「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
書き換えられた聖書 (ちくま学芸文庫)
意図的な改竄や偶発的なミスによって無数の書き換えが加えられてきた新約聖書。さまざまな写本を突き合わせ、テキストを徹底的に読み解くことにより、改変箇所を特定し、現存しない原...
書き換えられた聖書 (ちくま学芸文庫)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
意図的な改竄や偶発的なミスによって無数の書き換えが加えられてきた新約聖書。さまざまな写本を突き合わせ、テキストを徹底的に読み解くことにより、改変箇所を特定し、現存しない原初の姿に肉薄する。〔「捏造された聖書」(柏書房 2006年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
キリスト教の正典、新約聖書。聖書研究の大家がそこに含まれる数々の改竄・誤謬を指摘し、書き換えられた背景とその原初の姿に迫る。解説 筒井賢治【商品解説】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
聖書について本文批評を試みた刺激的な興奮を味わえる一冊です!
2020/04/16 08:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、聖書の「本文批評」を試みた画期的な一冊です。「本文批評」と言っても、あまり馴染みのない言葉かもしれません。これは、さまざまな写本を突き合わせ、テキストを徹底的に読み解くことによって改変箇所を特定し、現存しない原初の姿を復元しようとする学問を指して使う言葉です。同書は、新約聖書を多種類の写本と突き合わせて、その書き換えが行われたであろうと考えられる箇所を特定した刺激的な内容になっています。同書の構成も、「1 キリスト教聖書の始まり」、「2 複製から改竄へ」、「3 新約聖書のテキスト」、「4 改竄を見抜く―その方法と発見」、「5 覆される解釈」、「6 神学的理由による改変」、「7 社会的理由による改変」、「終章 聖書改竄」となっており、聖書の内容をよく知っている人はもちろんですが、よく知らな人でも知的興奮を味わえる一冊になっています。
紙の本
手頃で読みやすい新約聖書の本文批判入門書
2019/06/16 15:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の「はじめに」で書かれているように「新約聖書の本文研究」の著者でギリシャ語新約聖書の校訂本の定番のネストレ・アーラントの編集者の一人でもあるメッツガーの弟子が一般の読者に向けて書いた主にギリシャ語の写本などの本文批判についてや「コンプルトゥム多言語対訳聖書」とエラスムスの新約聖書から1881年に出たウェストコット・ホートまでの校訂本の歴史を書いている。
一般向けなので分かりやすくする為にか、刊行された当時のベストセラーの「ダ・ヴィンチ・コード」や福音派業界ではベストセラーだった「レフトビハインド」、映画「パッション」にも言及されている。
「新約聖書の本文研究」の邦訳は第3版までで、この本では著者は「エーアマン」として出て来る。最終版の第4版では共著者となるぐらいの師弟関係にあるからか、「新約聖書の本文研究」には出て来ないグノーシス主義や女性とユダヤ人に対する評価についてといった箇所の記述を除くと「新約聖書の本文研究」と本文の異読についての記述は似通っている。
校訂本の歴史はウェストコット・ホートまでなのは、ちょっと物足りない。この本が出た時点では最新だったネストレ27版までは取り上げてほしいところだ。
「新約聖書の本文研究」の第3版の邦訳は日本聖書協会出版局から出ているが、未だに第4版は刊行されないので、筑摩書房さんが出したらいかがでしょう?安くならないと思うが、そこそこ売れるとは思うが。
紙の本
「はじめに」が自分語りでボリュームがあった
2023/04/30 22:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yodoyabashi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「はじめに」が新約聖書を神の言葉の信じて、真に受け過ぎないように、所詮は人の書いたものだよ、と言いたげ。
そして何をどう考えて自分の道を選んで勉強してきたかが書いてある。
実体験に基づく勉強の話で、ちょっと楽しい。
昔々、字が読めるとても人が少なかった頃に聖書は編纂されていったもので、ベースにいたのはユダヤ系の人々と思いますが、文章に起こされる前までは物語を語り継いでおり凄いと思います。
また、最初は敵対する側のローマの人もキリスト教の人の行動を記録に残している訳で、昔の人も頭が良かったのだな、と。
その知的な人達は、善意から新約聖書の物語を解釈していき、修正していこうとした箇所がちらほらあるらしい。
新約聖書に限らないが、書き写して残していった書物は同じ問題があると思うよ。
新約聖書の原本にせまりたいという知的欲求の研究成果で、聖書の権威が落ちるわけではなく、研究されていく経緯を知ることは面白い。
紙の本
凄い労力だが、「まぁ、そうかな」という読後感
2019/08/07 17:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本のときは『捏造された聖書』というセンセーショナルなタイトルで売られていたが、読んでみるとそれほどセンセーショナルな内容でもない。日本の古典など、普通に本として売られているが、そもそもはたくさんの写本があって、それを比較検討して校訂された上で、今の形になっている。日本の古典より古くて長い聖書は尚更だ。ただ聖書の場合、本文を写したのが、専門家でなく素人なので、写し間違いが多い。聖書の書き換えられた箇所の大部分は、そうしたものだという。しかし、中には時代の趨勢や、写した人の信条、護教のためその他で改ざんされた箇所もあり、どれを本文とみなすかによって、テキストの解釈が180度変わる場合もある。しかし、それとて、同じイエスについて書かれたマルコとルカの福音書の相違ほどではないかも…といった内容。聖書のオリジナルと思われる部分の内容自体が矛盾だらけなので、意図的な改ざん箇所を教えてもらって多少驚いても、「で、だから?」となってしまう。この筆者の解釈にも時に強引だなというところがあるので、☆3.5点。ただ、こうした大変な労力を要する本文批判に携わっている方々には素直に敬意を表したい。