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商品説明
月がだいすきな男がいた。男は月をとってこようと決心し、長い長いはしごを作る。そしてついにはしごは月に届いて、男は月を持って帰ったが…。空想的な物語の中で、月食など月にまつわる不思議も紹介。〔初版:1963年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
和田誠
- 略歴
- 〈和田誠〉1936年大阪生まれ。多摩美術大学卒業。グラフィック・デザイナー、イラストレーター。講談社出版文化賞ブックデザイン賞、菊池寛賞など受賞多数。著書に「あな」など。
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紙の本
これが和田誠さんの最初の絵本
2024/04/14 07:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2019年10月に亡くなったイラストレーターの和田誠さんのたくさんの仕事の一つに
「絵本」があります。
絵本での大切なこととして、
「まず絵がいいこと。上手じゃなくてもいいから、魅力的な絵。
面白い流れがあること。物語であっても、感覚的なものであっても、
あとは展開させるデザイン」と話しています。
『ぬすまれた月』は、そんな和田さんが初めて手がけた自作絵本です。
1963年のこと。
その時のことを和田さんは後年こう語っています。
「画家がお話も作るというのが条件でした。ぼくはまだ駆け出しのイラストレーター。
作と絵の両方をやるのは初めてで自信もなく(中略)ドキドキしながら参加した」と。
本人はそう言いますが、そんなことはありません。
この絵本はとてもうまく出来ていて、
和田さんの言葉を借りるなら「展開させるデザイン」がずば抜けています。
柱になるのが、空から月をとってきたお話。
そんな大事な月がある時盗まれて、さまざまな人の手にわたります。
ご存じのように月は時々で姿かたちを変えるので、
そのあたりが物語を面白くさせています。
こんな物語の前後に、月のかたちであったり変化がどのように起こるのかを
巧みなイラストで説明していきます。
そのバランスがとてもいい。
最初の刊行以来、何度かリニューアルされながら読み継がれているのも、
絵本としても魅力があるからです。
そう考えると、和田さんにとって「絵本」はとっても大切な仕事だったに違いありません。