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商品説明
漠然としたイメージが先行して語られることが多い中央ユーラシア地域の歴史像。ソ連解体を経て大きな変容を遂げた中央ユーラシア史研究の最新の成果をもとに、鮮明な歴史像を描く。見返しに地図あり。【「TRC MARC」の商品解説】
今日のグローバリズムの時代において、世界はますます距離を縮めている。中央ユーラシア地域もまた例外ではない。しかしながら、今の日本において、中央アジアからヴォルガ・ウラル、クリミア、コーカサスまでを含むこの広大な空間について、はっきりとした地域像が結ばれるとはいいがたい。その歴史像は漠然としたイメージが先行して語られることが多いだろう。本書は、1991年のソ連解体を経て大きな変容を遂げた中央ユーラシア史研究の最新の成果を、とりわけこの地域が近代帝国に包摂されていく19世紀から20世紀初頭に焦点をあてて多面的に示し、より鮮明な歴史像を描こうとするものである。
各章の考察によって、中央ユーラシア史の最大の魅力とも呼ぶべき、民族・言語・文化といった多様な要素の共存がいっそう浮き彫りになるだろう。【商品解説】
目次
- はじめに 中央ユーラシア史研究の現在 (野田仁)
- プロローグ 遊牧民とオアシスの民,そして交易―モグール・ウルスからジューンガルへ (小沼孝博)
- 第I部 遊牧民社会の実像
- 第1章 英雄叙事詩が伝えるノガイ・オルダ (坂井弘紀)
- 第2章 遊牧民の法と社会―ロシア統治下カザフ草原における19世紀前半の変容 (野田仁)
- 第3章 遊牧英雄のリアリズム―近代を生きたあるクルグズ首領一族の生存戦略 (秋山徹)
- 第4章 カザフ知識人とイスラーム―遊牧民社会の近代化の方向性をめぐって (宇山智彦)
- 第II部 オアシス地域の変動
- 第5章 19世紀コングラト朝ヒヴァ・ハン国の君主像 (塩谷哲史)
- 第6章 ワリー・ハン・トラ―コーカンド・ハン国滅亡期におけるマルギランのスーフィー指導者 (河原弥生)
収録作品一覧
中央ユーラシア史研究の現在 | 野田仁 著 | 1−10 |
---|---|---|
遊牧民とオアシスの民,そして交易 | 小沼孝博 著 | 14−31 |
英雄叙事詩が伝えるノガイ・オルダ | 坂井弘紀 著 | 34−55 |
著者紹介
野田 仁
- 略歴
- 〈野田仁〉1974年生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授。
〈小松久男〉1951年生まれ。東京大学名誉教授。著書に「革命の中央アジア」など。
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