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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/07/07
- 出版社: 中央公論新社
- サイズ:20cm/268p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-12-110140-2
読割 50
紙の本
戦争とデータ 死者はいかに数値となったか (中公選書)
著者 五十嵐元道 (著)
【大佛次郎論壇賞(第23回)】惨劇の実態を、どのように把握するのか。200年に及ぶ戦争の歴史を辿り、主権国家や国際的ネットワークが統計学や法医学の知見から算出する世界を描...
戦争とデータ 死者はいかに数値となったか (中公選書)
戦争とデータ―死者はいかに数値となったか
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商品説明
【大佛次郎論壇賞(第23回)】惨劇の実態を、どのように把握するのか。200年に及ぶ戦争の歴史を辿り、主権国家や国際的ネットワークが統計学や法医学の知見から算出する世界を描く、もうひとつの戦争史。【「TRC MARC」の商品解説】
戦争全体の把握にはデータが肝要だ。特に死者数のデータは、戦争の規模、相手との優劣比較で最も説得力を持つ。ただ発表されるデータが正しいのかは常に疑念があるだろう。ウクライナ戦争での戦死者数についても、ウクライナ、ロシア双方から発表される数字は異なる。では、そうしたデータはどのように集められてきたのか。
戦場での死者数は、総力戦となった第1次世界大戦以降、国家による将兵だけの把握では難しくなり、赤十字国際委員会、国際連盟といった国際機関が介在していく。しかし第2次世界大戦後、特定地域での内戦・紛争・ゲリラ戦が頻発。政府側・反政府側で異なる数字が発表されていく。大国間対立で国連が機能不全に陥るなか、国際的な人道ネットワークが、先進各国や国連の支持を受け、死者数の調査・精査を行い発表していく。
本書では、特に1960年代以降のベトナム戦争、ビアフラ内戦、エルサルバドル内戦から、第3次中東戦争、イラン・イラク戦争、旧ユーゴ紛争、そして21世紀のシリア内戦、ウクライナ戦争を辿る。その過程で国際的な人道ネットワークが、統計学や法医学の知見を取り入れ、どのように戦争データを算出するようになったか、特に民間人死者数に注目する。また、データをめぐる人々の苦闘にも光を当てる。【商品解説】
著者紹介
五十嵐元道
- 略歴
- 〈五十嵐元道〉北海道生まれ。英サセックス大学国際関係学部博士課程修了(D.Phil)。関西大学政策創造学部教授。専攻は国際関係論、国際関係史。著書に「支配する人道主義」など。
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紙の本
まさに「戦争とデータ」を語る本
2023/08/23 13:53
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争では何人が死んだ、というデータはつきものだが、その出どころやどうやって出されたデータかにまで心を寄せて、報道を受容している人は少ないだろう。本書は、戦争全体を把握するために必要なデータ収集がどう行われ、そのデータがどこまで実際の現象を反映しているか、について論じている。
確かに「世界のどこかで誰かが戦火に苦しむなか、そのデータは誰かが体験している戦争をどこまで性格に表象しているのか」という著者の問いには共感する。
非常に細かく具体的な事例、データ収集の実際、人道的なネットワークの活動などが紹介されているが、
結局、戦争データというのはそれ自体が生成が困難であることがよく分かる。そしてわれわれ、その示されたデータを見る側のリテラシーが求められているのだと再確認させられる。