紙の本
沈むのは日本?
2022/02/07 21:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国はそのうち勝手に沈んでいくという右派の人の意見は、30年ぐらい前からあったと
思うが、最近の韓国と日本を見ていると、沈んでいくのは日本のような気がしてきた
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著者の学者伝記&韓国を冷静な目で見た そういう1冊です
2022/03/14 12:03
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
全般的に、著者が学者としてどのような人生を歩んできたかを基軸に話が進んでいます。そして一方で、著者が韓国という国を極めて冷静な目で見て、分析しています。
どうしても日本人は韓国を感情的な目で見てしまうきらいがあるので、当書で冷静な目で韓国を分析するいい機会になる1冊と言えるでしょう。私も良い機会を当書を読むことで得られたと思います。
また、特に前半が著者の学者伝記です。学者になりたいと希望する方々に、学者として生活する術を学べる機会にもなる当書です。
しかし、『韓国愛憎』というタイトルは、壮大なタイトルを名付けたな、と思いました。
紙の本
韓国という国は、すきだけど腹が立つ国です。
2022/01/19 10:42
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投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国語や韓国の文化など日本と似ているところがあり、韓国のドラマや時代劇は面白いです。食べ物も美味しいです。しかし、政治的には、腹の立つ国です。もしかしたら、韓国人もそう思っているかも知れませんね。本書は、その内実の一端を教えてくれるものです。
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韓国研究の第一人者になった木村幹の30年に及ぶ体験を綴ったもの。その間に韓国は発展途上国から今は日本を抜く先進国となった。それにつれて、対日本への態度も変わってきた。それに日本が上手く対応できていないのか。個人の経験の話は読んでいても面白く、なるほど研究者はそのようにして成長していくのかと思った。
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2022年1月25日(火)ブックスタジオ姫路店で購入し、同日読み始める。
以下、読書しながらのメモで編集中。
なるほど、木村先生はこういう文章を書かれるのか。ものによって文章は書き分けるのだろうけど、こういう文章も書けるのねと。その人がどんな人かにもよるだろうし、どういう書き方、語り方、あるいは描き方をするかにもよるだろうけど、人のライフヒストリーっておもしろいもんだなと。
8-9頁のBLCブーム。BLCブームもBLCがBroadcast Listeningの略であるというのも(どこかで読んだり聞いたりしたことがあるような気がしなくもないけど、仮にあったとしてもすっかり忘れていてぱっと目にしても思い出せない程度のものだったので、認知の上では知らないと言うに等しく)初めて知った。ラジカセの解説をわざわざしてあるというくだりがtwitterで話題になっていたのは目にしたけど、BLCブームは解説されなければぱっと見ただけではわからなかったかもしれない。まあ、わからなければ私は辞書を引くか検索をするかするけど。
ラジカセとその解説、9頁に出てきた。
10頁、二世帯住宅と新聞を3紙とっていたという話。うちは二世帯住宅ではなかったけど、商売をしていた関係もあってか新聞はだいたい2紙とっていた。いまは独居で高齢の母だけど、少なくとも去年までは新聞を2紙とっていた。新聞の発行部数と世帯あたりの部数の推移は関心がある。ちなみに1979年は、日本新聞協会が公表しているデータによれば、1965年以降で世帯当たりの部数がもっとも高かった年で1世帯あたりの新聞発行部数は1.3。
14頁から。高校受験、大学受験、浪人生活と話が続く。このあたりも木村先生の思想形成、人格形成に少なからぬ影響をおよぼしたということなのかな。
「さて、そろそろ「韓国はどこに行った」という読者の声が聞こえてきそうなので、先の話を急ぎたい」(16頁)で少し吹いてしまった。まだ、聞こえてはいないんだな。なかなかユーモアがある。
それにしても自分語りができるというのは、ある種の才能だよな。まあ訓練をすればだいたいの人は自分史らしきものを書くことができるようになるのかもしれないけど、他人が読んでおもしろいと思えるようなものを書けるかどうかっていうのは、たんに自分の過去をまとまりのある文章にするだけのこととは違う能力であるように思う。それって、たとえば「ソウル五輪のプレ大会とも言えるアジア競技大会についても、「うまくできるはずがないのではないか」とやや冷めた気持ちで、京都国立博物館すぐ裏の安アパートでラジオ勧告に耳を傾けていた」(22頁)の最後のところなんかに表れているんじゃないかなと思う。
おっと、これはまえがきだったのか。もう第1章を読んでいるつもりでいた。そしてまえがきの終わり方がけっこう唐突だな。
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1980年代末、途上国の韓国に関心を抱き、今や研究の第一人者となった著者が、自らの体験から描く日韓関係の変貌と軋轢の30年史
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とても面白かった。
木村先生のことは、日韓関係が本格的に衝突し始めたここ数年で知った。
とはいっても、Twitter芸とオリックスファンであることくらいしか存じ上げなかった。
また後で書きます
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韓国地域研究者の半世紀にわたる自伝。読み物として面白い。韓国との付き合い方、距離の取り方がいかにもノンポリ世代という感じで、淡々と、そして冷静に韓国政治や日韓関係の推移を記述していく。また日韓歴史共同研究の経緯についての記述は後世の史料ともなりえる。
欲を言えば、(書くのも辛いことかもしれないが)著者が病気で辛い思いをしていたときの状況をもう少し書いて欲しかったのと(体験談を読んで救われる読者もいるかもしれない)、ポリサイ連中とのコミュニケーションのとれなさや彼らから受けた仕打ちについてももう少し書いてほしかった。
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2022.1.25 中公新書 発売
中公新書にしては珍しい日記のようなスタイルで、いつもの硬派なイメージとはまた違った印象。
内容に関しては、海外をまたにかける最前線の研究者が実績や実体験を持って、韓国と日本の関係を紐解く。
なかでも衝撃だったのは「日本が経済発展していて見習うべき国」から「衰退している国」と烙印を押す・無関心になる人も増えてきていることである。
日本がインターネットで拾えるいつ・誰が・情報ソースもない韓国を叩いている間に、どんどんと成長していることを学べた。
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大変謙虚な感じのする著者が、いささかの躊躇とともに、近現代の韓国史を研究してきた個人史を語り、同時に、この30年ほどの日韓関係を著者の目から解説する。研究者として、嫌韓的な言説からは距離を置く一方、日本国内の韓国に対するステレオタイプな見方を諫め、さらに、欧米における日本や韓国への関心の変遷といったものまで著者の経験として語られており、とても面白かった。
本論とは関係ないが、日本の学界において、他の研究者の研究方法や研究内容についての全否定的な言説がまかり通っていることには、少々衝撃を受けた。
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「政治」と学問としての「政治学」がどれほど違うわかる。日韓関係の変遷もざっと知る事が出来た。対外的に熱くなりたくないので読んでよかった。
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ここ30年で激変した日韓関係。韓国研究の第一人者の立場から振り返る。
日韓関係の激変。韓国にとっての重要度が下がると共に日本の位置も低下していく。戦後レジームの見直しなど。
日本が思っているほど韓国は日本に関心がないし逆もまた然り。
なので、実は大統領の支持率に日韓関係は影響しないという。
おそらく戦後最悪の日韓関係。本書にはわずかながら希望があるように思えた。
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韓国研究の第一人者である著者がその半生を振り返りながら、この約30年の韓国、日韓関係の変貌を語る。
韓国、日韓関係についての知見を得るだけでなく、政治学の一研究者の個人史としても非常に興味深かった。
先入観による決めつけを排するといった著者の学問・研究や歴史認識問題への姿勢はとても誠実で、共感を覚えた。
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p133 北朝鮮に関してはその後、拉致被害者の帰国があり、やがて日本政府による経済制裁が開始された。ただ経済制裁の効果には懐疑的だった。ナポレオンによる大陸閉鎖以来、国際社会で経済的圧力のみで他国を屈服させることは難しいことはよく知られており、まして国際社会全体でなく一部の国のみによる経済制裁では、抜け道が多いことは明らかだったからだ
p146 昼間の情報番組で韓国情勢の説明のために出演した私は、なぜ盧泰愚政権が領土問題で強硬な姿勢を見せるかについて、ひとしきり説明した。そうすると、あるタレントがこういった。「私は韓国のやり方が納得できません。先生もそう思いませんか」「「知らんがな」という言葉がでかけてあわてて口を噤んだ
p147 世の中のあらゆる現象にはそこに至る原因があり、その原因を理解しなければ、問題は何も解決できない。両者を区別できない人が多いのは困ったことだな、とも思ったものの、同時にこれらの書き込みのなかには、誹謗中傷としか言いようのないものも数多く含まれていた。正直、それらを目にするのは、ただでさえ精神的に不安定な状態にあった当時の私には大きな負担になった
p148 情報番組に出演してわかったことは、多くの人々が求めているのは学術的で、分析的な説明ではないことだ。視聴者が求めているのは、自らの感情を満足させる発言であり、それに反する発言には聞く耳を持たないのみならず、ときに強く反発する。わたしは次第に諦めに近い感情が強くなり、少しづつテレビ番組から距離を置くようにした
p193 ヨーロッパでの討論のメモ
あなた方は中国の台頭は大きな脅威ではないと言う。しかし、にもかかわらずロシアについては安全保障上の深刻な脅威だと主張する。しかし、日本では逆の状況がおこっている。安倍政権は中国に大きな警戒を見せる一方で、ロシアのプーチン大統領とは密接な関係を保とうとする。結局その違いとは、モスクワと北京とがわれわれとの間にどのような地理的関係にあるのかの違いでしかないのですか
p195 ある文書が竹島や尖閣諸島について日本の領有権の存在を示すものであるか否かを考える上ででは、文書に何が書かれているか以上に、書かれている文章をどのように解釈すべきの方が重要になる。江戸時代以降、今日のような主権国家や国境に関わる明確な意識を持たなかった時代に作られた文献をどう解釈すべきなのか。だから、私は一定の留保をつけてしか議論できなかった
にもかかわらずこれらの研究会で求められたのは、日本政府の主張をサポートする方向での議論だった。もちろん、日本政府が、韓国や中国、さらにはロシアとの間の領土問題で、自らの主張を強化する材料を求めることは重要である。しかし、研究者のとってより重要なのは、自らの集めた史料や分析結果に忠実であることであり、単純で明確な結論に踏み込むことは時に容易でない
p199 重要なのは、自らの主張に都合のよい証拠を並べることではない。むしろ都合の悪いように見える証拠を真摯に検討し、自らの主張をアップグレードすることが必要だ。しかしながら、少なくとも私の目には、人々はむしろ自らのこれまで��主張に過度に拘泥し、結果として柔軟性と説得力を損なっているようにみえた。専門性のある人達はたくさんいるのだから、彼らの知見をうまくつかえばいいのに、そんは思いをすることが多くなった
p203 彼らは2006年には「親韓派の巨頭岸信介の孫としての安倍に一方的に期待した。それが2012年には民族主義者として安倍への警戒に変わった
安倍晋三に対する韓国の論調の背景には、この6年間で国力に自信をつけ、かつてはっきりと物事をいえなかった日本に、明確にNOを突きつけたいという韓国側の思いが表れているのではないか
p205 日韓両国政府、国際社会が注目した慰安婦合意は、韓国社会でどれほど不人気でも、大統領や与党の支持率に影響を与える存在ではなくなっているのだ
p208 SNS
彼らが欲しているのは、韓国にとって都合の悪い話であり、だからその根拠となる情報だけを求めている。韓国を嘲笑すること自体を目的に情報収集しているからなのかもしてない。実際には韓国には韓国の事情があり、人々の行動にも理由がある。しかし韓国を見下し、超硝したい彼らにとっては、韓国の人々の行動に合理的な理由があっては困るのかもしれない
p220 つまり元慰安婦の経験、元慰安婦の意思と、ひとくくりにできるものは存在しないのだ。;;
実際に存在するのは、個々の慰安婦の経験や意思だる。その一人ひとりの経験や思いこそが、歴史認識問題のなかで本来、考慮すべきものなのだ
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歴史問題は昔からあると思っていたが、二国間関係が厳しくなってきたのは韓流ブームが終わった2000年代後半。その原因は韓国における日韓関係の重要性低下にあるという指摘が興味深かった。2015年の慰安婦合意直後、大統領支持率は上昇した。