紙の本
本当に起こりそうで起こらない
2013/12/24 23:56
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投稿者:ペペチョ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もし自身が戦争に出向いていてこのような体験をしたら、それこそ、本当に自身を守るための戦争になっていたかもしれない。そう思えるくらい、ぴんっと張り巡らされた蜘蛛の糸が美しい。飛び地のように張り巡らされたストーリーの繋がりそうで、繋がらないショートーストーリーが、読後直後に最初のページへと私の手を導く。
紙の本
まるで自己完結したような…
2015/08/23 09:20
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは物語自体の物語、物語のなかの創作、創作のなかの夢想、まるで夢の様な断片の物語。否!帰着する場所が定まらない悪夢の様…。ここで展開されるロジックに曰く物語は読むと云う行為がなければ成立しないそこには一冊の本が存在するだけ、しかし本として存在しているという事実は例え私が、または貴方が読まなくても物語が成立していると云うこと…と述べているかのようだ。
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5つの繋がりあるストーリーが展開する55編のショートストーリー。
手が届きそうで届かない、どこへ行くのか、どこへ行き着くのか。
焦燥感はない淡々とした世界は、薄いブルー。これは表紙の影響が大きい。
世界に果てはあるのかな。
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2002年、日本ファンタジーノベル大賞受賞作の文庫化。
英国の庭、小説、言葉、ビルマの収容所、何処とも知れない場所、列車、若返る母……なんとも不思議なモチーフに彩られた、不思議なストーリーだった。と、同時に、非常に『ファンタジーノベル大賞らしい』1冊。
解説は円城塔。考えてみれば作風がやや似ているか?
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6つのストーリーラインに分かれ、ときどき交差しつつも、決して収束も落着もしない。投げっぱなしにそれぞれが終わる。
正直、いいとも悪いともいえない、うまく感想が持てない。
読み込むほどの厚みも深みも感じられないが、読み捨てるような軽さでも雑さでもない。
咀嚼するまえに消えてしまったお菓子。
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おっ…あ、れれ…?
読み終わった直後の感覚はこんな感じだった
若くなる病気にかかってしまった母の話や、
どこまでも続く階段と列車の話、
深く魅了された英国庭園が出てくるかと思えば、
詩の世界にもまた魅了されていき……
だいたい5つくらいの短編が
互いに関わりあっているような、そうでもないような
しかし各々がとても興味深い引力を持ちながら
展開されていく
*
ひとつひとつの話がとても面白かったんだけど
中には、え、これ解決したの…?というものもあって
完全にスッキリしたのかと言えばそうでもない…
後はご想像にお任せというか
もちろんヒントは散りばめられていたんだろうけど
影は、列車に乗れる人のところに現れるのかな…?
母の病気とは…
辻斬りは本当にただ精神を病んでいただけだったのか…
サクッと読めるので日を置いて再読してみようかな
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王道たる幻想譚です。
その場面展開ゆえに、ついていけない人もいるだろうな、これ。
頑張って読みきりました。
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ひとつひとつの話が庭の植物のように影響しあって、季節や天気によって庭全体が変わる。
街中で陽射しを浴びながら庭の草花と虫が思い起こされるように、ふと話の一部分が浮かんでくる。
庭や植物について知っていたら印象大分違うんだろうなあと。
円城さんの解説が面白かった。
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“ショート・ストーリーズ”の名前の通り、55もの短いお話が緩くつながりあっているようでそうでもないようで…という、良い意味でとてもつかみどころのない物語だった。でもこの読後感は嫌いじゃない。文章としてとても好きな言葉を書く作家さんだと思った。
解説が円城氏だというミーハー心で読み始めたのだけれど、個人的に他の作品も読んでみたいと思える作家さんに出会えたと思った。
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うぅむ。掌編が55続く。何本かの繋がっているストーリーがあり、それぞれ少しずつ重なる部分があり。
でも結局よく解らなくて、印象だけ強く残る感じ。
巨大な駅を旅する男の姿が表紙絵になっているのは、やはりこの話が一番印象強いからだろうか。
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つながっているようで、つながっていない掌編たち。時代、設定、趣向の異なるショートショートが、ゆるい連環でひとつにまとまっていく独特の構造が凝っている。ある話の枠組み内で問題提起された謎が、別の話を通じて次第に解き明かされていく、はなれわざ的なギミックが面白い。
一抹の不安と快さがまじりあう、不思議な読後感。幻想的でつかみどころのない「謎の物語」だ。
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しばらく前から気になっていた本。
脈絡のない話が続き、どこで繋がるのかとワクワクしていたが、結局最後はよくわからんオチだった。
話は幾つかのパートに分かれていたが、駅の話と母が若返る話がファンタジーっぽくてよかった。
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6個くらいの話が、数ページずつ細切れにランダムに交互に語られます。それがとても不思議な感覚。
文体もジャンルも人称も違う文章が入れ替わり立ち代わり、うっかり退屈する暇もなく展開されるもので、気が付いたら一気読みしていました。
全体のまとめパートもなければ、それぞれの話のオチも特になかった(ようにわたしには思えた)のだけど、読後感は不思議と悪くない、いい気分です。
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55の短編から成る小説。これまで読んできた短編集とは趣が異なっていた。よくあるものだと、短編だけと登場人物や出来事が少しずつ繋がっていて、本全体を通してみると1つの物語になっているという形がある。この本に関して言えば、繋がり方がもっと広範多岐に渡っているといった感じか。主人公や主人公の書く小説、イギリス庭園に江戸の人斬り、日本の近世思想家に言語論と言う風に。一見繋がっていないようでどこか繋がっているこれらの話がそれぞれに出てきて、かといって本としては特にまとまった終結はなく。階段で繋がった異世界の話は好きだったけど、私個人としてはぼんやりとした読後感だった。
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すっごく面白いという訳ではないけど、「良い本」。じっとりとハマれる。
ショートストーリーって副題がついてるけど、基本的には繋がってるたくさんの話から構成されている。でもきちんとは繋がってない。普通ショートストーリーが繋がってる話はもっと頑張って繋がってることを強調するのだけど、これはもっとほったらかし。これ見よがしに繋がらないし、落ちが付くわけでもない。その感じがクールで気持ち悪くて、それが良い。