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商品説明
太平洋戦争が激化する1945年、東京下町の春。アメリカ人の父を持つ14歳のタケシは学校や軍需工場でいじめの標的にされていた。空腹で苦しい日々にもかけがえのない時が訪れるが、少年の頭上についに焼夷弾が降り注ぎ…。【「TRC MARC」の商品解説】
敵国に父を持つ14歳のタケシが知った本当の戦争。焼夷弾が降り注ぐ夜、少年は家族を守り切れるのか。語り継ぎたい新たな3.10の物語。【商品解説】
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紙の本
戦争に立ち向かう文化の力。 暴力に対する対話の力。 戦争ほど残酷なものはない。 戦争ほど悲惨なものはない。 タケシ、ミヤ、テツ、登美子。 1945年の4TEEN。
2023/01/22 15:12
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生の時、「戦争の話を取材する」という宿題があった。
都営住宅に住んでいた私は、母と相談して「13階の高橋さんのおじさん」にお話を伺うことにした。
高橋さんは、少年時代に第二次世界大戦を経験。
航空機に追いかけられて、すぐそばに爆弾を落とされ、九死に一生を得た体験を語って下さった。
この小説を読んで、高橋さんのことを思い出した。
戦争が、ただの歴史でなく、人と人が殺し合う最高にむごいことであることを実感したのだ。
時は、1945年3月。
物語の舞台は、東京の本所区(現在の墨田区)。
主人公のタケシは14歳。
アメリカ人の父、日本人の母のもとに生まれた。
9歳の時にシアトルから東京本所に母と引っ越してきた。
父の国と母の国が戦争をしている。
「鬼畜米英の子」「スパイ」などと酷い言葉を浴びせられながらも、中学生の青春の日々は続く。
そのささやかな日常を、戦争が全て奪っていく。
1945年3月10日未明。
東京大空襲。
タケシの住む地域では半分の方がなくなり、9割の家屋が焼き尽くされた。
父の国の飛行機から焼夷弾が落とされ、町中が火の海に包まれる。
目の前で人が死んでいく。たった数時間のうちに何度も何度もだ。
これが戦争だ。
著者は、文化の力で絶対悪の戦争に切り込んでいく。
「池袋ウエストゲートパーク」にも必ず登場するクラシックの名曲を、戦時下のタケシの部屋に登場させる。
戦争に立ち向かう文化の力。
暴力に対する対話の力。
戦争は美談なんかではない。
青年の未来を奪い、子供の希望を打ち砕き、母に涙を流させる。
語り継いでいかなければならないものがある。
戦争ほど残酷なものはない。
戦争ほど悲惨なものはない。
タケシ、ミヤ、テツ、登美子。
1945年の4TEEN。
石田文学の金字塔がまた一つ。