紙の本
企画力は、いかなることにも威力を発する!そんな企画書のバイブルのような一冊
2020/11/27 15:17
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀を代表するイタリアの美術家あるいはデザイナーにして、教育者、研究家。ついでに絵本作家などの顔を持つ、いったい何屋さんだか不明のブルーノ・ムナーリ。
本書は、ひそかに企画力養成バイブルとも思える内容。
たとえば、何かに行き詰ったら、ピラピラとページをめくる⇒とりあえず目に留まった章を読む⇒するとたちまち天啓がおりたかのように霧が晴れ、新しいアイデアとか突破口とかが生じてきそうでもある。書店ではデザインなどの棚にあるけど、それがかなりもったいない汎用性を持つ本と思います。
紙の本
背筋が伸びる思い
2023/03/30 18:15
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投稿者:ヨウキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の33ページから始まる「問題とはなにか?」を特にお勧めしたい。企画に必要な手順を詳細に説明しており、デザイナーの主たる仕事はアイデア展開やスタイリングではなく、問題を正しく定義するためのデータ収集や実験といった調査が大半であることに気付かされる。ムナーリが明快に語ることを正しく実践することのなんと骨の折れることか。しかし、企画とは元来このように手間のかかるものであって、自己の創造性を誇示する機会ではないのである。「ただ,工場は新しい製品を製造販売するために,偽りの必要を作り出すこともよくある。その場合,デザイナーは,工場だけの利益となり,消費者にとっては損となるような仕事に関わるべきではない。」デザイナーの扱う問題が複雑化した現代にも通用する良書である。
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2007 日本の影響大な気がする、方法論としてデカルト的手法
問題→問題の定義→問題の分解→データ収集→データ分析→創造→素材技術データ収集→実験→模型→検証→製図→解決
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図版豊富。イタリア人デザイナーの感性を見ることができて面白い。もっといろいろな国の人と話してみたくなる。
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秀逸な企画方法論。企画するのはそのやり方を知っていれば簡単なことである。問題の解決に至るための方法を知っていれば、どんなことも容易となる。
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大学も3年を終わろうとしたとき、まじめに勉強しようと思い、初めて手に取ったデザインの本。そして初めて読んだムナーリ先生の本。
まぁ、今ではデザインとは違う方向に歩もうとしているけれど・・・。
しかし、デザインだけではなく、日々の生活に道しるべを与えてくれるのが、ムナーリ先生の良いところ。アートやデザインに興味の無い方にもオススメ。初めて読んだときはまさに「目からウロコ」だった。
タイトルが示しているようにこの本は、デザインが何か他のものから生み出されることを教えているのであって、何の脈絡もない創造力を奨励するものではない。具体的には、デザインのプロセスや、ノウハウが、実際の例を用いて解説されている、理論的な内容である。
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「豪華さはデザインじゃない」
「解決できない問題は、問題じゃない。
解決できる問題は、問題じゃない。(彼の友人談)」
深い。まったくその通り。
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デザイン企画のやり方の本。
五感で感じるデザインを。これは先生にも教えられたこと。五感で感じるデザインをして、感受性を育んでいけたらいいな。
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デカルトの言葉が引用されていたが、デザインの世界でも科学的な手法が大切であることが分かった。問題をどう定義し、どう解決するかなんだということが。
1、 私が明証的に真理であると認めるものでなければ、いかなる事柄でもこれを真なりとして認めないこと
2、 検討しようとする難問をよりよく理解するために、多数の小部分に分割すること
3、 もっとも単純なものからもっとも複雑なものの認識へと至り、先後のない事物の間に秩序を仮定すること
4、 最後に完全な列挙と、広範な再検討をすること
その中でも彼の友人の言葉「解決できない問題は、問題ではない。解決できる問題は問題ではない。」は奥が深い。問題は先ず解決できるか、できないか見極められなければならない。
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デザインという言葉を聞くと,華やか,きらびやか,カラフルといったイメージが湧く。スタイリッシュとかファッショナブルとかいったイメージもある。このようなイメージからは豪華な装飾が施された製品を思い起こすかもしれないが,著者は「豪華さはデザインではない」と断言する。インテリアのデザインであれば,「家具は最小限のものでじゅうぶん。居住空間を最大限に利用して。用途に応じた環境の証明を」等々。また,著者は,単純化こそ難しく創造力が必要とされる作業である,とも言う。
本書はデザイナーである(絵本作家でもある)ブルーノ・ムナーリのデザイン論であり,デザインに関する「企画の方法論」を述べている。ただし,デザイン設計に関わらない人でも,本書から得られるものは大きいだろう。
「問題とはなにか?」と題された章では、企画の方法論として「どのように問題を解決するのか」の手順について論じている。まずは問題を定義し、その問題をいくつかの下位問題に分解し,そして…最後に問題が解決される。これはどんな仕事についても必要な(有益な)考え方だろう。営業であれば「商品(サービス)を売り込むとはどういうことか」を定義するところから始める,など。
多数のイラストや写真も見ていて面白く、お勧めの一冊である。
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原題が覚え書きとあるだけに、作者のさまざまなものへのデザインへのアプローチがとりとめもなく綴られている。しかし覚え書きがどんどん出てくるのがすごい。多才な人だな。デザインというのは機能美を追求して装飾をそぎ落としたもの。それはシンプルで美しい。
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○(要点、面白いと思ったところに鍵括弧をつけてあります)
○デザインはデザインでも、単なる「工業的なデザイン」ではなく、「技術的なデザイン」の本です。著者はこの2つを明確に区別しています。というのも、前者があくまで見た目(美的感覚)に重きを置く「(いわゆる)デザイナー」なのに対して、後者は美的な視点を含めたより広い意味での「企画設計者(progettista, planner)」なのです。
○企画設計者とデザイナーにはいくつかの違いがあります。まずなんといっても、企画設計者は職業的な設計者です。デザイナーが天才的革新的な閃きによって問題に挑むのに対して、企画設計者は経験から積み上げてきた方法論があるといいます。
○それにはまず、既存のモノをみつめてみること。そこには様々な問題があり、だからこそ企画設計者が働きかける余地があります。そこから問題を定義して細分化、解決に至るための体系的な方法をもつことで、最小の労力で「無駄のない創作」を行うことができます。この本は、まさにこの方法論を踏まえた実践例の本です。
・・・以下感想・・・
○企画設計者にとって重要なのは単なる見た目だけではなくて、「だれに」「どのように使われ」「それはどんな感覚を利用者に引き起こすだろうか」などというような、使われるという視点をもっているということなのだと思います。
○著者は、日本のノコギリや伝統家屋のデザインを称賛しています。ノコギリは見た目にも実用的にも完璧で(著者曰く、ジュードーの技術、思想!, p. 126)、日本の伝統家屋は空間を見事に利用しているとのこと(ふすまや障子などによって空間の大きさやあり方を自在に変化。著者曰く、内外を合一する禅の原理!, p. 345)。
○もちろん、この方法論を使えばいくらでも創作ができるということではありませんが、この方法論は創作を進めてゆくために大いに役立つと思います。デザインはもちろん、それ以外にもなんらかの創造、生産を行う人におすすめしたいです。
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キラキラした楽しいデザインの覚書。
生産技術への言及が目立つのが、実際にモノを作っていたデザイナーとしての関心の所在を感じさせる。
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イタリア人デザイナーによる設計論。堅苦しくなく、訳も読みやすく、読んで良かった。題材はかなり古いものが多いが初版は2007年と10年前のもの。原書は相当前だったのだろう。ちょっとコンセプト的に意味不明の題材もあったが、改めて勉強になった。前半の仕様設定→実現のプロセス例は、まさにこういう説明を求めていたと感動。自身の考え方を一部補完、一部修正、一部確認、とできたことがありがたい。なぜか知らないが本書読了後、妙な元気が出てきた。
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ブルーノ・ムナーリのデザイン論であり、デザインに関する「企画の方法論」を述べている。ブルーノ・ムナーリはイタリアの著名なデザイナーで、祝儀のデザインをお願いしている三木氏が崇拝している。
デカルトの方法による4つの規制・豪華さについて・問題とはなにか?など、ムナーリーが考えるデザイン論を解説している。
デザインとは問題解決である。
豪華さとは、貧しい人をびっくりさせようとする野蛮な豊かさの表れである。これは外見に与えられた重要制性の表れであり、文化的向上などといったことにはまったく関心がないということの暴露である。
つまり豪華さとは、実質に対する見た目の大勝利のことである。
豪華さとは、他人を見下したいと感じる大勢の人にとって必需品である。
豪華さとは、じつは愚かさの表れでなのである。