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商品説明
市長肝いりのIターンプロジェクト。公務員たちが向き合ったのは、一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった−。連作短篇集。『オール讀物』掲載他に書き下ろしを加え単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。
山あいの小さな集落、簑石。
六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、
Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。
業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。
人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。
出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。
とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。
彼らが向き合うことになったのは、
一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-–。
徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!
そして静かに待ち受ける「衝撃」。
『満願』『王とサーカス』で
史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した
最注目の著者による、ミステリ悲喜劇!【商品解説】
収録作品一覧
Iの悲劇 | 4−5 | |
---|---|---|
軽い雨 | 7−72 | |
浅い池 | 73−104 |
著者紹介
米澤穂信
- 略歴
- 〈米澤穂信〉1978年岐阜県生まれ。「氷菓」で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)、「折れた竜骨」で日本推理作家協会賞、「満願」で山本周五郎賞受賞。
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紙の本
公共事業ひきこもごも
2020/03/01 18:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
寒村再生のためIターン移住者を募る公共事業担当の市役所職員のひきこもごも・・・って思ったら、なかなか最後はブラックで面白かった。
移住者がつぎつぎ問題を起こすのは想像できたけど、その原因がアレとは(笑)
途中から「こいつ怪しい」とは思うんですよ、課長と同僚の女の子だけどね。仕事が出来るんだか出来ないんだか。
地域創生と公共財政の問題、合併で新しくできた自治体にありがちな地区意識など、実際あるんだろうなぁって感じました。
紙の本
最終章に納得
2019/11/23 11:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:身勝手の極意 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤先生らしい1人称の視点による語り口は相変わらず秀逸。
そして主人公の目線だったからこそ見えていたもの、見えていなかったものが最終章で繋がった時、色々と納得がいってスッキリしました。
電子書籍
心が折れそう
2019/11/06 00:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ショウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まぁタイトルに悲劇って入ってる時点で覚悟すべきだったと思うんですが、読み進めるごとに少しずつ心が重くなっていく。これは子泣き爺のお話です。なんとなく随所で感じる違和感については、作風なのかなってずっと思っていたんですが、そこも叩きのめしていく感じ。気持ちよく騙されるというより、上手いことしてやられたな、という感じ。
ジグソーパズルでいうと、綺麗にピースがはまるっていうより、力づくでジグソーパズルを完成させた、みたいな感じでもあるんですが、いろいろ考えると納得できるオチかと思います。さらに後日談とか裏話とかあれば最後のもやもやも解消されるんじゃないかな、という感じ。
読んだあとはこの本を誰かに勧めたくてたまらなくなりました。一つはこの気持ちを共有したくて。もう一つは自分だけがこんな気持ちになるのはなかなかに耐え難くて。なので買ってレビュー書いてください。また見に戻ってこようと思います。
とりあえず家族巻き込んできます。
紙の本
主役3人がとにかく魅力的だった
2019/10/22 17:29
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投稿者:AI - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者さんの作品は読んだことがありませんでしたが、限界集落を舞台にした設定に惹かれて読んでみることにしました。実際に読み進めていくと、主役3人がとても個性的で魅力的だったので、この3人がどんな結末を迎えるのかが楽しみでした。ラストの展開も意外性がありながら主役3人の心情がよく伝わってきて読後感がとても良かったです。
紙の本
売れっ子作家の育て方
2020/02/05 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤穂信の描く限界集落で奮闘する地方公務員が主人公である。6編の短編から成る連作短編集ともいえる構成である。4編は随分前の月刊誌の連載からとり、残りは書き下ろしなので、相互には時間差、時代差が出ていてもおかしくはない。月刊誌の連載とはいえ、連載短編相互は数年離れているので、それ自体に時代のずれが出ていても不思議ではない。
南はかま市は、市町村合併でできた市ではあるが、住民が移転して無住の集落となった蓑石がその舞台である。勿論、架空の地方、集落である。その南はかま市は無住地の空き家を利用して、しかも移転費用を持つという条件で他の土地からの移住者を公募した。この結果、応募した人はいたのだが、本編はこれらの人々が蓑石でどのようにして生活しているかを描いたものである。
米澤が作家として人気が高まってきたので、旧作品を集め、さらに書き下ろしの短編で体裁を整え、出版したという作品のようだ。したがって、最近米澤が書いているミステリータッチの趣はあまりないといってもよい。あるとすれば、公募の事務局となった市役所の担当課の主人公、万願寺と対になっている女性職員観山の存在がミステリーなのかも知れない。
もう一つは結局限界集落について悪戦苦闘する地方自治体現場の姿を描くのみで、その解法については何も示唆がないという点である。書き出しの公開が2010年なので、当時の枠組みではそうなるということか。
売り出して人気の出た作家は、売れる時に打っておくというのはよく理解できる。しかし、あまり無理をして作家のイメージを壊さないように大事に扱ってほしいものだ。
紙の本
棄民ですらない
2021/12/07 17:25
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方行政の闇がうっすらと恐ろしくなる1冊。
始めから切り捨てるつもりで人を呼び込む行政。
甘いことばで誘いながら夢を抱いて移住してきた人たちを踏み台にする非情はには寒気がした。
ここまでいくともう棄民ですらない。
鯉の養殖をしていた人が鳥獣のことを全く考えていなかったエピソードはなんとなく薄ら寒い。
紙の本
Iとは
2020/04/06 10:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
Iターンのことでしたか。
実際、人が住んでれば、道路敷かなきゃならないし、
電気水道だって必要になる。
行政の負担は大きいよね。
電子書籍
ある意味現実的
2020/01/26 07:59
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投稿者:sui - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の落ちが、ある意味現実的で、残酷でもあるなぁと。
紙の本
現実に立ち戻る物語
2019/11/24 15:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少、地方都市の過疎化と限界集落の拡大…歯止めをかけようにも金が要るが、地方財政にそんな余裕はない。予算予算と頭の中で反復するのは仕方ない。そんな現実にどう向き合っていけば良いのか。この物語に答えは書いてないが、現実の問題に立ち戻るキッカケにはなるかもしれない。ミステリーが生み出す現実へのIターン、そこは悲劇で終わってほしくないが。
紙の本
Iターン
2022/04/08 05:25
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
これって今、よく、地方を活気つけようとあちこちの市町村の企画として流行していますね。しかし、そのプロジェクトを始めたこの地では、反対者がいてー。という……。でも、これもありそうですけど……。
紙の本
市政の悲劇
2022/02/11 04:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
廃村になった元蓑石村を復活させるべく始まった、市長肝入りの移住推進計画。
読んでいて初めに感じたのは「ひとりポツンと一軒家」のような蓑石地区を復活させようと考える事自体がミステリーだ。
蘇り課が作られ配属になった万願寺。
移住者の面倒を見ながら移住計画を成功させて出世したい万願寺。
しかし次々に起こる不運も重なって、一人ひとり村を出て行ってしまう。
ラストに明かされるピースは薄々予想されるが、ミステリーの種明かし以外にも不穏な村の祟りのような気配が感じられる文体に興味を持てた。
新たな境地に挑戦を続ける作家らしい一冊。