紙の本
識字率の向上とIT化の負の側面
2020/02/06 15:18
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投稿者:コンドル街道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
識字率の向上とインターネットの普及により、誰でも検索すればコーランが読めるようになったことで原理主義、過激主義に走る若者が増えている。
特に異教徒と共存している地域で顕著で、指導者層が長年続けてきた「共存の為の知恵や方便」がコーランの記述に反するとして、異教徒に弾圧や暴力を加えるのだという。
過激派によるテロが起きる度に「彼らは本当のイスラム教徒ではない」という発言がなされるがテロリストもコーランの記述にのっとって行動している以上、それは無知なイスラム教徒や異教徒に対する詭弁でしかない。
気が滅入る記述が多いが、字が読めるようになったことで過激主義に走る者がいる一方で、イスラム教に幻滅し、改宗や無神論に行く者もまた多い。また、穏健派を中心に改革を説く者も出ている。こうした人々には希望を感じる。
紙の本
初めて読むイスラム教の本
2019/12/31 17:05
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投稿者:ねこる - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラム2.0はインターネットで一般のイスラム教徒が啓示にアクセスできる現代を本書の中でそう表現している。
日本で伝えられるイスラム教徒のイメージ
「イスラームは平和の宗教」
それだけではこの先移民が増えていく日本で、摩擦が起きるのは必至だと感じた。
紙の本
イスラム教と教徒の現状を、分かりやすく説明した1冊
2019/12/25 17:21
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球中がネット化した現代で、イスラム教という宗教とその教徒のものの考え方がどのようなものなのかを、著者が分かりやすく説明した1冊です。
文字が紙面につまっている体裁なので、少々読みにくいかもしれません。紙幅も厚いので、一気に読むのは困難です。
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裏返しになった原理主義
2021/03/27 09:47
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の本は読んだけれど、イスラーム原理主義批判どころかイスラーム批判、日本でのイスラーム業界批判をしているが、自分自身が他人の意見を許容しない教条的な反イスラーム原理主義な主観を持っているのは気がついていないようだ。つまり裏返しになったイスラーム原理主義だ。
「イスラーム国」やタリバーンのような集団はスンニ派だから、十二イマーム派のイランの価値観とは相入れないはずだが。
インドネシアの例を挙げているが、イスラーム圏でもアラビア語が公用語ではない国々ではアラビア語のクルアーンをはじめとする文献を読もうとすればインターネットだけでなく、学校での教育が前提になるはずだが。「イスラム1.0」とはいうけれど、井筒訳で節番号が使われているフリューゲル版のような「異教徒」の世界で刊行された版は別だが、20世紀に入るまでイスラーム圏ではクルアーンは印刷されなかった事は、どうなるのだろうか。
イスラーム教徒との付き合い方だけはうなずけるところはある。
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カロリン・エムケの本を読んでもやもやもやもやしていたので積読から真っ先に消化。アンサー本かと思うような内容で読んですっきりした。読みやすくて面白いのでサクサク読める。
実際に起こった事件や実際に行われた調査に基づいてイスラム教の教義・価値観・世界観について丁寧に分かりやすく解説してある。そして、インターネットによってもたらされた新たなムスリムの宗教観の変化について書かれる。最後の方のムスリムとの付き合い方編はかなり実践的でいいなと思う。私も何も知らずムスリムの方との付き合いで一回失敗したことがある。
「イスラム教徒にとってはイスラム教こそが普遍真理ですから、近代的価値観がイスラム教よりも優れた素晴らしいものだと考える発想がそもそもありません」
「西洋の価値はイスラム教より優れているので西洋に定住すれば必ず啓蒙されるという考えは、イスラム教に対する無知に立脚しており、それこそイスラム教徒に対する差別です」
本当~に、その通りだ!
ムハンマド風刺画事件にしろ、融和政策への反発にしろ、世界観が根底から違うということは、もういい加減明らかになってきているよなと思う。
あくまで「多様性など、本当はないほうがずっとラク」だけど、それを踏まえて「実際問題として多様性が不可避であるなら、できるだけトラブルを避け、互いの不快を軽減する努力をするより他に道はありません」という飯山さんの姿勢は非常に共感できる。共生に都合の悪い所こそを、きりきりするまで見つめて道を探っていかないといけない。
イスラム2.0時代の「自分を取り巻く全てが神の命令に反する罪深いものであるかのように思えてくる」アイデンティティ危機と言う話は、私も子供の頃キリスト教原理主義系の教育を受けて育ったのでとても理解できるところがあった。
宗教と乖離した学校教育や現代社会の生活で、いつも神を、みんなを裏切っているという罪悪感、ストレス。何を選ぶのか、常に試されているという感覚。どちらを選んでも常に何かを裏切る。
その結果として若者の間で「ヒジュラ」が流行しているというのは知らなかったしすごく面白い話だった。インスタやらyoutubeでヒジュラ・セレブなるものが誕生しているの、すごい!でも流行るの、分かる。皆「正しい」価値観と自分の生活のバランスを取る方法を模索しているんだな。
その中で「無神論ブーム」もあるというのがまた面白い。これはヒジュラと逆へ行って、生活寄りでバランスを取ろうとしているわけですね。アズハルも振り回されるくらい、すごい速さでイスラームも変わっていっている、とてつもない時代に生きているんだなあ。
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『イスラムの論理』の延長といった内容。所々目新しい内容はあったが、個人的には同書一冊で十分だと感じた。
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イスラム教の今がよく分かる本。インターネットの普及によってイスラム教のあり方も大きく変わってきています。事実の積み重ねにより明らかになるイスラム教の今がよく理解でき、日本人とは全く違う宗教観を持つイスラム教徒を少しでも理解する事で、最悪の事態は避けることが出来ると思いました。日本人の平和なお気持ちだけでは間違った対応をしてしまいがちです。知らないでは済まされない。必要なのはシンパシーではなくエンパシーだと強く思いました。とくに第7章「イスラム教徒と共生するために」は何度も読んで頭に叩きこんでおきたいなと思いました。今年一番面白かった本です。(2020年1月13日現在)
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メディアで語られるイスラム教とは、ほぼ真逆のイスラム教が語られる。イスラム国を始めとする原理主義者らのジハードが何を意味するのか、事実がようやく理解できた。
現代世界を生きるのであれば、一度は読む価値はある。
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イスラムは、Googleによりコーランとハディース(膨大)を誰もが直接参照できるようになった。「聖書に帰れ」がグーテンベルクの出版改革から始まったように、イスラムは今まさに宗教改革真っ最中。異教者の僕が神に言えることはないが、今後も増え続け、揺れが続くであろう彼らとどうしていくのかは、肝に命じておく必要があるだろう。共生というのは口で言うほど簡単ではない。
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読了。
本書はある意味、ここ暫くで一番の衝撃だったかもしれない。今日のイスラム世界で起こっている事を理解しようと、様々な書籍にあたったものの、いまいち釈然としなかったのが正直なところ。今回、本書を読んで色々なことがストンと腹落ちした一方、自分の頭がお花畑であったことを自覚させられ、戦慄した。実はこの1400年間、イスラム世界の為政者は勿論、宗教家でさえも、何とか世俗を折り合いをつけようと努力してきたのだ。それがインターネットの普及で、誰もが解釈や意訳の余地が許されない「神の言葉」そのものにアクセス出来るようになってしまった。加えて、貧困や差別、絶望が後押しをし、クルアーンを「字義通り」実践しているISの方が、イスラム法学者の穏健な解釈よりも、教義に忠実では無いか?と考える者が急増している現実。しかもISは一般にイメージされる偏狭な宗教的過激派集団なのではなく「イデオロギー」なので、空爆などで排除することはテクニカルに不可能だということになる。ちょっと怖すぎたので、アンチの主張も探してみよう…。
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①イスラム教の教えを受け入れるには、シンパシー(同情)ではなく、エンパシー(異なる価値観を持つ他社の感情を理解すること)が必要。
②イスラム教徒は全員が来世の存在を信じている。
③グーグルの発展により、一般信徒はよりコーランやジハードと直接的に向き合うことができ、実践するようになった。
コーランは神の言葉であり、一字一句正しい。
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イスラム思想・古典イスラム法の文献研究者として、中東情勢やイスラムに関係する世界情勢の分析を行っている飯山氏の本です。
東南アジア、南アジアで自爆テロが頻発、ユーチューバー系自爆テロ、ヨーロッパの治安悪化、イスラム教による女性差別、LGBT差別など、イスラム法を客観的に分析し、それに基づいたイスラム教徒の価値観や行動様式を解説しています。
単純に日本人はアラブ人から嫌われてないので、アメリカの依頼で中東に自衛隊を派遣するのは反対という人もいますが、そもそもイスラム教では無神論者、無宗教者などは迫害対象で、アフリカや中東で日本人がテロに巻き込まれた理由は納得いくものでした。
殺害されたイランの組織の人間は他国でテロなり工作を行ってるのに、殺したアメリカが悪いという意味不明なコメントの識者はちょっとおかしいだろと思っていたので、説明は腑に落ちました。
同時にイスラム教がアジアや欧州でも投資・経済や政治に与える影響が大きくなっている点は今後の動向を注視しておいたほうがいいでしょう。
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うーん。これは凄いというか怖いというか、とんでも無いことになっているな。しかし本当に凄い宗教だ。どう世界と折り合いをつけていくんだろうか。それとも益々原理化して対立が深まっていくのだろうか。インドネシアなんか世界4位くらいの人口だったから国力つけて大国になった時にどう世界と対峙するんだろう。人口は国力だからこの宗教の戦略も凄いよな。でも根本的には対立は避けられないから世界はすごい問題を内に抱えているんだなぁ。悩ましい。悩ましいことだらけだ。世界は。
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第3回(テーマフリー)
チャンプ本
音声リンク:https://www.dropbox.com/s/sqbr21g3mgy5vsi/4.5.mp3?dl=0
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イスラム教の現状理解と対応を知るのに大変有用。原典へのアクセスが容易になれば自然と原理主義的になる。