紙の本
現在の日韓関係の悪化の背景には、韓国国内が抱える保守派・進歩派による深刻な葛藤が原因だった!
2020/05/07 11:26
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現在の韓国における文在寅政権が抱える国内的葛藤の中身について教示してくれる日韓関係を考えるための最良の一冊です。現在、日韓関係は、戦後「最悪」の状態とも言われています。というのも、突如、再燃した徴用工訴訟問題や慰安婦問題における日韓合意の骨抜き問題、さらには国会議長による天皇謝罪要求発言などが次々に出てきているからです。なぜ、このような状況が起こったのでしょうか?著者は、NHKのソウル支局長を務めたこともある韓国政治通のお一人で、彼によれば、そこには韓国国内の保守派・進歩派による深刻な葛藤が横たわっていると言います。同書では、この日本人には分かりずらい韓国政治内部の実情について分かり易く解説しています。同書の構成は、「序章 文在寅は反日なのか」、「第1章 韓国の内なる闘い―保守派・進歩派の南南葛藤」、「第2章 朝鮮半島分断の現在」、「第3章 保守派のジャンヌ・ダルク」、「第4章 秘線とロウソク革命」、「第5章 文在寅政権が起こした地殻変動―保守派打倒の永続化」、「第6章 変調、そして日韓激震」となっており、興味深い内容ばかりです。
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保守派 vs 進歩派の葛藤(韓国語では対立のことを葛藤と表現するらしい)を軸に2010 年代の韓国の政治状況と政治文化を概説し、文大統領がなんであんなことをやっているか解説してくれる本。
なんとなくそんな感じはしていたけど、一連の問題は日本を念頭に置いているのではなくて、国内問題の延焼だったという。
韓国の話題が気になる人は読んで損はないと思う。日本のニュースだと単発で背景まで掴めないし
文章は読みやすくて流石報道のお仕事をしている人だと思ったが、1章の終わりにチェスンシル事件で読者の関心を引っ張った後に事件の一番知りたい部分を4章にもってくるあたり、ミリオネア的なテレビの引っ張り方だと思った。
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嫌韓本というのとはちょっと違ってた。
韓国の内部には保守派と進歩派の根深い対立があるということのようだ。反日をダシにしてくれなきゃ、勝手にやってくれよ、なんだけどなぁ・・・
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実は私にとって目新しい内容は特にありませんでした。ただ、なるほど…逆にいうと、日本の人たちにはこの韓国政治の内情(保守と革新の激しい権力争い…いわゆる「葛藤(갈등)」)はあまり見えていないというか、あまり知られていないのかもしれませんね。
その意味で、この本は日本人に広く読まれて良い良書だと思います。文在寅政権の(日本人からすると)理解不能な対日姿勢の背景である韓国政治の内幕について大変まとまりよく書かれています。韓国政治入門。
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本書は韓国の内情を詳細に取り上げており、彼の国の内政の抱える問題点をある程度理解できた思いをもった。
どこの国もそれぞれ問題は抱えているものだが、げんなりすると言っては失礼か。政党間のドロ試合は我が国でも同じだが、彼の国のそれはさらに酷い。コップの中の嵐がコップを壊してしまっては元も子もないではないか。
そういえば、この国はかつて親ロ派と親中派・親日派が政争を繰り広げた結果、日本による併合へ進んだ歴史があったことを思いおこした。
本書の韓国社会の読み解きが正しいものであるなら、出口があるようには見えない。韓国はどこに流れていくのかとため息をついた。
本書の読後感は良くないが、真実は苦いものだとしたらやむを得ない。次の世代の政治家が知恵を出してもらいたいと思った。
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文 在寅(ムン・ジェイン、 ぶんざいいん)に大統領が替わってからの韓国の対日姿勢は、普通の日本人には理解し難いことが非常に多い。徴用工訴訟、慰安婦問題、天皇謝罪要求などなど...
これらを理解するには、韓国の政治の歴史や内実と社会の構造、北朝鮮との歴史関係などを日本からの視点ではなく見ることが求められる。著者はNHKの全ソウル支局長でこれらのことを日本人にもわかるように解説した内容。
特に知らねばならないのが、「南南葛藤」と言われる北と南の対立ではなく、ある意味ではそれよりより深刻で激しい韓国内に於ける保守派と進歩派の対立である。このことを詳細に説いており、そのとばっちり的な反日が我々を彼の国を理解しにくくしている。(政権が変わると前政権のなしたことを全否定することが起こる。特に5年任期の最初の3年目近くまでは、絶大な権限を前政権党を攻撃すること使うことになる。その後、次第にレームダックに陥ってゆくとの分析も重要。)
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1.この本を一言で表すと?
韓国の現代政治史をまとめた本。
2.よかった点を 3~5 つ
・帝王的大統領(p34) →企業やマスコミまで大統領に忖度して人事を変えるのは驚き。
・カメラの死角で北朝鮮が謝罪(p130) →日本ではほとんど報道されていないように思う。今も朴槿恵政権が続いていたら北朝鮮もだいぶ変わっていたと思 う。
・朴槿恵、凋落への引き金(p152) →韓国国民にとっては衝撃的なのだろうけど、弾劾されるほどのことのようには当時は感じなかった。しかしエセ宗 教と言われると印象が異なる。
・積弊精算(p196) →文在寅大統領は保守派つぶしが最優先で日本のことはあまり考えていないことが理解できた。日本批判も国内の支 持率アップのため、保守派潰しの一環でしかないように感じた。
・第六章 変調、そして日韓激震 →大法院の判事がスキャンダルで脅かされて判決を忖度するとは、司法の独立は無いのも同然だと思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・著者によれば、文政権としては、日本との関係を自ら進んで傷つけようと考えているわけではなく、「日本とは未来 志向の良好な関係を構築したい」そうだが、本当なのだろうか? ・地域ごとの分断は詳しく書かれていないのでよくわからない。
3.実践してみようとおもうこと
・韓国のニュースを見る時は、保革分断の視点を忘れないようにする。
5.全体の感想・その他
・韓国内の保守・革新の政治対立は歴史的にも地域的にも複雑かつ深刻なのだとわかった。
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保守派と進歩派間の「南南葛藤」とそれに起因する「帝王的大統領」の強さと儚さという2つの視点が新鮮で面白かった。日本のニュースでは日本と韓国という構図で語られることが多く、韓国内部の政局が報道されることは少ないが、これらの視点により韓国の論理も理解しやすくなると感じた。
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韓国国内の保守派・進歩派による深刻な争いと葛藤が、韓国の北朝鮮、日本への対し方の背景にあるという趣旨。激しい争いで、どうしてそこまで行き過ぎるのか、と感じる点が多いが。
韓国国内の保守派と進歩派の苛烈な潰し合いは「南南葛藤」と呼ばれる。現在の文在寅大統領は進歩派、前大統領の朴槿恵は保守派。前政権の政策を全否定するのは、アメリカのトランプ政権も同じ、日本でも安倍首相が民主党政権について述べることもあるが、韓国はかなり極端。相手を徹底的に叩き潰す背景には、時の大統領に多大な人事権があり、強大な忖度が多くの権力やメディア、企業にまで働くことがあるらしい。
保守派も進歩派も南北統一を目標としているが、アプローチが違う。大統領の任期は5年、再選が無いために任期の後半になるとレームダック化するらしい。朴槿恵の退陣も任期の後半。朴槿恵を利用した崔順実が新興宗教の教祖という怪しさはあったものの、事が大きくなり退陣にまで至ったのは、求心力が下がってくる時期だったことも影響。
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弾圧に対するロウソク革命で政権をとった親北・進歩派の文在寅は、保守派の政策や体制を一掃し、自分たちの価値観や理念で韓国を染めようとしてきた。反日はその過程における派生。保守派・進歩派双方が革命をめざす韓国の分断は深い。
二大政党による交代制が理想とよく言われますが、双方が革命を目指しているというのも、問題ありなのだなと思いました。
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NHKソウル支局長を勤めた著者による韓国近現代史。文在寅が大統領に就任して以降、日韓基本条約締結以来最悪と言われる最近の日韓関係悪化の原因を韓国国内の進歩派・保守派対立に求める。
韓国現代史の中で政権の奪還 + 報復を繰り返して来た進歩派・保守派の歴史を踏まえ、現在の韓国国内に見られる反日も「行き過ぎた保守派否定」の結果に過ぎないと説くのだが、さすがにそれは無理があるのではないかという印象。事実、文在寅の親北政策は今や単なる茶番に終わり、反日・反米・経済政策と合わせて単に能力がなかった指導者という解釈の方が自然。とは言うものの、現代韓国を理解するために非常に示唆に富んだ一冊で、韓流ファンも嫌韓派も必読の一冊。
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NHKソウル支局長を務め、今はBS1「国際報道」キャスターである池畑氏による韓国政治分析。保守派と進歩派との「南南葛藤」と、両派の何れかに基盤を置く「帝王的大統領」という観点が明快な好著。朴槿恵人気やその任期前半での進歩派弾圧など、すっかり忘れていた事実も思い出すことができた。
現在の文政権もあくまでも「反保守派」であり、「反日」ではないというのが筆者の
理解。もっとも、出版はあくまでも日本の半導体禁輸措置以前なので、それ以後の評価についても聞いてみたいところではある。
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韓国内の保守派と進歩派の間の政策の最大の違いは、北朝鮮と敵対か融和かの違いだという。
朴槿恵も保守として頑張っていたが、占い師との不適切な関係が明らかにされた結果、民衆の絶望==> 進歩派への政権交代へとつながった。
現在の文政権はあくまで「反保守派」であり、「反日」ではないというのが筆者の理解のようだ。
光州事件の背後には、北朝鮮によるトンネルを通じた韓国への侵略作戦という、時代背景があったという話。
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