に三年前の過去の映像が見えるようになり、自身の事故の真実を知ることになる。これをきっかけに、過去の重大な未解決事件に挑むことになるが…
■きっと読みたくなるレビュー
エンタメ感、抜群で面白い!
特殊設定もシンプルながらも、まさに目の付け所がいいね。これ映像化すると、かなり迫力があって面白味のある絵になりそうです。
事件を解決していくプロットがめっちゃ上手なんですよね、新人先生とは思えない。特殊な捜査のシーンでは臨場感の表現がエグイし、それを見ている主人公の激情ぐあいもよくわかる。
こんな魔法のような能力でも、簡単に解決ができないリアルさも納得性が高い。良く工夫されてました。想像力と読者を引き込む力が素晴らしかったですね。
もう一回くらい展開あっても、まだまだ読めそうでしたが欲張りは禁物。でも続編に期待しちゃいます。
登場人物もイイですね~ こちらも魅力的ながらも比較的わかりやすい人物像ばかり。
主人公も仲間の刑事も犯人も、背負ってきた過去や葛藤などもバランスが取れていてお上手でした。
推しはおっさん刑事の弓削ですね。これまでひたすら現場で事件に向き合ってきたベテラン刑事。
時代が進み自身の価値観とズレが出始めていながらも、犯人と犯罪を憎む熱い魂と、仲間を思いやる気持ちは純粋でしびれる。私も年齢を重ね、優秀な若い世代と仕事をしているので、気持ちが分かるなぁ~
人を深堀って物語に厚みをだすのも、もっともっとできると思うので、これは続編を読みたい!
■きっと共感できる書評
ドキュメンタリー映画監督、ノンフィクション作家の森達也先生からの引用です。
ほとんどの犯罪は三つの不足から起きる。
幼年期の愛情不足、成長期の教育不足、現在の貧困。それを補うのが社会の役割であり刑罰。
様々な社会問題に切り込んできた人の言葉は的を得ています。自分が特に大事だと思うのは後半で、我々の役割という部分。
本作の犯人が最後に出たセリフは、ただただ私の胸を虚しく打ちました…
犯罪抑止について社会の仕組みがまだ足りてない。まずは手を差し伸べるところから始めないといけませんね。
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第9回新潮ミステリ大賞受賞作。
最近はこの様な特殊設定ミステリが流行っているようだ。
主人公の尾崎冴子刑事。3年前事故で婚約者と、右目の視力を失うが右目が突然見えるようになる。しかし見えるのは3年前が見えているのだった。
この能力を捜査に生かし、新たに作られた継続捜査支援室員として未解決事件の解決にあたる。最初の事案は一家四人殺害事件であったが、その事件は3年前の事故に繋がるものだった。
この小説も特殊設定であるが、色々な制約が上手く作られており、読んでいて御都合主義的な話にはならない。
次々と展開する話や新たな事件もあり話の流れも面白かった。
ただ、犯行の動機であるが、小説のラストを読んでいたのが、たまたま偶然にANA鬼滅の刃ジェットに搭乗している時だったこともあり、既にアニメとして放映された〇〇編と被るなぁと…。
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文章にメリハリがあり非常に読みやすい
自分的には『このミス』1位でもいいくらい
続編が出たらいいなあ
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斬新でトリッキーな設定でありながら、違和感なくこの世界に没入出来た。
警察官の尾崎冴子はバイク事故で右眼を失明したが、それと引き換えに3年前の光景を映し出す能力を得る。
その特殊能力を使い、署長の深澤と弓削警部補とでタッグを組み、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出す。
冴子の右目に映し出される殺害現場が自分の脳内映像となり壮絶さに息を呑む。
SNSに悪質な動画を上げる輩に怒りを覚えながら私もキツネ男を追い続けた。
第9回新潮ミステリー大賞受賞、選考委員満場一致に納得。
社会問題を絡めた重厚なミステリーを堪能した。
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設定が生かし切れているのかどうか。その評価は難しい。長くなくてよい。3人の登場人物に1話ずつくらいのシリーズになったら。
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面白いことは間違いないのに、なぜが読むペースが上がらなかった作品でした。何故だ…笑
クライマックスで右眼の能力を活かした演出があればもっと面白かったかも?
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3年前にツーリングの事故で婚約者を亡くし自分も右目を失明した尾崎。ところがその目は不思議な力を宿していた。尾崎とかってチームだった上司弓削とキャリアの深澤は彼女の3年前の出来事を見る力を生かして捜査にあたる。公に出来ない力を隠し、動画サイトから事件に迫っていくのがもどかしいながらもハラハラしながら一気読み。面白かったです。
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サイコ?超能力モノ?事故で片目を失った刑事が、ある時、失ったその目でリアルな事件現場を見て犯人を確定すると言うもの。
犯行現場の描写は、読んでいても気分悪くなる程。中半からはリズムも良くなり一気に終盤か、と期待したが、惜しい結末だった。
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映像で見てみたいが、クオリティ高くないと、逆に興ざめしそうな気もして、やっぱりこういう世界を表現できる小説は楽しい。
N県最大の都市、登坂の警察署に勤める尾崎冴子、バイク事故で視力を失った右眼が、3年前の光景を映し出すようになった。尾崎は、ベテラン刑事の弓削と組んで、3年前の一家惨殺事件の犯人を追う。
尾崎は、3年後に訪れたバイク事故の現場で、婚約者が運転し、自分が後ろに乗っていた事故のようすが右眼の前に映し出され驚く。そして、事故の原因がイタズラでバイクの前に障害物を飛び出させたことだったことを知る。音は聞こえない、関与はできないが、右眼の前で進んでいく光景から目撃した手がかりで、犯人が逮捕される。
障害物などの現実世界を見るために、左眼の同時稼働が必要だが、両眼からの情報を処理するには、脳に相当の負荷がかかる。そして、右眼の前の光景には手を出すことも、話しかけることもできない。そして、そんな能力で得られたと証言しても、裁判の証拠にならないだけでなく、能力を知られると大騒ぎになることは確実で。そんな制約の中で、どうやって過去の事件の犯人を探し出し、追い詰めるのか。ページをめくる手が止まらない。
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主人公・尾崎冴子の右眼は3年前の過去を映す。深澤や弓削と一緒に右眼を使用して、3年前に起きた未解決事件「登坂市笹塚一家四人殺害事件」の凶悪犯を炙り出そうとするが上手くいかない。尾崎と犯人、互いの急所に喰らいつこうとする展開はまさに狩りそのもの。ぞくっとする薄気味悪さがあるが、3年前の犯人を傷つきながらもがむしゃらに追いかけたり、犯人との格闘場面などの熱い展開にビリビリした。終始ハラハラ、ドキドキが止まらず、次はどうなるんだろう?と気になって頁を捲る手が止まらなかった。ラストで「えー!?ここまで来てそんな…」と思ったが、尾崎の悔しがる姿がまるで獲物を逃した獣の姿にみえ、この描写を作者は書きたかったからこの結末にしたんだろうなと納得。息もつかせないこの作品は、映画・ドラマ化すると面白いと思う。
というか、是非して欲しい!これがデビュー作なんて嘘でしょう!?と叫びたくなる程、満腹感があった。末恐ろしい。今後の作品にも期待したい。
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キツネ狩りの“キツネ“とは一家4人殺人事件の犯人の事。犯罪者にとって,警官尾崎の右目は真実を暴く恐怖の目。放火で証拠隠滅を謀り,サイトに動画を送る,犯人の行動の矛盾は人間の悲しいサガ。