「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
文学漫画の失敗例
2017/04/30 11:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青時雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直に言ってしまうとつまらないです。
まず表紙が写真を使っていて、どのような作風のマンガかわかりません。文学史に残る作家を扱うからか悪い意味で暗い絵柄が今ひとつしっくりこないです。表紙がこの作者が書いたものなら私は読まなかったでしょう。
また、作家の恋愛観が人生や作品にすべて投影されたと前提にしたことがこのマンガ自体をしばってしまうことになっています。恋愛観が人生や作品に与える影響はあるでしょうが、こと作品が作家をすべて映し出していると考えるのは単純に過ぎます。だから作品からの引用が無理やりで薄っぺらい感じを与えているのだと思います。
何よりも不快だったのはマンガとマンガの間に挟まれる「ブッタ斬り日本近代文学史序説」というコラム的な文章です。マンガの背景を述べる程度の軽いものならまだしも、ボリューム過多でその内容もこの作者の浅い文学者観で読むのがつらいです。そこここに散りばめられる傲慢な発言、バブル時代を感じさせる時代遅れな言葉、自分のマンガを補強させるための事実誤認。すべてが鼻につきます。いっそのこと、この文章がなければまだ良かったのに…。
一番許せないのは、ウィキペディアを調べてこの文章を書いていることです。ウィキペディアには事実誤認、あるいは意図的な錯誤、典拠の不明なものなどがかなりあり、あくまでも目安程度のものであるのは周知の事実です。調査の足掛かりにはなっても、その先は自分で調べてください。
以上のように否定的なことばかり書いてきました。私も欠点をあげつらうレビューは嫌いなので良い点を探しましたが見つかりませんでした。本当に残念なことです。