「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.11
- 出版社: 平凡社
- サイズ:20cm/460p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-582-70713-0
- 国内送料無料
紙の本
ヨーロッパ異端の源流 カタリ派とボゴミール派
中世ヨーロッパを揺さぶった大異端、ボゴミール派・カタリ派の源流を追跡した決定版。隠された宗教的伝統の宝庫、バルカン世界の深層に光をあてた魅惑的な歴史探偵物語。【「TRC ...
ヨーロッパ異端の源流 カタリ派とボゴミール派
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
中世ヨーロッパを揺さぶった大異端、ボゴミール派・カタリ派の源流を追跡した決定版。隠された宗教的伝統の宝庫、バルカン世界の深層に光をあてた魅惑的な歴史探偵物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ユーリー・ストヤノフ
- 略歴
- 〈ストヤノフ〉1961年ブルガリア生まれ。ロンドン大学ウォーバーグ研究所に属し、宗教史・比較宗教学を専攻。94年、本書をペンギン・ブックスとして刊行、西欧の読書界を驚かす。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
世界には別な神がいるのかもしれない。
2002/01/08 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海野弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
〈異端〉とは、〈正統〉に対することばだ。その場合、私の信じているのが〈正統〉であり、そうではないのが〈異端〉だ。深夜テレビで全米プロバスケットボールを見ていたら、去年優勝したロサンゼルス・レイカースのシャキール・オニールが試合後にインタビューを受けていた。ミルウォーキー・バックスが相手で、大いに苦戦しましたね、といわれて、オニールは、あそこは〈異端〉だからね、といった。どういう意味かと聞かれ、オーソドックスではない、ずるい手を使うからだ、といった。しかし、〈正統〉であるわれわれに勝てない、とオニールは胸を張った。
西欧世界ではキリスト教が〈正統〉である。それ以外は〈異端〉だ。キリスト教では、神は唯一である。だがそれに対抗する別な神がいたらどうなるのか。すべて唯一の神のもとにあるキリスト教に対し、別な神もいるという考えがある。それは、光と闇の二つの神が争う二元論の世界である。
この本では、キリスト教という一神教から〈異端〉とされてきた二元的な宗教が掘り起こされる。ヨーロッパの東の方ではボゴミール派、西の方ではカタリ派という〈異端〉が大きな広がりを見せた。そしてカタリ派に対しては十字軍が召集され、厳しい弾圧が行なわれた。〈異端〉はほとんど地下に埋もれ、忘れられていった。
著者のユーリー・ストヤノフはブルガリア生れで、ロンドンのウォーバーグ研究所などで活動している。さまざまな〈異端〉の一つの中心であったブルガリア出身であることが、このテーマ研究への情熱の源泉なのだろう。埋もれた資料を発掘しつつ、〈異端〉の深淵に下りていこうとするストヤノフの姿勢がすばらしい。
なぜ〈異端〉を掘りおこそうとするのか。〈異端〉、別な神を信じる人たちにも、この世で共に生きる権利があるのではないか、と思うからである。キリスト教とイスラム教の激しい対立の中に生きる私たちは、〈異端〉への十字軍ではなく、〈異端〉との和解を夢見るのだ。 (bk1ブックナビゲーター:海野弘/評論家 2002.01.09)