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「ローズヴィルのピザショップ」。穏やかな店内にピリッとした空気が流れる瞬間、そしてそれが緩むとき。その加減がいいし、血が流れるけれどどこかドタバタ劇のような展開でラストもいい。
「残酷」。冒頭の殺し屋の場面から思わぬ方向に展開されていくのが面白く、前半と後半の落差が楽しめる。
「赤い封筒」。探偵と助手のような関係。探偵の造形の良さ、怪しさがいい。推理と饒舌さでもっと読んでいたくなる。
他にも面白い短編が収録されていてとても満足度の高いもの。
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前作が面白かったのでハードルが上がっていた可能性もある。
が、それにしてもあまり面白さを感じられなかった。
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元図書館司書のロバート・ロプレスティによる、日本オリジナルの短編集!
日本で出版された短編集としては『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』に続く第二弾です!
今回は前回の短編集とは違った雰囲気。
『日曜の午後は・・・』よりも、ややしっとりとしているという印象を受けました。
全部で9編の短編・中編が収録されており、正統派推理もの、ブラックユーモアもの、コージーミステリ、差別問題を扱ったもの等々、作者の引き出しの多さに驚かされる一冊です。
扱うテーマも物語の雰囲気も違う作品が次々に出てきて、「次は何が起こるんだろう?」とワクワクしました。
普通、読んだら気が重くなるようなテーマのものもありますが、一貫して客観的というのか、淡々としたトーンでそれがとてもよかった。
読んでいて過剰に巻き込まれるということがなく、物語を受け入れやすい感じです。
それでいてしっかりと内容が心に引っ掛かる。いや~、どういうことなのか。ほんとにすごい。
今回は訳者の高山真由美さんが、編訳として、短編の選出などから関わっています。
まだまだ作品はたっぷりとあるようなので、今後の展開も楽しみです。
次の短編集が早く出てほしい!!!
◇ぶんちんが特に気に入った3作
・残酷
・二人の男、一挺の銃
・赤い封筒
◇おすすめポイント
・作者の引き出しの多さを感じられる9編を楽しめる
・読みやすいのに心に残る文体
・各作品に日本語版オリジナルの「著者よりひとこと」つき
◇こんな方におすすめ!
・さまざまなパターンの短編を読んでみたい
・重たいテーマを扱った物語を避けがち
・自分でも短編を書いてみたい
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邦題や装丁が「狙ってんな〜」感はありますが、それにハマった私は良い読者だと思います(?
短編の醍醐味を堪能できる短編集です。コージーから本格物まで、多様なミステリをライトに楽しめるのが嬉しい。
【内容まとめ:頑張った】
◉ローズヴィルのピザショップ…田舎町のピザショップに、強面の2人組がやってきた。チップもオーダーも気前の良い彼等に、オーナー夫妻も警戒心を解いたある日、事件が起こる。
◉残酷…暗殺者コイルの不運なる一日。
◉列車の通り道…つまらない喧嘩で逮捕された男に面会に来たのは、幼い頃に生き別れた兄だった。長い年月を経て、彼はなぜ男に会いに来たのか?
◉共犯…保護観察中の男が逃走した。彼と文通していたマーガレットに、手引きをしたのではないかと疑いがかけられたが、ロートン刑事が辿り着いたのは驚愕の事実だった。
◉消防士を撃つ…ぼくの人種暴動事件の記憶。
◉二人の男、一挺の銃…押し込み強盗は、銃を突きつけながら人質にある物語を語り出した。「憎み合う三人の男」の顛末を語る強盗の狙いとは?
◉赤い封筒…自分が営むコーヒーショップの敷地内で発生した殺人事件の解決を、一向にツケを払わない詩人に依頼した店主。自身も詩人のワトソン役となって調査に乗り出す店主だったが、調査を進めるにつれ、常連達の意外な一面を知ることになり…。
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短編集。ミステリにとどまらず、アクション、サスペンスなど、さまざまな物語がつまったお得な一冊。個人的には「共犯者」が好きかな。
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様々な空気感の短編を読める贅沢な一冊でした。
あまり界隈に明るくないので具体的なことは言えないのですが、これからミステリーを読んでみよう! 短編に触れよう! というかたもとっつきやすいのではないかなと思います。
一編ごとにあとがきが書かれているのも興味深く、とても参考になります。
個人的には「残酷」「共犯」が好みでした。
あとは個人的な感想ですが、短編集にあまり馴染みが無いためか、少し物足りなさを感じました。
自分ならもっとこうするのに!
ああするのに!
という感じです。
読者として未熟だなと痛感した次第です。
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前作「日曜の午後はミステリ作家とお茶を」は、作家のシャンクスが一貫して主人公だったが、今回の短編集は主人公はそれぞればらばらだ。コージーぽくはなく、訳者が言うようにオフビートの感じだね。ちょっと苦い味もある。まあ、あんまりミステリーと言えないかも。最後の詩人のデルガルドを探偵役にした「赤い封筒」は、一味違った本格ミステリーかな。コーヒーハウスを舞台にしているのは、いかにもアメリカらしい。最後のほうになって、結構手掛かりは揃ったのかな。私には解けなかったけど。よく考えてみれば、明らかに犯人を指さしているものはあったね。
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【収録作品】ローズヴィルのピザショップ/残酷/列車の通り道/共犯/クロウの教訓/消防士を撃つ/二人の男、一挺の銃/宇宙の中心(センター・オブ・ユニバース)/赤い封筒
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短編集。実家の本棚にあったものを拝借。
『ローズヴィルのピザショップ』招かざる客にローズヴィル流のおもてなし。愚痴っぽいおばあちゃんに酔いどれおっさん、ピザ屋の夫婦で立ち向かうのが面白い。
『列車の通り道』生き別れになった兄はなぜ会いにきたのか。さり気なくクソ里親に天罰が下ってくれてよかった。
『共犯』刑事さんカッコいい、こういう話好き。
『消防士を打つ日』胸熱。過去の話も良いし、現在の終わりもいい。息子は1967年当時の僕と同い年だった。
『二人の男、一挺の銃』これ最後に悪側が勝つの?リチャードによって告発は上手くいくの?心配。
『赤い封筒』面白くなかった。詩とかいる?
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タイトルだけ見ると安楽椅子探偵が活躍するミステリー短編集を想起させるが、実際はノン・シリーズの犯罪小説集。収録された全9作品の内、6作目まではすんなり読めたが、技巧を凝らした7作目から怪しい雲行き。9作目にして本書のメインディッシュ「赤い封筒」でとうとうギブアップ。後半の作品で顕著になる独り善がりで気取った文章がどうにも肌に合わない。著者自身による幕間の作品解説とあとがき(結構ドヤり気味)にも辟易する。音楽家のセルフライナーノーツはまだしも、小説家が自ら多くを語るのは妙に安っぽく感じてしまうのは私だけ…?
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未読の人もここは読んでおいてほしい。
まず絶対注意しておかないといけないのは、この本は作者を有名にしたシャンクスシリーズではない、ということ。
タイトルのつけ方が少々あくどいので、間違えてしまう人が多いようだが、シャンクスの活躍を期待すると、関節を外さんばかりの肩透かしをくらうので要注意!シャンクスは1度たりとも出てこないので。
ということさえ分かって手に取れば、この本はそれなりに面白い短編集である。最後の中編を除き、謎解き要素は少ないが、ハードボイルド風ありずっこけ風あり反差別テーマを含有したものありと、いろんな風味の短編集を楽しませてくれる。ロプレスティも訳者もいい仕事をしてくれている。
だからこそ、売らんがためのごときタイトルや装丁が、非常に残念。「コーヒーショップやん、謎解きしてるやん」っていう、ガキのような言い訳まで聞こえてきそう。
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タイトルから、ゆったりした安楽椅子探偵ものを推測していたが、探偵ものは最後の「赤い封筒」のみで、しかも、その探偵のスタイルが私には合わず、馴染めなかったのは残念。
しかし、他の短篇それぞれのストーリーは面白く、かつ、孤児列車や人種差別など考えさせられる内容もあり、バラエティに富んでました。
また、ストーリーに映像が浮かんでくるような臨場感や躍動感を感じたのは、おそらく著者がこういうものを書こうという、明確なヴィジョンが頭の中にあるのではないかと思っていたら、それぞれの作品の終わりにある、「著者よりひとこと」で、なるほどと納得し、これはこれで楽しい読書となりました。
先に出た、シャンクスの短篇集も読んでみたい。
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本作も前作同様コージーミステリー短編集かな、と思って読んだら大間違い。
どう考えても寛ぎながら読める短編集ではなかった。
ミステリーというよりはサスペンス色が強く、さくさく読めるけど常に不穏な感じが付きまとう。
だけど面白い。
ローズヴィルのピザショップと残酷が特に。
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――
まさに変幻自在。御見逸れしました。
本格から変格、ハードボイルドからドタバタコメディまで、魅力的な短〜中編が詰まったまさにとっておき。タイトルのとおり、休日のコーヒーショップにうってつけの一冊でした。
ミステリ的な楽しみはもちろん、習俗や文化、人種等に対する視座もスパイシィで、アメリカ文学の面白さも味わえる。
個人的には「ローズウィルのピザショップ」が、シチュエーションスリラー(兼コメディ)の戯曲じみていてお気に入り。舞台化してみようかしら。
大満足の☆4
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前作『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』は、ミステリ作家・シャンクスを主人公にした連作ミステリでしたが、本書はシャンクスものの続きではなく、独立した短編集でバラエティーに富んだ内容の九話が収録されています。
どの話もシニカルで一捻りある展開が楽しめるのですが、捻りすぎて訳わからなくなっている「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」のような話も見受けられます(まぁ、この話が読みづらいのは“そういう設定”だからではあるのですが・・)。
加えて孤児列車や人種差別、兵役拒否者などアメリカならではの社会問題も各話随所に散りばめられていて、その辺りも興味深かったです。
個人的には、緊張と緩和のバランスが絶妙な展開の「ローズヴィルのピザショップ」と、とある女性と刑事の会話から浮かび上がってくる真相とラストの余韻が秀逸な「共犯」が好みでした。
あと、本書の中で唯一ミステリらしいミステリだった「赤い封筒」も面白かったのですが、探偵役の詩人・デルガルドの人を食った態度がトゥーマッチだったのが少々うんざりだったかな~と。
特に謎解き場面で、自作(?)の詩をボンゴの演奏付きで逐一挟んでくるのが“もう、ええって!”という感じで、彼にイラついていたガンダースン警部補にそこは同意した次第ですww。