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山本周五郎名品館 4 将監さまの細みち (文春文庫)
膨大な山本周五郎の作品群から、名品を選びに選んだ短編傑作選第4弾。岡場所の女の消えそうで消えないかなしみを描く「将監さまの細みち」のほか、「深川安楽亭」「並木河岸」など全...
山本周五郎名品館 4 将監さまの細みち (文春文庫)
山本周五郎名品館IV 将監(しょうげん)さまの細みち
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商品説明
膨大な山本周五郎の作品群から、名品を選びに選んだ短編傑作選第4弾。岡場所の女の消えそうで消えないかなしみを描く「将監さまの細みち」のほか、「深川安楽亭」「並木河岸」など全9編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
生涯、膨大な数の短編を遺した山本周五郎。
没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、選びに選ばれた名品。短編選集決定版の最終巻(全四巻)
江戸っ子の老人の意地が生み出してしまう孫娘のかなしみ「野分」。
子供を持てない夫婦の行き場のないかなしみ「並木河岸」。
かなしみが新しい人間の関係を生み出す不思議「夕靄の中」。
かなしみを抱いた男と女の最後の救い「つゆのひぬま」。
岡場所の女の消えそうで消えないかなしみ「将監さまの細みち」。
ほかに、「墨丸」「深川安楽亭」「ひとごろし」「桑の木物語」など、全九編。
周五郎は、悲哀を悲哀として描きながら、その悲哀を乗り越える人々の姿を貴いものとして描いている。
巻末に編者・沢木耕太郎氏による解説エッセイ「悲と哀のあいだ」を収録。【商品解説】
孫娘を妾にと言われた祖父の意地「野分」、流産で子を持てない夫婦の哀しみ「並木河岸」、主君と幼友達の歳月「桑の木物語」等9編。【本の内容】
収録作品一覧
野分 | 7−49 | |
---|---|---|
並木河岸 | 51−90 | |
墨丸 | 91−118 |
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沢木耕太郎さんが選ぶだけで読みたくなるのは何故だろう
2018/09/18 17:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクション作家沢木耕太郎さんによる文春文庫オリジナルの山本周五郎短編選集全4巻の最終巻。
山本周五郎はその生涯において300篇になろうかという短編小説を書いたという。
沢木耕太郎さん選による選集では一巻につき9つの短編が収められているから全4巻で36篇となる。つまりはそれでもわずか1割の短編を読んだことにすぎない。
せっかくなのでさらに多くの短編を読む機会を持たれることを薦める。
そして、いつか沢木さんの選でなく自身の選による選集が編まれるといいだろう。
この4巻めには、掲載順に「野分」「並木河岸」「墨丸」「夕靄の中」「将監さまの細みち」「深川安楽亭」「ひとごろし」「つゆのひぬま」「桑の木物語」の9篇の短編が収められている。
有名な作品でいえば映画にもなった「ひとごろし」であろうか。臆病者と評判の武士がその汚名をはらさんと上意討ちの命を受け武芸者討伐の旅に出るという物語は松田優作主演で映画化されている。コント55号が演じた映画もあるそうだから、その方が作品の雰囲気に合っているやもしれない。
私は「日本婦道記」の中の一篇にもなっている「墨丸」が好みだが、一方で岡場所の女たちを描いた「つゆのひぬま」も気に入った。
「つゆのひぬま」とは「露の干ぬ間」と漢字で表記した方がわかりやすいが、岡場所のような場所で愛し合っても所詮はほんのわずかなことと年かさの女はいうが、その言葉を確かめるように若い女が客の男と情を通じる。
「つゆのひぬま」という言葉の持っているやわらかな気分が好きだ。