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安心して読めた。流石のクリスティと短編集。
2020/07/13 07:09
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスティが書き出しで言っているようにポワロは長編向き、マープルは短編向きとはその通りだと思う。と言っても、マープルは英国トドラマで見ていたが小説は初めてだったので、どうなのかと思ったが中々面白く読めた。ポワロと違い、ウィットにとんだマープルの発言や脱線したかと思いきや核心をついていたりと油断ならないおばぁちゃん。
流石のクリスティだけに安心した運びと謎解き、上手いなぁと思いつつ読んだ。
ところで、クリスティはポワロは長編向きと言ったが東京創元社の「ポワロの事件簿1・2」はお気に入りの短編集。短編も捨てがたい。逆を言えば、マープルの長編も面白いのではないかと期待してしまう。長編も読んでみたい。
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スーパーおばあちゃま登場す!
2019/06/21 07:31
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーの『牧師館の殺人』という長編推理小説は『ミス・マープル最初の事件』というタイトルで出版されていたこともあって紛らわしいのだが、これが1930年の発表。
ところが、その後ポアロものと双璧となるミス・マープルものだが、この「最初の事件」よりもいち早く書かれた作品があるというから、さらにややこしい。
それが、この短編集。
実はここにはタイトルのように13篇の短編小説が収められていて、その内の第一話にあたる「<火曜の夜>クラブ」が発表されたのが1927年で、つまりミス・マープルものとしてはこの短編集の内の7篇が「最初の事件」より早い。
ただ、短編集として出たのが1932年だから、やっぱり「最初の事件」が最初となる。
これだけでもややこしいのに、この短編集は『火曜クラブ』というタイトルで出ていたりするから、お間違いのないように。
さて、この13篇の短編集は何人かが順番に難問の事件を紹介して互いの推理を競い合う形式となっているが、前半6篇と後半7篇はそのメンバーが違う。
そのうちの数名は同じメンバーなのだが、その一人がミス・マープルなのだ。
つまりメンバーは違っても、いつも謎を解くのはミス・マープルというわけで、一作ずつの長編小説ではあまり気にならないかもしれないが、こう続くといくら主人公とはいえ、ご都合主義に思えてしまうのが残念。
ただ、小さな村の老嬢が謎を解くのだから、それだけでスーパーおばあちゃまであることには違いない。
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短編で最強
2022/09/23 13:14
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投稿者:ひさねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサクリスティ久しぶりに読みました。ミスマープル何気ないところが実に良くて、面白い本です。
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困った。薦める言葉がない。
すべて書かれてしまっている。
冒頭、作者クリスティ自身によるまえがきと、
巻末、大矢博子氏による解説によって。
クリスティ作品と、ミス・マープルについて、その魅力から読みどころから、実にわかりやすく、かつ濃厚な文が書かれている。
初心者はへえと目をひらき、ファンはウムと合点すること請け合いだ。
とっととこの本を手にとって、それらに目を通すのがよい。
以上
以下蛇足。
私がクリスティ作品、なかでもミス・マープルのものでどれが好きか、どれを薦めるかといえば、『火曜クラブ』である。
『火曜クラブ』は早川版、創元推理文庫では『ミス・マープルと13の謎』の題である。
その理由といえば、
「だって、13編もあるんだよ!」
という他ない。
たいそうな話ではない、重大でもなく、大仰でもない事件と解決が13編。
これが面白いと言わずしてなんといおう。
ルース・レンデルは「クリスティは人間が書けていない」と言ったという。
確かにきっぱり否定はできない。
主人、執事、医者、女優・・・典型的な人物ばかりが登場するからだ。
けれども、本当にそうだろうか?
くだくだしく話の長い老嬢、
頭がからっぽの女優、
家政に疲れた主婦・・・・・・
典型的と見えたその人(たいがい女性だ)が、ふとした時に見せた違う面、
その鮮やかなひらめきに、私はいつも驚かされる。
アガサ・クリスティと、ルース・レンデルは、逆の手法で人間を描いているのだと思う。
まあ、後から生まれたレンデルにすれば、クリスティのむこうをはるのに、そうでも言わないと執筆できなかったのだろうけれど。
そしてこの表紙はすばらしかった。
ミスマープルが初登場の際、ありさまはこうだ。
『先祖伝来の大きな肘かけ椅子にまっすぐ背筋をのばして座ったミス・マープルは、ウェストまわりをぴちっと絞った黒いドレス――胸の前にはメクリン・レースが滝のようにたれかかっている――をまとい、手には黒いレースの指なし手袋、高くゆいあげた雪白の髪には、おなじく黒いレースのキャップをのせている。さいぜんから編み物の手を休めずにいるが、編んでいるのは、なにやら白くてやわらかな、ふわふわしたものだ。』 (12頁)
メクリン・レース? 指なし手袋??
すぐさま想像できなかったものが、そのままに描かれている。
なるほど、ヴィクトリア時代の婦人の姿はこうかと、すばらしい助けになった。
そんな色々を述べた後、繰り返しになるのだが、
とっととこの本を手にとって目を通すのが好い。
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うーん、何とも微妙。
一言で言うと、やっぱり古いかな。マープルさんのなんでも分かってますよ感についてけない。
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はじめまして、ミス・マープル。
どうぞ、よろしく。
安楽椅子探偵と称され、アガサ・クリスティの中ではポワロと同じく人気のあるシリーズだ。
しかし、今までミス・マープルと会ったことがなかった。
感想をごく単純化するなら、面白かった!
最近海外の翻訳でよくお目にかかるのが深町眞理子氏なのだが、深町氏による新訳とのことなので、今まで読んだことがある人も、きっと楽しめるに違いない。
二度、三度と読むことで、トリックへの伏線に気づくことができるはずだ。
さて、本書に収められたもののほとんどは短編で、通勤時間のうち、電車に乗る時間が往復10分程度という私にとっては、片道で一編を読み終えられるのが何よりよかった。
「青いゼラニウム」は以前読んだ、『アガサ・クリスティーと14の毒薬』で語られていた毒が使われていた。
これかあ!と記憶が繋がった瞬間に興奮した。
「コンパニオンの女」「四人の容疑者」など、階級の違いや知識レベルの違いという背景にも興味が湧く。
どれもこれも面白くて、新鮮で、確かにベストセラーになるわけだ、あらゆる探偵小説家、漫画家に影響を与えるわけだ、と納得した。
「刑事コロンボ」「刑事フォイル」(いずれも邦題)といった優秀な刑事とは違う、しかし鋭い観察眼は侮れない。
作中でも、その洞察力ゆえに、次第に周りの評価が変わっていく様子は、勧善懲悪モノにあるような、胸のすく思いがした。
「水死した娘」は、前段階の短編を踏まえての物語なので、安心感と期待の混ざった、そしてその期待を裏切らない作品であった。
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深町眞理子さんの新訳が出たので再読。
マープルものは一番最後の巻、クリスティーさんが金庫にしまっておいて、死後に出版する予定だった蔵出しの『スリーピング・マダー』から、わたしは入ってしまいましたが、これが始まりで次々と『ミス・マープル最初の事件』『書斎の死体』~『バートラムホテルにて』などなど13冊全部一気に読んでしまいましたよ。
エリザベス朝、古き良き時代の穏やかな老婦人が鋭く、明晰に推理するキャラクター、魅せられますよね。クリスティーの本はポアロでも「人間性、普遍性」を軸に謎解きをします。まして片田舎に住んでいる独身の女性なんて世間知らず、って思いがちなのに違いますね~そこがなんともいえない面白さですね。この本の13短篇は始まりなので新鮮さが満載で、そしてなつかしさいっぱいでした。
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エドワード・ゴーリーがもっとも好きな作家としてクリスティを挙げており、かなり意外だった。
絶対、ホラー色の強いシャーロック・ホームズ派だと思っていたので。
アガサ・クリスティは怖がりの私が唯一読めるミステリ作家である。
流血、怪談といったグロテスクさやゾクゾクする要素が少ない上に、人間の悲しい本性をしっかり描きながらも安心してワクワクさせてくれるのだ。
特にマープルシリーズは、ミス・マープルの上品さと穏やかさ、さらにはオールドミスならではの開けた視界が快い。
クリスティのシャイで繊細な性格がとてもよく表れた、デリケートなミステリーだと思う。
望むらくは、これを柴田元幸さんに訳していただくことだな。
この本の中で好きなのは「青いゼラニウム」。
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ミス・マープルが登場する、13話の短編集。
どの話も安定の“クリスティ ・クオリティ”で、丁度いい感じの品のあるミステリを堪能できます。
毎回、ミス・マープルが美味しいところを持っていくのがお約束なのですが、特に第13話「水死した娘」でのミス・マープルの絡み方が絶妙で、オチも秀逸でした。
古き良きイギリスの雰囲気を味わえるのも、魅力かと思います。
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マープルが最後にさらりと持っていく短編集。最後だけ異質だけど、あとはマープルが話せば結末がわかる的な流れ。
これはあれだ。水戸黄門。マープルは間違えないという安心感。
短編集……というより掌編レベルの短いお話がたくさん載っているので、隙間時間に読むのがいいかな。
ちょっと飽きてしまったのもあるけど。
次は長編が読みたいかな。
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初ミス・マープル。
むかーし、アニメは見たことあるので、ミス・マープルの存在は知っていた。
めっちゃ面白かった。
ただただ集まった6人がお互いに事件の話を持ち寄って謎解き大会するだけの話ではない。
最後の2篇で「うわー!」ってなった。
『アシュタルテの祠』と『動機対機会』くらいしか犯人とトリックわからなかった。
悔しい〜笑
クリスティもいろいろ読みたいなぁ
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クリスティが生み出した名探偵と言えば、ポワロとこのミス・マープル。前書きでクリスティが、ファンがポワロ派とミス・マープル派に分かれる、と言ってますが、女性やコージーミステリファンはミス・マープル派が多そうな気が。
見た目は古風で温和なミス・マープルが、編み目を数えつつ鋭い観察力と蓄積された経験でゲストが語る謎を解き明かしていくパターンは実に痛快です。
それぞれのキャラクターの語り口で、細部分まで分かりやすく表現しているのはさすがクリスティ。手がかりはしっかり出すフェアプレー精神も心地良く、時に悪戯心も垣間見え、飽きることがありません。ミス・マープルの抑制された感情と、あらゆる人間への包容力故か、どの話も決して重苦しくならないのも魅力。もっとこのシリーズを読んでみたくなります。
「クリスマスの悲劇」の中の、「若い人は、老人が証拠もなしに他人を誹謗中傷するのは罪深いと非難するけれど、そういう若い人達だって何か言う前に立ち止まって考えることはしない」という言葉に、これは現代でも普遍だと気付きました。小さな村で生きてきながら人間なんて似たり寄ったりだと看過していたミス・マープルが現代に生きていたら、これだけ世界が狭くなったことをなんて表現するでしょう。
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マープル短篇集
何年前かはわからないがハヤカワの「火曜クラブ」バージョンで読んだことがあると思う。そのせいか前半はなんとなく犯人がわかった。後半のバントリー夫妻のお屋敷が舞台のものが面白かった。でも、まあ、長篇の方が好きかな。創元推進文庫を選んだのは「新訳でリニューアル」のキャッチコピー(2019初版)をみたからだが、購入してみたら訳者が1931年生まれでビックリした。ハヤカワ版の訳者は1923年生まれ。どちらもご存命のようだ。
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基本ポアロ派なもので
ミス・マープルの、特に短編集は未読でした。
そして今回チャレンジして
やっぱりポアロ派から変わりそうにない(笑)
なんだろう、自慢しぃの小男より
謙遜遠回しのおばあちゃんの方がイライラした。
どうもそこがネックのようです。
謎解きの部分は、後ろにいくに従って
だんだんおもしろくなってきたんですが。
『コンパニオンの女』とか
『四人の容疑者』とかね。
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ミス・マープル作品を初めて読みました。
やっとです。
ミス・マープルの少し皮肉で軽妙な語り口はとても楽しいです。
そしてどの人物も魅力的で会話がお洒落。
まだまだクリスティ女史の小説を新鮮な気持ちで読むことができます。
幸せですよね。