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2020/01/02 21:12
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投稿者:やっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても読みやすい訳でした。
最初は物語に入り込めなかったですが、読み進めるうちに、どんどん引き込まれていきました。
解説にある通り、ヘッセのユングへの影響を感じました。
紙の本
光文社古典新訳文庫のありがたい現代日本語訳
2022/12/30 16:56
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投稿者:yy - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘルマン・ヘッセの本が読みたくて、色々な本をあさりましたが、やはり光文社古典新訳文庫の日本語訳は現代語で書かれているので読みやすかったです。
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このシリーズはいいねえ。古典がこんな読みやすいなんて。結局最後がよくわからん感じであったが、まあ「古典」というだけでありがたいのである。
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始まりの一節、ラストの一節。
自分とはいったい何なのか…の始まりと見つけたラスト。
若い頃、時間があり、思考ばかりしていると考える。
シンクレアは10歳でイジメにあい、善悪を見つけ出す。
だいたいそのぐらいの年齢で子供は気付くのだと思う。
成長過程において。
私も善悪を強く意識したのも10歳だったと思う。
無邪気に友達と遊ぶだけでは済まなくなる。
内面を見つめる工程は結構陰気な感じで、今でいうと厨二病という感じか。
ヘッセの描くこの厨二病はなぜかじわーっとやってきて、綺麗にすら見えてしまう。描き方なのか。
ドストエフスキーは、鬱陶しさのある感じで、作家によって異なる。当たり前だけど比べちゃう。
早熟なデーミアン。
私の周りにはこんな友達はいなかったな。
ラストの一文で、眼前にそのイメージが浮かび、余韻を残した。
娘も大なり小なりこんな時代を過ごすんだろう。
自分で考えて自立できる女性になってくれればいいな。
そのためには親である自分も導いてやらねば。
最初
「迸り出る自分の思いそのままに生きようとしただけなのに、なんでそれがこうも難しかったんだろう。」
ラスト
「その黒い鏡を覗き込みさえすれば、そこに自分の姿が見える。その姿は彼に瓜二つ。ぼくの友であり、導き手である彼に。」
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ヘッセ=甘い、ロマンチストというイメージを感じさせない鋭さを持った内容。
自分を見つめ苦悩するシンクレア、エーミール。デーミアンと出会い己との向き合い方を探り成長していく。
その過程の分厚さに腹が膨れる。
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初めて読んだヘッセの作品。
シンクレアの心の葛藤は現実離れしたものではなく、現代の人も感じるものであるわけで、自分自身も感じたことがある。救いの存在となるデミアンの登場は彼の人生に多大なる影響を与えた。シンクレアの葛藤や、デミアンの示してくれる教訓は読んでいて心に響いた。
デミアンの話やピストーリウスの話しは読んでいて胸にしみるものがあった。
理解しきれない部分も多かった。
卵の話は胸に刻んだ。
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講義内で紹介されていた小説を今更ながら読了。
一言で表すならば「美しい」ただ神秘的な作品だった。
19年しか生きていない平俗に育った私の語彙力ではなんとも表しがたい、しかし、この小説の世界に浸りこれほど続きが気になるとおもった作品は久々だったな。
ただ(ネタバレは避けるが)最終章があまりしっくりこなかったな
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特にひねりがあるわけでもなく少年が大人になる成長物語。
家族(ことなかれ主義)からの影響は少なく、中高一貫校での出会う人物との生活から人生を学んでゆく。
タイトルのデーミアンは若くして自分の考えを持っていて、数回の出逢いから少年に強く印象を与えることとなる。
↑書いてて、ふつーだなあ。こう、もっとこの本による「特別な」ことを書くんだ。
酒寄さんは以前から信頼してるというか、手に取った本に「まちがいない」という印象がある。
しかし今回はよくわからなかった。
とても読みやすい。。
どうもピンと来なくて。本って①面白いけど惹き付けられない②その逆があって今回は①だった。この本に限らず子供の成長話に対して日頃から①厳しくて②否定的な自分の態度に気付いた。①厳しく辛い時代(満州引き揚げ村にて生誕)を蓋をして未だに②否定しているからだった。日頃とぼけた人物を装っているが擬態であり、この本のように急所を付かれると、本来の弱みが露見する前に即座に否定の体勢を構えるのだった。本は自分向けじゃないけどまあまあ。
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すごく読みやすくてありがたかった。
それでいて格調もある。
酒寄氏も解説に記されているとおり、ユング全開といってもいいくらいの作品であることにあらためて驚いた。(それなのにユングに言及されていないという酒寄氏の指摘。おもしろい。)
ベアトリーチェは見るからにアニマだし、クローマーはたしかに「影」。エヴァ夫人は太母だけれどもアニマ的なところもあるのかな。デーミアンはすべてを包摂した「自己」だと解説には記されていてなるほどと。そうするとラストでシンクレアは自己の統合を果たしたということになるんだろうか。
西欧の精神史をたどるような内容でもあり、さまざまに読める奥深さを持っている。個人的には、冒頭のクローマーとのいざこざがしつこく描かれなくて好みだった。
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光文社古典新訳文庫はガチで読みやすい。苦手だった海外古典文学がためらいなく手に取れるようになったのは、このシリーズのおかげである。古典を古典として読むのが億劫になってきたので、きっとこれからもお世話になると思う。
本書の訳者は酒寄進一氏。以前読んだシーラッハの『犯罪』もたしかこの方の訳書だった。翻訳にあたっての難所についてや、デーミアンのBL要素といった可能性などまで、訳者あとがきも非常におもしろく本書についての理解をより深めてくれる。
で、デーミアン。第一次世界大戦直後に発表されたドイツ文学である。
日本で有島武郎の『或る女』などが発表された1919年にヘルマン・ヘッセが匿名で発表した作品で、今年で発表からちょうど100年と聞き、せっかくなので読んでみようという気になった。作品の内容をひと言で表すとすれば、「既存の価値観と対峙する、若者の青春期」といったところだろうか。
主人公はエミール・シンクレアという青年で、彼の幼少期からの成長を追っていく構成となっている。彼は世界にはきれいな世界と汚れた世界があることに気付く。守られた清らかな世界で生きている人は汚れた世界を見ないふりをしているが、たしかに存在することを彼は知っている。ふたつの世界について知った彼が、どう生きていくのか…思春期の問い、と簡単に言うには重すぎる「世界」との対峙について、キリスト教の宗教観のなかでデーミアンという導き手の影響を受けながら答えを模索していく。
思い返せば、僕は比較的丁寧な世界で育ててもらった。暴力や貧困の世界があることは知りながら、そこに足を踏み入れないでいいように守られて生きてきたと思う。ところが社会に出て、今はどちらかというと本書で言う「汚れた世界」に近づいてきている。低層というと好ましくない言い方かもしれない。うまく言えないが、直接税を納めていなさそうなわりに、間接税(主に酒税、タバコ税)を大量に支払っていそうな人たちとともに生きている。また、直接税をきちんと納めていながら、他人を不快にさせる言動を悪びれもせずに言い放つような人間も身近にたくさん見てきた。そして、僕にはカインの印なんてものはない。
汚れた世界にフタをして、きれいな世界で生きることもできるだろう。きれいな世界を離れて、汚れた世界に身を置くことも容易かもしれない。また、どちらも選ばない第三の道もまた考えられる。本書に出てくるアブラクサスという神は「神性と魔性を合わせ持つ」という象徴的な役割を担っている。
対立する二つの世界があるとして、どちらの世界でどう生きるのか。はたまた世界そのものを疑い、否定し、打ち破ることができるのか。この本は戦後の世界的なブームのほか、ベトナム戦争の後などにも迷える若者たちの間で度々手に取られてきたという。さらなるパラダイムシフトも簡単に起こりえる今現在、そしてこの先も、世界と対峙する上で多様な示唆を与えてくれる物語である。
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2019年9月1日(日)に読み始める。
第1章のクローマーの金持ちに対する考え方はドストエフスキー『罪と罰』のラスコーリニコフのよう。
45-50頁のアベルとカインについてのデーミアンの解釈のくだりは、ニーチェの奴隷道徳のよう。
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読みながら、「今の時代なら…」と比較してしまう場面が多かった。でも、引きこもりになって、自分の内面を考えつつたら、現代でもこういう小説になるのかな。
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WEBで無料公開されていたので再読。高校時代に読んでから何十年もたつのにやっぱりヘッセは好きと再確認。
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日々様々な雑念に惑わされ、本も自分が読みたいものから、世の中で話題になっているもの、仕事で読んだ方が良いもの、と常時10冊以上読むべき本を抱えている。で、「これは本当に読んで良かった」と思えるものは10冊に1冊くらいである。
で、この『デーミアン』を読んで、古典的名作というものはハズレない、読む価値が必ずある、ということを改めて知った。
若い頃『車輪の下』は読んでいたのだが、当時から読みたい本、読むべき本を抱えていて、他の作品も読んでみたいと思ってから幾星霜。
これも若い時に読みたかったと思ったが、今読んでも十分刺激的で、考えさせられるものだった。
10代の普遍的な悩み苦しみが描かれているだけでなく、精神的導き手であるデーミアンをいつも心に置きながら、素直に認められず、なかなか実際には会えなかったり、会わずにいたりするのは、恋のようでもあり、物語として大変惹かれる。
読みながら、「これ、萩尾望都が漫画にしたらピッタリだなあ」と何度も思ったが、あとがきで、なんと訳者の酒寄さんも同じ匂いを嗅ぎとっていたようで(いや、酒寄さんが嗅ぎとっていたからこそ共鳴したのかもしれない)感激した。
先日コルドンの『ベルリン1919 』を読んだので、戦争へ向かうシーンは、ブルジョワのおぼっちゃまだからこんな風に感じたのかな(庶民は暮らしがかかっており、こんなに観念的に考えないだろうな、と。)と思ったが、解説で、第一次世界大戦が化学兵器などを使ってえげつなくなる前で意識的に終わらせていると書かれており、納得した。
この作品についての分析などは研究者がたくさん書いているからおいとくけど、まあとにかく、名言の数々にうっとり。詩人でもあったヘッセの言葉づかいの巧みさと酒寄さんの名訳が一体化した宝石みたいなもので、これを味わえるだけでも至福のひととき。
若者とかつて若者であった人は、ぜひ読んで欲しい。
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浪人中の夏休みに読んだ。全て理解できた訳では無いが所々で自分の思いと重なり、心に残った。大学に行って時間ができたらじっくりと再読しよう、次は高橋健二訳でも良いかもしれない、あとニーチェについても学びたい。この文庫の訳は非常に読みやすかった。