東海道五拾三次 描かれた人々の「声」を聴く ＮＨＫ浮世絵ＥＤＯ−ＬＩＦＥ

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この本は、歌川広重の浮世絵に何が描かれているかの解説と、そこからイメージされる短編小説、東海道歩きのコラムなどで成り立っていて、全体として江戸の昔に生きたごく普通の人々の旅や宿場での生活を知ることができる本です。
とりわけ、浮世絵解説の後にある短編物語が想像力を掻き立ててくれました。
絵に描かれた人物などをモチーフにした粋な物語の数々が、読者を広重の世界に引き込んでくれます。
これにより、浮世絵解説の内容が生きた知識となってスッと頭に入ってくると同時に、それぞれの絵が紙芝居のようなドラマを持っているように感じました。
この時代の感覚が現代に生きる自分のDNAにも染みついているのでしょうか。江戸時代が身近に感じられるようになりました。
また、東海道歩きのコラムも読みやすく、現代の東海道で江戸の名残を見つけたくなってきます。

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NHKで放映中の浮世絵番組「浮世絵EDO-LIFE」からの書籍化。
歌川広重の出世作にして代表作の東海道五十三次。浮世絵に風景画としてのジャンルを確立させた言わずとしれた傑作。
本書では、まず、そのその絵の中に描かれたディティールに注目して江戸時代の風俗についての解説、そさて東海道五十三次について過去と現在を繋ぐのコラム、そして浮世絵に描かれている登場人物にフォーカスしそこからイメージした短編の物語が13編収められている。
広重の東海道五十三次についてはこれまでにも数え切れないくらいの書籍で書かれているが、短編小説が加えられているところが面白い。作品は元々のコンセプトがデレビ番組なので読みやすくそして非常に脳内映像化しやすい。

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この本には200年も前の市井の人々の生活が生々しく描かれている。それはまるで全55枚の絵からその中の人物たちが動き出したかの様だった。
美しいカラーのページをめくるとモノクロの同じ絵に細かなティディールの説明がついていてとてもわかりやすい構成となっている。目次には地図と共に53の宿場と絵が載っていて、読み進みながら何度も確認し、東海道を旅する気分を楽しむ事ができる。
13話の物語はフィクションでありながら、登場人物の心情がとても丁寧に描写されていてどれも面白く引き込まれる。江戸の時代にタイムスリップできる一冊です。