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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
大嫌いな虫を克服するために、いろいろなことを試してみます。大好きになることは無理でも、克服しようとするのがいいですね。
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私は虫好きだが、嫌いな人がどう克服するか興味があったので、読んでみた。
読んでみてまず、この著者は、素敵な人であると思った。
世の中、「〇〇嫌い」という人はたくさんいるが、「なぜ嫌いなんだろう」「できれば好きになりたい」と思う人はごく少数。大抵は「嫌いなものは嫌い」と改めようなんて微塵も思わないばかりか、「〇〇が好きなんてどうかしてる」と攻撃したり、「〇〇なんていなくなればいい」とさえ思っている。
著者はこの世の多様性を受け入れよう、わけもわからず排除するのはやめよう、という信念があり、それを実践するために、とりあえず苦手な虫を選んだのだろう。
で、虫が好きな人を訪ねて、自分と向き合うのだが、相手が昆虫学者だけじゃないところがとてもいい。虫と子どもの関係を研究している発達心理学者、虫のオブジェを作る芸術家、「こわい」を研究する心理学者、害虫駆除の研究者など。この人選をした編集者は素晴らしい。
どの人の言葉も印象に残るものがあった。
子どもは虫を殺すことで「死」を学習する。「殺しちゃう、という体験は虫が相手だからできるんです。」(P23藤崎亜由子)確かに私も幼い頃、蟻の巣に水を流し込んだり、カナブンを父のピース缶に詰め込んだりという意図的なものから、蝶やバッタやセミを捕まえて、籠に入れたまま放置という無意識的なものまで、さんざん虫を殺した。死骸を見たとき、後ろめたい思いをした。
虫と触れ合うのは、自然や科学に興味を持つ役割以前に、「生と死」を感じさせるものなんだな。科学(理科)ができなくても生きていけるが、「生と死」を考えることは必要な経験だ。
ラジオの子ども電話相談で昆虫担当の久留飛先生もいいこと言ってた。「虫は長生きできんのや。それをかわいそうって思うかもしらんけど、にんげんとは生き方が違うんやなあ。」(P27)違う生き方を受け入れるって大事だ。
虫嫌いを克服したいと思っている人はあまりいないかもしれないが、「自分とは反対人の話を聞いてみる」「そもそもなぜを考える」ということの大切さがわかる本なので、虫に興味がない人にもおすすめしたい。
たった一点反論したいのは、「虫が好きかきらいかを決めるのは親」(P46)という奥山英治さんの意見。うちは私が虫好き、夫は普通(田舎育ちなので、虫がいるのが当たり前、好き嫌いはない。)だが、娘は口をききはじめる1・2歳の頃から「むち(虫)っ!」と逃げ回り、私が捕まえて可愛いよ、面白いよ、綺麗だよと何度も言い聞かせ、虫取りにも連れて行ったけど、虫好きにはならなかった。見るのもダメという程ではないが、凝視するのはダメ、触りたくもないらしい。私の子どもなのに不思議だが、「生理的嫌悪」というのは生まれ持ってあるのではないかと思う。(人によって違う。)しかし、「虫が好きなんてどうかしてる」とは言わないし、虫グッズを見て「お母さん好きそう」と教えてくれたりするから、そこは私の教育の成果なのかもね。(自画自賛)
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虫ぎらいの筆者がいろいろな人から虫の話をきいて、虫ぎらいを克服しようとする一冊。
かわいいイラストもあり、エッセイのような文体なので、堅苦しくなく、気楽に読めます。
インタビューも虫の専門家だけに話を聞いているわけではないので、多角的な視点から虫について考えることができます。
虫ぎらいではあるけれど、調べることで少しでも面白がったり、興味を持って接することができるようになりたいという気持ちが、知識欲としては正しいし、美しいなと思いました。
最後の取材を終えてに、
“人をしあわせにするのは「きらい」じゃないんだ、「好き」なんだ。"
とあったのが、非常に印象的でした。
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虫ぎらいの著者が、コンナコトデハイカン、地球の大先輩に敬意を表せるようにならなくては!と奮起して、各地の昆虫マスターにお話を聞きに行く。果たして?
マスター・藤崎亜由子(幼稚園の先生)
虫ぎらいは幼稚園年長女子から、あらわれる。
子どもは死を虫を通して体験する。
マスター・くるびかつあき(こども科学電話相談室)
小学校3年生までは、虫を好きでいてほしい。
マスター・奥山英治(野生生物研究所)
虫が好きか嫌いかを決めるのは親。
アメンボはアメの匂いがするから。→飴と雨の勘違いな気がする?あとで、調べる。→確認。「飴」だって!
ハイイロチョッキリ、声に出したい。→私も!
マスター・奥村巴菜(昆虫モチーフアーティスト)
虫と、虫が嫌いな人を繋ぐ役目が出来たらいいな。
「私たちは、私たちのフィルターを通して見える、この愛すべき世界を伝えたいのだ。」
→作品見た。愛嬌のある昆虫たち!
マスター・瀬戸口明久(害虫博士)
ゴキはかつて、豊かさの象徴だった。
江戸の時代くらいまでは、「虫」=「昆虫」ではなく、「虫」=「たたり」のようなものだった。虫送りなど。
マスター・河合信幸(認知科学の専門家)
ヒトは生まれながらにしてヘビが怖い。恐怖が人の脳をデカくしたという仮説。
「恐怖」と「嫌悪」は違う。
マスターへの道。昆虫園にいく。
「虫好きの聖地」=「虫嫌いの地獄」
マスター・古川沙織(飼育員)
虫たちは仕事仲間。
虫嫌いは治らなかったけど、近しいものに感じられるようになっておられた。
私はゴキだけはムリなのだが、世界中からいなくなれば良いと思わないよう気をつけよう。そう、距離感が大切なのよ。たぶん。
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虫好きの人たちはみな
無理に虫に触らそうとしないのがいいね
虫=可愛い=好きになってほしい=無理強いしない
まっとうな好きのやり方です
その優しさの中でも
著者の虫嫌いはなかなか手ごわく
相手の申し訳ない と思う気持ちがあっても
手が動かない・・・という葛藤がコミカルです
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世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑
で著者を知りました
やはりモワワンとして お人柄に惹かれます
「虫ぎらい」
でも目の敵にせず
なんとか「好き」は無理でもと奮闘する
イラストがかわいくて
力が抜けてて読みやすい
私も「虫ぎらい」の一人かもしれないけれど
殺虫剤売り場に行くと慄然とする
ここまで憎むかと
せめてゆるーく共生したい
楽しく読みました
≪ 複眼が なければけっこう かわいいよ ≫
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働いている頃は、ほとんど昆虫に関心がなかったです。歩いてて、蟻を踏みそうになったらよけるくらいで。仕事から解放され、森や小川の岸を歩いたり、園芸で花木や野菜を育てたりしているうちに、小鳥や沢山の昆虫と顔馴染みになりました(^-^) 同時に自然の営みの畏れ多さと、人間のちっぽけさに気づかされました。金井真紀「虫ぎらいはなおるかな?」、2019.5発行。虫ぎらい歴40年余の著者が7人の昆虫の達人に教えを乞うた書です。虫は人間の大先輩。4億年前から地球に。人間は7百年前から。
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虫ぎらいはずっと悩みのタネなので、軽い気持ちで手に取った。
虫に関わりのある様々な学者や、幼稚園や動物園の現場の方などへのインタビューをしながら、本当の興味は「虫嫌いの克服」よりちょっと奥の方にあるようである。(まあ「恐怖の克服が一番の関心事」なんていうよりはよっぽど健全なのかなと思う。)
命にかかわるような「恐怖」はともかく、「嫌悪」とどう付き合っていくのか?「嫌悪」だって人間が生存のために獲得した能力なのだ。どう立ち向かうのかではなく、どう付き合っていくのか。それにはやっぱり知ること、面白がることが入口になるんじゃないかという話が多かった感じだ。「虫」のような嫌悪の対象自体を知ることもそうだし、「嫌悪」自体を知る、嫌悪する「人間」自体を知るということも、そこには含まれているということでもある。できることから始めればいいよ、別に始めなくてもいいよ、というゆるさがあって、それも大事なんだろうなと思った。
個人的な体験についてのメモ。自分の虫嫌いのきっかけとして覚えているのは、夏の夜、歩道橋の街灯に惹かれて階段の隅で山盛りの死体になっている虫たちの姿だ。子供の頃の自分にとって、生き物はこんな風に簡単に死ぬのだということは、何が何でも拒否しなければいけない事実だというふうに見えていたのだと思う。虫と向き合う時にはいつも同時にいろんな人間の死とも向き合っている。「嫌悪」と「恐怖」がちゃんと地続きで存在している感じ。なかなか難しいなと思うのだが、このシンプルに解決しない感じ自体は、最近そんなに嫌いでもなくなってきている。
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面白かった。著者は虫嫌い
7人へのインタビュー
虫陶芸家や認知科学、害虫史研究など多分野の人を選んでいるのが、いい選択
何かを殺す罪悪感、幼稚園児は虫だから体験出来る
虫好きの子は放っておいても虫と遊ぶので子育てが楽
虫や動物は人間の心の休憩所
幼稚園の先生、虫嫌いに悩む
なぜ虫の病院はないのか?子供相談室の質問
女性陶芸家の虫作品、複眼はリアルに作らない
可愛くなくなる。ツノゼミなど、奥村巴菜
ゴキブリ、戦後になって害虫認定
虫歯、水虫、よく分からん害悪が虫だった
小豆島の虫送り
恐怖と汗、蛇
喜び、驚き、恐怖、嫌悪、怒り、悲しみ。共通する6つの感情。日本人は恐怖と嫌悪を明確に分けない傾向。
恐怖にはフリーズ、フリー(逃げる)、ファイト
怖い(命の危機)は共通点多い、嫌悪は人によりけり
モラルに反する嫌悪は人間だけ
昆虫園の担当者にも虫嫌いはいる
ナナフシはほぼメスだけ
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図書館の本記録。
4歳長男が虫が大好き。長男に付き合っているうちに私も虫が好きだった頃のこども時代を思い出し、でも、やっぱり大人になってから苦手になってしまった気持ちがとりきれず、この本を手に取りました。
7人へのインタビュー。
とても面白かったです。
印象深かったのは、最後、著者がインドにいるときは虫を克服していたこと。環境の変化、不思議だなぁ。
あとは、奥山英治さんの
「同じ時代、同じ場所に生きている虫のことを全部知りたい」という言葉。私は「生きているうちに何冊本を読めるかな」と考える。
人は猿の時代から蛇を怖いと認識する、恐怖と嫌悪感の違いなども面白かった。
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虫ぎらいな著者 金井真紀さんが、昆虫の達人7名にインタビューし虫ぎらいはなおるのかを探っていくお話し。
理論社の「世界をカエル 10代からの羅針盤」というシリーズの一冊。
平易なことばで虫・昆虫と人間の関わりについて知ることができます。
昆虫の達人たちがそれぞれ魅力的。
そして、虫をきらいになるのは?人間が感じる好き嫌いという感情は?から、そもそも虫とは、害虫とは、と達人たちのそれぞれの視点で語られる人間と虫の関係について読んでいくと、人間(社会)の問題も浮かび上がってくる、結構内容は深いのである。
一人目、発達心理学の藤崎先生の言葉「大人もこどももにんげんとだけつきあってると疲れちゃんですよね。」
虫をきらいな人はもちろん、他人に対して嫌悪の感情しか抱いていないかのようなSNSでわめき散らすような人たちに辟易としている人はぜひ。読んで癒されましょう。
で、結局、著者の虫ぎらいはなおったのか?
結果を知りたい方はぜひご一読を。
最後に著者のことば、
「やっぱり「好き」はいいなぁ。人をしあわせにするのは「きらい」じゃないんだ、「好き」なんだ。」
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養老孟司さんも書いてたけど、人間以外の生き物と付き合ってる人たちは自由だし、力が抜けていてとってもほっこり。
あと、観察が愛、とか、親の反応が影響してるってのはまじでそうだよね。とはいえ自分が親になった時平然とできる自信はないけど。
虫だけに嫌悪感を抱く理由もわかった。
(他の動物と違って、おかまいなしに近寄って来るから。)
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内容:
「長いあいだ、心に蓋をして生きてきた。ときどき「虫が大好き」なんて人に会うと、羨ましいなぁと思いながらも、この問題に深入りしないよう気をつけた……。
虫ぎらいを克服したいと願っている文筆家・イラストレーターの金井真紀さんが、昆虫館の飼育係、虫のアーティスト、ナチュラリスト、教育学者など、虫の達人にインタビューしながら、虫との付き合い方を模索する本。はたして、虫ぎらい歴四十年……は、なおるのか?
河野通和さん(ほぼ日の学校長・「考える人」前編集長)推薦!「きらい」を打ち消すことはできなくても、識れば向こう側に「橋」を架けることはできるはず。
おはなしを聞かせてくれた方々
* 虫好きと虫ぎらいの分岐点を調査する教育学者 藤崎亜由子さん
* NHKラジオ「子ども科学電話相談」の名物回答者 久留飛克明さん
*『虫と遊ぶ12ヶ月』の著者で野遊びの達人 奥山英治さん
* ツノゼミやゾウムシをモチーフにする芸術家 奥村巴菜さん
*『害虫の誕生』の著者で科学史の専門家 瀬戸口明久さん
*「こわい」の心理を分析する認知科学者 川合伸幸さん
* 多摩動物公園の昆虫園ではたらく飼育員 古川紗織さん」