紙の本
社会教育学もしくは行政学、幼児・初等教育学の研究者向け
2022/02/28 20:51
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般の人がどうこうというものではない。これを参考にするとプレッシャーがかかるのではないだろうか。一人の人間の普段使う言葉の量はたかが知れている。
一方、そうならないようにするための支援や、保育園・幼稚園・学校でできることはなんだろうかと考えるきっかけになる本ではあると思う。
我が家はEテレに大変お世話になっているが、そうした第3者が作る幼児向け番組は、貴重なものだと言うことを読んでしみじみと思っている。
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一瞬かたっ苦しい論文調の本かと思いましたが、意外と読みやすかった。我が子はすくすく成長しておりこの本の中心ターゲットからは既にフェードアウトしてますが、自分と我が子とのいままでの関わりを思い返すのにちょうど良いきっかけになったし、今後の関わり方についても示唆に富んでおりました。
・始まった会話のやり取りが続くおまけの話通称「社交ダンス」が、言葉の複雑さを増し、姿勢の発達を促す。
・「頭が良い」と「グリットを備えている」人の違い。「頭が良い」と思っている人は何かで上手くいかないと、自分の頭が悪い、誰かが自分をワナにかけた、あるいは、そもそもこれは自分にとって大事なことでないと諦める。「グリッドをそ備えている」人は、何度も試してみようと、より真剣に取り組んでみるまでは諦めない。
・命令:子どもの意見を制限する。叱責や命令。
提案と促し:子どもの意見や主張、選択を引き出す。
・4つの「T」Tune in, Talk more, Take turns, Turn off
・Talk moreは子どもが言っている内容を穴埋めして言い直すこと。
・命令するのではなく、「なぜなら思考」。何かするには理由があるのだと子どもが理解していく手助けをする。
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赤ちゃんの「脳をつくる」プログラム、3000万語イニシアティブの事が分かる本。
大人になった時の「頭の良さ」は、赤ちゃんの時の言語環境、つまり3歳までにどのように話しかけられたかによって、その成長度合いが決まってしまう、ということらしい。そのことが、科学的知見に基づいて解説されている。また、適切な保護者の「話しかけ」方なども紹介されている。
手に取った方には、解説と訳者あとがきから、まずは読まれることをお勧めしたい。日本の現状を踏まえた本書の背景を知ることができる。
私が気になった、英語文化と日本語文化の違いについても、きっちり解説されていた。
それにしても、言葉を操るのに比較的Tune-Inが必要と思われる日本語を育てる環境が、国をあげて「貧弱」な方向に向かっている現状は、悲しい限りだ。おとなにきちんと話してもらえる子どもが一人でも増えることを、心から望む。
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めも: cocklear implant activitations @YouTube
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大人から0〜3歳児の話しかけ(3つ+1つの「T」)は、9歳頃の学力、その後の進路等々に影響するので、その時期の親子双方に働きかける支援をしていこう、という感じの話。
両親揃ってれば順調に育つとは限らない、ストレスの強い環境下では発達が阻害される、というのはたぶん他でも出てる話だとは思うけど、これも重要な視点だと思う。
途中からメモ魔よろしく引用メモをつけまくってしまった。日々の生活でも意識していきたい。
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子どもの将来の学びの到達点を決める必須の要因は、初期の言葉環境でした。どれだけの量の言葉を、どのように親が子どもに話したか、です。親がたくさん話した家庭の子どもはそうではない家庭の子どもに比べ、学歴の高さや経済的な地位とは無関係によくできる。とても単純な結果でした。(p.38)
関係があったのは言葉の量だけではありません。命令や禁止の言葉が、言語を習得する子どもの能力を抑えていることがわかったのです。「発達の足を大きく引っ張っていたのは、(子どもとのやりとりが)親の『ダメ』『ストップ』『それ、やめなさい』で始まった時だった。」(p.39)
もしあなたがC、A、Tのそれぞれの音も、つなげた時の音も聞いたことがなかったら?こうした記号はあなたにとってどんな意味を持つでしょう?誰もが「cat」という単語を知っている国に住み、あなたも手話で動物の「cat」を表現できる、でも、目に入ったC-A-Tは意味をなしません。これが読むことを学ぶ時、耳の聞こえない子どもが取り組まなければならない大変な道のりです。手話言語の知識は助けになりません。手話言語は意味を示す動きからできていて、書き言葉の英語とは違うからです。(p.64)
言葉の基本は、人間を他の人間と結びつけることです。赤ちゃんの脳は、この進化の産物です。赤ちゃんの脳は言葉を受け身で学ぶわけではなく、社会的な応答と相互のやりとりがある環境でのみ学んでいきます。毛する人と赤ちゃんの間で相互にするやりとりが、言葉を学ぶことと、学ぶこと全体の鍵です。(p.70)
自分はもともと「頭が良い」と思っている人たちが何かでうまくいかないと、自分の頭が悪い、誰かが自分をワナにかけた、あるいは、そもそもこれは自分にとって大事なことではない、と諦めます。一方、グリッドを持つ人たちが何かでうまくいかないと、初めてしてみたことだから、またなんども試してみようと、より真剣に取り組んでみるまでは諦めません。努力しさえすれば、たいていのことはできると信じているからです。(p.97)
3つのT
Tune In, Talk more, Take turns(p.128)
言葉を伸ばす時には、子どもがすでに知っている言葉を使い、それを積み木のようにして、いっそう精巧な文章にしていきます。動詞を加えたり、形容詞を加えたりする方法です。
たとえば、「このアイス、おいしい」は、「このいちごアイスはとてもおいしいね。だけど、すごく冷たい!」になります。(p.142)
子どもの知的な可能性に対してプラスの影響を与えることなど自分には何もできない、そう保護者が信じていたら、知的発達にとって必要な助けを子どもが受けられる可能性は低くなるでしょう。ここが一番の問題です。(p.193)
日本には、言語環境の貧困問題を、解決に導く機関や人的資源もあります。日本には、母子・父子手帳、新生児訪問、4ヶ月検診という素晴らしい母子保健システムがあります。また、全国約7000箇所に、未就園の親子を支援する子育て支援センターが設置されています。また約2万8000箇所の保育園・こども園を0〜3歳の子どもと親の多くが利用していま���。(p.254)
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3歳までの家庭による言葉の格差、の問題を貧困な生活や言語環境などから引き起こると問題提起し解決へと導く良書
だが、なんせ論文風で英語からの和訳…興味深い内容だが読みにくい、読み進まない、つまらない… ので、星3つ
子どもの感覚による学びを言葉と同様に尊重する=集中力の妨げをせず、ふと顔を上げた時に言葉かけをする、事実(穴が空いている、概念(丸い小さな穴は深そうだね、想像(ここには誰か住んでるのかな、どの言葉掛けをするのかは子に合わせる。
3つのT
Tune in 子どもの集中している対象物に気づき一緒に話す
観察→解釈→行動
Talk more 子どもと、話す
Take turns なぜ?どうやって?会話を膨らます
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結果をほめるのか過程をほめるのかでグリット(粘り強さ)の性質に影響が出る。「嘘をつくな」と「嘘つきになるな」という呼びかけだと、後者のほうが嘘をつきにくい。修正可能な余白を与えた呼びかけをするべき。
ストレス量は自己制御の能力へ明らかに悪影響を及ぼす。独り言を言うこどもほど自己制御の能力が高い。
(遊び終わった時に)「おもちゃを片付けて」と「おもちゃをどうすればいい?」は、後者がより実行機能の発達を促す
Tune in = 子供の関心(世界)にTuneを合わせた行動
Talk more = こどもが集中していることに対して言葉を増やす(ナレーションなど)。こそあど(代名詞)を除く。
Take turns = 子供に話す機会(turn)を与える
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語りかける言葉が脳を育てる。語彙に留まらず、考え方や困難への向き合い方まで影響するという研究内容。
訳されているので読みづらい、イメージしにくい、すっと入ってこない言葉はあるが、例が多いので理解できた。
・グリット=粘り強さ。上手くいかなくても努力すれば大抵のことは出来ると信じてやり抜く。
・過程を基本にした褒め方が望ましい。人を基準にした褒め方(頭がいいという褒め方)はNG。
・自己制御と実行機能:状況を悪化させる反応を無意識にしないで、課題解決に向かわせる力を伸ばすこと。←私はこれが欠けている?
✖️目先の服従「おもちゃを片付けて、今すぐ」
◯提案を自分が決めたものと感じる「遊び終わったね、さぁおもちゃをどうすればいいかな?」
このようになぜなら思考で子供に選択肢を与える、保護者がしてみせる等がよい。
・3つのTを意識して
チューンイン:子供が集中している対象に気づき、時に一緒に話す。
トークモア:子供と話す言葉を増やす←子供に向かって言うのではない。
親自身や子供のしていることの実況中継などがよい、代名詞は✖️。
3-5歳になると状況から切り離された言葉を使うようになるので、今ここ以外も取り入れる。
子供の言ったことを穴埋めして言い直す。
テイクターンズ:子供を対話の中に引き込む。親は子供が反応するまで待つことが大事。
◯開かれた質問「なぜ」「どうする」
✖️効果が限られた質問「何」←単語だけになりがち
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子どものお世話に関わる親、保育者は必読書的な存在ともいえるかも。
ただし、翻訳本したならでの読みづらさがある(個人的には、結論に対して、事例と根拠の後付けが多すぎて、読みづらいと感じてしまう)巻末の高山先生の解説だけでも読む価値は十分にアリ。
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生まれてから3年間に子どもが触れる言葉の量・質が子どもの話す言葉の量や学習に繋がること。子どもに話しかけるだけが重要な訳ではなく、大人の話す言葉が多く語彙が豊かであることが大切であると思った。子どもの将来の可能性を広げるために、大人が子どもにできることをしなければならないと思った。
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”3000万語”、”格差”など、タイトルが強烈で目を引きます。
筆者はアメリカの医師であり、この本は翻訳本であるため文章が少し堅苦しく感じる本かもしれません。
ですが子どもに対してどのような態度でどのような言葉をかければよいかなどの具体的な方法もしっかり紹介してくれますし、なにより著者から子どもたちへの愛情が感じられ、冷静な文章の中にもあたたかく丁寧な気持ちが織り込まれています。
この本を読むと、なぜ言葉の発達が子どもの成長において重要なのか、言葉の発達のために親や保育者はどんなことができるかといった問いへの答えが書いてあります。
全部を読まずとも、まずは具体的な行動の仕方が書かれている第5章から読んでみるのも良いと思います。
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私見
解説がとてもコンパクトにまとまっている。本文は訳にありがちで、長くて読みづらい。
保護者の3歳までの語りかけが重要というのはわかった。だけど、言葉をほそぐ元気がない。赤ちゃんと遊んでて、そうそう言葉なんて出てこない。無言になることもしばしば。所得の高い人でも、言葉が豊かでも、語りかける気力がないことがある。疲れているから。眠いから。保護者を元気にしないと、保護者の努力だけ訴えられても、健康な子供の育つ社会にはならない。解説で家庭支援センターが紹介されていたけど、そういう場の充実もひとつの手。
そして、最近は保活コンサルタントを名乗る人が0歳児復帰をすすめたりするけど、保育園ではたしかに1対1の語りかけは無理。育休を長くして、会社に損だとか思わず、子供との時間を充実させた方が、長期的には社会にプラスになることをわかる経営者が増えてほしい。
あと、どの世界でも、母親に育児偏りすぎ。母親は、妊娠、出産のためのあらゆる制限と苦しみを味わった時点で、育児の苦しみはもう経験する必要がないんだよ!
以下、メモ
聴力の無い子供に読み書きだけで教えるのは困難。アラビア語の本を差し出されたようなもの。どう発音するかもわからないのに。
子供への語りかけに意味があるとわかれば、保護者は語りかけをする意欲がわく
否定的な語りかけは成長を阻害する
赤ちゃん言葉にも意味がある。保護者と赤ちゃんとの関係を作っている
テレビでは言葉は覚えない。一方的だから。言葉は、コミュニケーションを取るためのものだから。
基数の原理 数を概念としてとらえる
3歳以上になると、この場、この瞬間と切り離された会話ができるようになる。
グリット 粘り強さ 困難な課題に向かう過程で得られる。結果を誉めると困難から逃げる。プロセスを誉める。
help! というより、be a helper! の方が響く(たしかに日本語では無いかも)
慢性的なストレスにさらされていると、守りにエネルギーを費やし、学べなくなってしまう。
命令でなく、提案と促し。問いかけ。
おまえはだめだ、ではなく、それは悪い行動だ
命令でなく、ある行動を取るとどうなるか、論理力と自制心を鍛える
Tune in 子供の注意に向かう
解説が日本語の注意と似てると言ってて面白い
Talk more 単語を注ぐ
ナレーションをする 実況中継
代名詞は使わない。言葉をどんどん増やす
Take Turns 双方向のコミュニケーション what でなくwhy howを広げると会話が続く。本も利用
算数はパターン。 bingo old mcdonaldsでも学べる
語彙が増えると自己制御もできる
ごっこ遊びでは子供の想像を阻害する言葉は使わないこと。遊びが膨らむ言葉を!おいしそうな匂い!ごはん、なんだろう?
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凄くレビューがいいので勉強として読んだ。
とにかく話しかける事が生まれてすぐからでも必要。
まぁ言われればそうだよなぁって感じなんだけど実践出来るのかは産まれてからの謎。
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なぜ子どもに話しかけることが大切なのか。研究ベースで探究することができます。
どう話しかければいいのか、どうコミュニケーションすべきなのか、実践事例も学べます。
子育てするなら一家に一冊おいておきたい。
人によっては既知の事柄が多く、物足りないかもしれません。
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・自己制御や実行機能を育てるために
命令ではなく、「どうすればいいかな?」と自分で考えて行動してもらうことが大事
「提案と促し」子どもの意見や主張、選択を引き出す
子どもにとっての最適な環境は
あたたかく、育ちを促すもの、子どもに対して応答的な環境
【3つのT】
①Tune In
子どもが集中している対象に気付き、その対象について子どもと一緒に話すという意識的な行動
自分がしていることに興味をもつ母親、父親を求めている
子どもが集中している世界で保護者が一緒に遊ぶ
親の意にそぐわないことでも
「絵本を読もうか?」と尋ねるのはいい、大事なことは子どもの答えにチューンインすること。
②Talk More
子どもに向かって言う言葉を増やす、ではなく
子どもと話す言葉を増やすことを目指す
ナレーション:実況中継
並行トーク:鍵を見つけたのね、あ、それは食べるものじゃないよ、じゃぁ一緒に鍵をあけてみようか。
子どもが持っているスキルから一歩二歩先をゆく
ふくらませるトーク
子どもが単語1語のときは2語で返す
子どもが2語のときは短い文章で返す、など。
③Take Turns
Tune Inして、Talk moreして、その後
子どもの反応を待つこと。
大事なことは待つこと。
保護者はつい子どもが話す前に先取りしてしまう。
自分で単語を探す時間を子どもにあげること。
答えが決まっている質問は意味が無い。
「これは何?」など
答えが決まっていない質問「オープンクエスチョン」がおすすめ。
「どうする?」「なぜ?」で子どものアイディアを聞く。
・空間の単語
長方形、正方形、まっすぐ、背の高い、曲がった
2歳までにたくさんの空間の単語を知っていると、4歳の時点での空間のスキルが高い