0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近よくあるといえばよくある、
多様性と「普通」の対立、というか共存。
これがさすがの柴崎さんの文体で綴られる。
黄色い家。
ファストファッション。
1人暮らし。
車。
生活の中の個性から、
さまざまなものを暗示させる。
暗示させられているものを、
暗示していると認識してしまうこと自体が、
世の中の「普通」に毒されている証拠かもしれない。
投稿元:
レビューを見る
日々をていねいに。
楽しみをたいせつに。
わたしとあなたは違うから、
わたしは、わたしが前を向けるように生きる。
投稿元:
レビューを見る
女性の生き方について、三者三様の人生が描かれている。夫に先立たれたゆかり、三十代後半で独身の主人公、子供を持たないと一人前ではないと焦る二十代の沙希
作者は、どの生き方が正解か答えは出していない。三人が食事や住む場所を介して緩く関わっていく。
多様化が進んだことで、女性の生き方も増え、悩みも増えたのだと思う。自分の生き方と重ねながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
普通って何?器量って何?価値観って何?
日々の生活の中で当然だと思って振り翳している物差しも、コミュニティ、いや、人が違えばただの棒、それを他人に強要すれば、刃物にさえなり得る。
春子の気持ちもゆかりの気持ちも痛いほどよくわかる。沙希については、未熟さもあるが、そもそもの育ちの悪さとか浅はかさが気になって、読みながらイラっとしてしまった。
才能があっていいよねー。確かに受け止め方によっては、嫌味だな。その人の過程とか全てすっ飛ばしているし、言っている側の言い訳にも聞こえる。気をつけよ。
春子のように、1人の生活を、なんとかささやかな幸せと共に送れたらいいな。
投稿元:
レビューを見る
一軒家の離れに住む春子39歳。その母屋に住むゆかり63歳。母屋の裏に住む新婚の沙希25歳。年齢も性格もバラバラな三人が知り合い、少しずつ付き合いが始まっていく。それぞれの暮らしや事情のなかで見えてくる価値観とそのズレ。そのズレを感じた時にどうするのか。その微妙な距離感が歯痒くもあるけれど深くないが故に時には心地いい。一人で生きていくことと、結婚して家庭を持つことの考え方の違いとか、身近なことが散りばめられていて読み応えがある。柴崎さんはあまり読んでこなかったけど他の作品も読みたくなるくらい印象的な物語。
投稿元:
レビューを見る
単行本でも文庫でもカバーに3人の女性が描かれている。
私は沙希を、きらたかし「赤灯えれじい」のチーコのド金髪で思い浮かべていたのだが、文庫カバーではゆるふわな黒髪だった。
確かに直球ヤンキーな長距離トラックドライバーと、マイルドヤンキーとはいえ医院の受付とは、随分違う。
解釈違いだった。
柴崎友香の小説で私が好きなのは、カッコつきの「淡々とした日常」の中で、視点人物が町や建物や対人関係についてあれこれ考える、そのどこかのタイミングで日常がグニャリと変容するような気づきを得る……結果的に高度な都市論や記憶論が小説として展開されている、という点。
その意味で本作はやや「淡々とした日常」寄りすぎるかな、とか、「毎日新聞」連載だから読者層を慮っているのかな、とか邪推したが、そんな自分の読書中の感想は、間違っているな、と読後気づいた。
作中、様々な形で、「生きづらさ」や、性愛や生殖にまつわる「抑圧」が、押しつけられる。
40がらみの男性として、アラフォー女性の「昨今のあるあるネタ」だろうと軽く見ていた、かもしれない。
春子は、その都度、それこそ「グニャリとする」くらいの怒りを、覚えていたのかもしれないのだ。
わかりやすい漫画なら「はい~このオッサンブッ殺す」と書いていたかもしれないレベルの抑圧が、たびたび差し挟まれているのだろう(5ちゃんねるのスレッドが思い浮かぶ)。
しかもその「圧」は、年配男性からだけではなく、図式的にいえば同胞であってもいいゆかりや沙希からも、(ゆかりの場合)やんわりと、(沙希の場合)ツンケンと、齎される。
……非公開の読書メモ用に、誰が何をしたというあらすじをメモしながら読んでいたが、そこには反映しきれなかった、「春子はこう思った」という点こそが、作者のメッセージなのだろう。
似た状況の読者にとっては、春子はある意味で救い主(日常生活と地続きの「ヒーロー」)のように感じられるのだろう。
投稿元:
レビューを見る
春子の気持ちがわかるような、わからないような。。
私も出産も結婚もしなかったら、こんなふうに感じたかな、と想像しながら読んだ。
私は年齢的にも立場的にもゆかりに近いのかも。
淡々としすぎていてちょっと話に入り込みきれなかった。
投稿元:
レビューを見る
ごめんなさい、あまり好みではなかったです…相手を受け入れ認め合う大切さを伝えたいのかなと感じたが、登場人物達の心情に共感できなかった。(特に沙希さん)
投稿元:
レビューを見る
情景が思い浮かぶような物語でした。
子育て中の私には3人の主人公よりも、
直美の今の状況や、大変ながらも子供が小さい頃のことを思い浮かべることが多かったため星3としました。子供が巣立ったら、ゆかりの気持ちがわかるかなぁ、年代別に色々と楽しめる小説だと思います。
投稿元:
レビューを見る
ハッピーエンドの終わり方でなかったのが以外であったが、それぞれ価値観が異なる人と生きていく中でお互い考え方が異なることもあるのだなと。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの柴崎友香さん。こんなコテコテ関西弁だっけと思いつつ、嫌いじゃないって、テンポ良くて物事が楽しくなっているって事。離れの見た目古い家の設定もいいかなあー、3人の掛け合いなんだけど、だんだんと仲が深まる訳ではなくて、ラストに春子がはっきり意思表示してる場面もあって、そこからどうこうする訳じゃない。天橋立旅行も沙希のむくれたしで、その後もゴタゴタして本音が黄色家に住む為にゆかりと上手く付き合うだけ、ドライだな、春子に押し付けた位を娘に?かなあーそんなでもないけど。事件のない無刺激の小説 こういうの好き
投稿元:
レビューを見る
主人公の春子と年齢こそ違うものの、恋愛や結婚出産に興味が無いとか、それらを当たり前にする前提で話されると居心地悪くなるところとか似てて自分の話のように読んでた。完全に分かりあうことは不可能だけど緩やかに連帯している3人の関係性は良かったな。ただ私だったら沙希の無神経な言葉とか、ゆかりのお節介とか一瞬で嫌になってそこから離れようとするだろうから、その連帯が維持されてたのは春子の性格があってこそかなと思ったり。
投稿元:
レビューを見る
なんかな〜、普通の女性の話なんだろうけど。
ゆかりは世話を焼いてもたいして感謝もされず、「むしろそれがあなたの楽しみなんでしょ?めんどくさいけど付き合ってあげるわ」的に済まされる。嫌なことを言われても、母性満開で「いろいろあって大変なのね〜、そういう態度を取るのもわかるわ〜」と全てを許す。63歳の孤独なおばさんは人と付き合うにはそこまで無理しないといけない訳?
沙希は自分が親切にしてもらっていても、他所から聞いた噂話を優先して相手を評価する。最悪。
たとえ悪意がなくても、自分の生い立ちから強がって出る言葉だろうと、ズケズケと嫌なことを言う沙希のような人とは例え他に友達いなくても付き合いたくない。春子は親に言われることは嫌で距離を取ってるのに、なぜ沙希の言うことは許す?若いから?沙希が50歳でも許せる?
春子はゆかりに食費を払ってるの?いつもご馳走になりっぱなし??それともやっぱりおばさんはお金使わないと誰からも相手にしてもらえないの?
どうしてこの三人がつるんでいるのかわからない。
一緒にいて本当に楽しいの?
投稿元:
レビューを見る
独身で、恋愛もしてなくて、働きながら一人暮らしをしている主人公の生活に憧れる。
今の私と同年代だから、余計に。
ひとりを楽しみながら生きていけるのって素敵。
大きな浮き沈みもないけど、地に足をつけた生活。
いいなあ。かっこいい。
ご近所のゆかりさんは少しおせっかいだけどおしゃべり好きでいい人だし、こんなおばさまとご近所だったら楽しいかな?うっとうしいかな?と考えながら読んでしまった。
20代で新婚の沙希が、自分勝手とも思える言動だけどその危なっかしい不安定さは、素直さの表れなのかもしれない。
みんなそれぞれ事情はある。それを表に出さないだけで。
投稿元:
レビューを見る
柴崎友香さんの日常感とか、そこで流れてくる日常の中での人生観、感覚はやっぱりおもしろいけれど、そのすべての中ではこの作品はいまいち…
主要登場人物の沙希さんに共感出来ないからじゃないかと思う。遠慮のない人が、苦手なのかもしれない。