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読割 50
紙の本
某 (幻冬舎文庫)
著者 川上 弘美 (著)
限りなく人間に近いが、性的に未分化で染色体が不安定な某。名前も記憶もお金もないため、医師の協力のもと、絵に親しむ女子高生、性欲旺盛な男子高生、生真面目な教職員と変化し、演...
某 (幻冬舎文庫)
某
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商品説明
限りなく人間に近いが、性的に未分化で染色体が不安定な某。名前も記憶もお金もないため、医師の協力のもと、絵に親しむ女子高生、性欲旺盛な男子高生、生真面目な教職員と変化し、演じ分けていく。自信を得た某は…。【「TRC MARC」の商品解説】
1【商品解説】
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書店員レビュー
変わり続ける愛しきもの
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
性的に未分化で、染色体が不安定な人間に限りなく近い生物がときどき存在している、という。
なにも記憶がない状態で気づけば病院の受付にたっていた主人公は、医師からあなたはそういった存在であると告げられ、
治療の一環として「誰か」になってみることを提案される。
主人公は名前と設定をきめ、まずは「丹羽ハルカ」という女子高生となった。
ハルカとして学校に通い人間関係を育みそして一定の時を過ごすと、じゃあ次は、とまた違う「誰か」へと姿を変える。
記憶がなくなるわけではない。
それでも変化してみれば性別も性格も、ときには扱う言葉さえ違う、全く別の「誰か」だ。
最初はからだとこころのようなものの間に空洞のようなものを感じたが、変化をくりかえし、生きる場所を変え、新たな人間関係を結び、生活を営んでいくなかで、その空洞は小さくなって消えていくようだった。
姿を変えても、かつて自分だったものの記憶が全く消えるわけでない。
それでももうそれは今の自分とは違うなんて、まるで何度も死んでは生まれ変わっていくようだ。
新しい人生をえらぶ、それはとても自由でうらやましいことだけれど誰かと一緒にいたいと願い始めたとき、変化することがただの循環ではなく意味を持ったものに変わっていく。
たんたんと一定の温度でたゆたう物語は心地よく、そして少し寂しい、まるで魂が旅する様子を俯瞰しているようだった。
紙の本
川上弘美さんならではのお話
2023/11/18 20:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても不思議で哀しく温かい物語でした。
こういうお話を書けるのは川上さんだけだろうと思います。
結局彼らは誰で何なのか、いろいろ分からないのですが、もしかしたら存在するかも…とも思えました。
考えてみたら人間他の命の始まりも、まだ明らかにはなってないし、先祖から遺伝子を受け継いで別な人が生まれていくことも、彼らと同じかもしれません。
そういう、これまで考えたことのなかったことに思いが向かいました。
紙の本
少し恐いような…
2022/01/25 03:21
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで生きてきた時間の記憶を持たない主人公が、治療のために、医師から提示された存在になり、しばらくすると、また再度提示された別の存在になり、また時間が経つと、次に提示された別の存在になる…という、面白いようで、次第に恐さを感じるような物語。
読みながら、どこかで、実存について、考えつつも、ミステリーを読むような謎もあり、不思議な世界を楽しめる。
電子書籍
誰でもないもの
2023/10/03 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰でもないものが、姿→容貌、年齢や性別を変えつつ、 世の中の片隅で生き続けます。男子にも女子にもなれる、というのが、自分としてはかなり違和感。SFと割り切って読み終えましたけど。
紙の本
identity
2021/09/23 12:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「誰でもないもの」の物語。女にも男にも変化する存在。哲学的なようなSFのようなストーリー。しかし小説としての「核」のようなものが私には感じられませんでした。